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行水
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ぎやうずゐ
ふりがな文庫
“
行水
(
ぎやうずゐ
)” の例文
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けると、
多勢
(
おほぜい
)
の
通學生
(
つうがくせい
)
をつかまへて、
山田
(
やまだ
)
が
其
(
その
)
吹聽
(
ふいちやう
)
といつたらない。
鵺
(
ぬえ
)
が
來
(
き
)
て
池
(
いけ
)
で
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
つたほどに、
事
(
こと
)
大袈裟
(
おほげさ
)
に
立到
(
たちいた
)
る。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
馬方
(
うまかた
)
が
言
(
い
)
ひますと、
馬
(
うま
)
は
片足
(
かたあし
)
づゝ
盥
(
たらひ
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れます。
馬
(
うま
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
は
藁
(
わら
)
でもつて、びつしより
汗
(
あせ
)
になつた
身體
(
からだ
)
を
流
(
なが
)
してやるのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夕方
(
ゆふかた
)
になると
竹垣
(
たけがき
)
に朝顔のからんだ勝手口で
行水
(
ぎやうずゐ
)
をつかつた
後
(
のち
)
其
(
そ
)
のまゝ
真裸体
(
まつぱだか
)
で
晩酌
(
ばんしやく
)
を傾けやつとの事
膳
(
ぜん
)
を離れると、夏の
黄昏
(
たそがれ
)
も
家々
(
いへ/\
)
で
焚
(
た
)
く
蚊遣
(
かやり
)
の
烟
(
けむり
)
と共にいつか夜となり
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「はつと思つたが、あの
蝠女
(
ふくぢよ
)
といふのが見張つて居て、暫らく動けやしません。我慢をして、ヂツと物蔭から見て居ると、大膳坊は引つ込んで、今度は蝠女の
行水
(
ぎやうずゐ
)
が始まつた」
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
早
(
はや
)
くお
這入
(
はいり
)
といふに
太吉
(
たきち
)
を
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
てゝ
源七
(
げんしち
)
は
元氣
(
げんき
)
なくぬつと
上
(
あが
)
る、おやお
前
(
まへ
)
さんお
歸
(
かへ
)
りか、
今日
(
けふ
)
は
何
(
ど
)
んなに
暑
(
あつ
)
かつたでせう、
定
(
さだ
)
めて
歸
(
かへ
)
りが
早
(
はや
)
からうと
思
(
おも
)
うて
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
沸
(
わ
)
かして
置
(
おき
)
ました
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
二時
(
やつ
)
さがりに
松葉
(
まつば
)
こぼれて、
夢
(
ゆめ
)
覺
(
さ
)
めて
蜻蛉
(
とんぼ
)
の
羽
(
はね
)
の
輝
(
かゞや
)
く
時
(
とき
)
、
心太
(
ところてん
)
賣
(
う
)
る
翁
(
おきな
)
の
聲
(
こゑ
)
は、
市
(
いち
)
に
名劍
(
めいけん
)
を
鬻
(
ひさ
)
ぐに
似
(
に
)
て、
打水
(
うちみづ
)
に
胡蝶
(
てふ/\
)
驚
(
おどろ
)
く。
行水
(
ぎやうずゐ
)
の
花
(
はな
)
の
夕顏
(
ゆふがほ
)
、
納涼臺
(
すゞみだい
)
、
縁臺
(
えんだい
)
の
月見草
(
つきみさう
)
。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父
(
とう
)
さんは
馬方
(
うまかた
)
の
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて、
樂
(
たのし
)
さうに
行水
(
ぎやうずゐ
)
をつかつて
貰
(
もら
)
つて
居
(
ゐ
)
る
馬
(
うま
)
を
眺
(
なが
)
めました。そして、
馬
(
うま
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
の
始
(
はじ
)
まる
時分
(
じぶん
)
には
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
の
村
(
むら
)
へ
夕方
(
ゆふがた
)
の
來
(
く
)
ることを
知
(
し
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それ
等
(
ら
)
の
家
(
うち
)
の
竹垣
(
たけがき
)
の
間
(
あひだ
)
からは
夕月
(
ゆふづき
)
に
行水
(
ぎやうずゐ
)
をつかつてゐる女の
姿
(
すがた
)
の見える事もあつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「いえ早い方で、毎晩入るから。——俺のは
烏
(
からす
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
だ——と申して居りました」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もツと
)
も
那
(
あ
)
のこれから
冬
(
ふゆ
)
になりまして
山
(
やま
)
が
宛然
(
まるで
)
氷
(
こほ
)
つて
了
(
しま
)
ひ、
川
(
かは
)
も
崖
(
がけ
)
も
不残
(
のこらず
)
雪
(
ゆき
)
になりましても、
貴僧
(
あなた
)
が
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
遊
(
あそ
)
ばした
彼処
(
あすこ
)
ばかりは
水
(
みづ
)
が
隠
(
かく
)
れません、
然
(
さ
)
うしていきりが
立
(
た
)
ちます。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
馬方
(
うまかた
)
は
馬
(
うま
)
を
褒
(
ほ
)
めまして、
馬
(
うま
)
の
脊中
(
せなか
)
にある
鞍
(
くら
)
をはづしてやつたり
馬
(
うま
)
の
顏
(
かほ
)
を
撫
(
な
)
でゝやつたりしました。それから
馬方
(
うまかた
)
は
大
(
おほ
)
きな
盥
(
たらひ
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
まして、
馬
(
うま
)
に
行水
(
ぎやうずゐ
)
をつかはせました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
南冥
(
なんめい
)
へ行くんだ。
天池
(
てんち
)
ともいふ。——其處に
鵬
(
ほう
)
といふ鳥が
行水
(
ぎやうずゐ
)
を使つてゐる」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人
(
ひとり
)
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
して
置
(
お
)
いた
處
(
ところ
)
で、
留守
(
るす
)
に
山
(
やま
)
から
猿
(
さる
)
が
來
(
き
)
て、
沸湯
(
にえゆ
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
はせる
憂慮
(
きづかひ
)
は
決
(
けつ
)
してないのに、
誰
(
たれ
)
かついて
居
(
を
)
らねばと
云
(
い
)
ふ
情
(
なさけ
)
から、
家中
(
うちぢう
)
野良
(
のら
)
へ
出
(
で
)
る
處
(
ところ
)
を、
嫁
(
よめ
)
を
一人
(
ひとり
)
あとへ
殘
(
のこ
)
して
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天上
(
てんじやう
)
か、
奈落
(
ならく
)
か、
山懷
(
やまふところ
)
の
大釜
(
おほがま
)
を
其
(
そ
)
のまゝに、
凄
(
すご
)
いほど
色白
(
いろじろ
)
な
婦
(
をんな
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
する
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
た。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
臺所
(
だいどころ
)
の
狹
(
せま
)
い
張出
(
はりだ
)
しで、お
媼
(
ば
)
さんは
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れてから
自分
(
じぶん
)
で
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
つた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“行水”の解説
行水(ぎょうずい)とは、桶やたらい等にお湯や水をそそぎ、それを浴びて体を洗うこと。入浴の一形態。
(出典:Wikipedia)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“行水”で始まる語句
行水盥
行水姿