その日の中村氏は白地の勝った絣を着ていたような気がする。穏やかで、パッシイヴで、そしてどこか涼しい感じのする人であった。
四箇月振りで、寝巻を脱ぎ絣の着物を着て、お母さんと一緒に玄関へ出ると、そこに場長が両手をうしろに組んで黙って立っていた。
“絣”の解説
絣(かすり)は、織物の技法の一つで、絣糸(かすりいと)、すなわち前もって染め分けた糸を経糸(たていと)、緯糸(よこいと、ぬきいと)、またはその両方に使用して織り上げ、文様を表すものである。「絣」は日本および琉球の織物を指す用語であるが、これに類した織技は東南アジアをはじめ世界各地にみられ、マレー語/インドネシア語で「縛る、括る」を意味する「イカット」(ikat)という語で呼ばれている。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)