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細引
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ほそびき
ふりがな文庫
“
細引
(
ほそびき
)” の例文
二階の方は、相も変らぬ黄色のペンキで塗ってあり、階下には、馬の
頸圏
(
くびき
)
だの、
細引
(
ほそびき
)
だの、
環麺麭
(
バランカ
)
だのを売っている店が並んでいる。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
目をこらして、彼の降りて来た個所を見ると、格天井の隅の一枚が、ポッカリ黒い穴になって、そこから一本の
細引
(
ほそびき
)
がたれている。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ブル/\
慄
(
ふる
)
えて居る新吉に構わず、
細引
(
ほそびき
)
を取って
向
(
むこう
)
の柱へ結び付け、惣右衞門の側へ来て寝息を
窺
(
うか
)
がって、起るか起きぬか
試
(
ためし
)
に小声で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
前の晩運び下しておいた私のトランクは、
細引
(
ほそびき
)
が掛かつて入口のところにあつた。六時までには、ほんの數分しかなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
立騒ぐ召つかいどもを叱りつも
細引
(
ほそびき
)
を
持
(
も
)
て来さして、しかと両手をゆわえあえず奥まりたる三畳の暗き
一室
(
ひとま
)
に
引立
(
ひった
)
てゆきてそのまま柱に
縛
(
いまし
)
めたり。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
あとは自分でも人足の姿に身を変え、下男の佐吉に言い付けて裏の木小屋から「せいた」(木曾風な
背負子
(
しょいこ
)
)を持って来させた。
細引
(
ほそびき
)
まで用意した。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
鍛冶倉はお豊を
放
(
ほ
)
っておいて、そこに投げ出してあった
細引
(
ほそびき
)
を拾い取ると片手に持って、金蔵を膝の下に組み敷く。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一男の手は風のように早く動いて職工頭をしばってある
細引
(
ほそびき
)
をほどいて、そのぐったりした体を両腕で抱いた。体の重さで、彼はバケットの中でよろめいた。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
何やつの
仕業
(
しわざ
)
か、大小ふたつとも、何時の間にか強い
細引
(
ほそびき
)
で、
鞘
(
さや
)
から
柄
(
つか
)
へかけて
岩矢搦
(
がんじがら
)
めに
縛
(
しば
)
ってあるのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それからやっと
長椅子
(
ながいす
)
へかけると、あっけにとられた細君に
細引
(
ほそびき
)
を持って来いと命令した。常子は勿論夫の
容子
(
ようす
)
に大事件の起ったことを想像した。第一顔色も非常に悪い。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
両側の建物の出窓という出窓からは往来の上じゅう
細引
(
ほそびき
)
を張りめぐらして、
襁褸
(
おしめ
)
同然の
襤褸
(
ぼろ
)
着物が一杯に懸け連ねてあるし、私のところへ来るまでにも長いお邸勤めの生活で
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
大八車
(
だいはちぐるま
)
が三台、
細引
(
ほそびき
)
だの滑車だの手落ちのないよう万事気を附け、岡倉校長を先導に主任の私、山田、後藤、石川、竹内、その他の助手、
人足
(
にんそく
)
など大勢が繰り込みましたことで
幕末維新懐古談:70 木彫の楠公を天覧に供えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
見るに身は
細引
(
ほそびき
)
にて縛られ口には猿轡を
箝
(
はめ
)
てあり友次郎は見も悼ましく
先
(
まづ
)
縛
(
しば
)
りし繩を
解捨
(
ときすて
)
猿轡
(
さるぐつわ
)
をも
取
(
と
)
り
除
(
のく
)
るに
解
(
とく
)
手遲しとお花は友次郎に
抱付
(
いだきつき
)
流石
(
さすが
)
に餘處を兼しか聲をも立ず泣けるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
紫色や桃色の
電
(
いなずま
)
がぱっ/\と一しきり闇に降る
細引
(
ほそびき
)
の
様
(
よう
)
な太い雨を見せて光った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これはそれまでにめいめいその
準備
(
したく
)
をしていることではあるが、持合せのないもの、または当夜に限って必要なもの、たとえば槍、
薙刀
(
なぎなた
)
、弓矢の類を始めとして、
斧
(
おの
)
、
鎹
(
かすがい
)
、
玄能
(
げんのう
)
、
懸矢
(
かけや
)
、
竹梯子
(
たけばしご
)
、
細引
(
ほそびき
)
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
愈よ荷物を片付けようと云うので箪笥を
細引
(
ほそびき
)
で
縛
(
しばっ
)
て、青山の方へ
持
(
もっ
)
て行けば大丈夫だろう、何も
只
(
ただ
)
の人間を害する
気遣
(
きづかい
)
はないからと云うので、青山の
穏田
(
おんでん
)
と云う処に
呉黄石
(
くれこうせき
)
と云う
芸州
(
げいしゅう
)
の医者があって
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
首へ巻いてあった
細引
(
ほそびき
)
は取り外してありますが
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして、ある月のよい晩のこと、窓の外に出っ張っている、電線引込用の小さな横木に
細引
(
ほそびき
)
をかけて、首を
縊
(
くく
)
って自殺をしてしまったのです。
目羅博士の不思議な犯罪
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
立騒
(
たちさわ
)
ぐ
召
(
めし
)
つかひどもを
叱
(
しか
)
りつも
細引
(
ほそびき
)
を持て来さして、しかと両手をゆはへあへず奥まりたる三畳の暗き
一室
(
ひとま
)
に
引立
(
ひつた
)
てゆきてそのまま柱に
縛
(
いまし
)
めたり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの時、針ヶ別所の山の中で、
鍛冶倉
(
かじくら
)
の奴にひどい目に
遭
(
あ
)
って、首へ
細引
(
ほそびき
)
を
捲
(
ま
)
きつけられましたがな、わしはまた、鍛冶倉を山刀で
無暗
(
むやみ
)
に突き立てて突き殺しましたよ。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
人足が
法被
(
はっぴ
)
を腰に巻き附け、小太い竹の息杖を突き、
胴中
(
どうなか
)
を
細引
(
ほそびき
)
で縛った長持を二人で
担
(
かつ
)
ぎ、
文身
(
ほりもの
)
といっても
能
(
よ
)
い
文
(
かざ
)
りではございません、紺の木綿糸を噛んで吐き附けた様な
筋彫
(
すじぼり
)
で
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見て心中に
點頭
(
うなづき
)
時分は
宜
(
よし
)
と獨り
微笑
(
ほゝゑ
)
み
傍
(
あたり
)
を見廻せば
壁
(
かべ
)
に一筋の
細引
(
ほそびき
)
を掛て有に是
屈竟
(
くつきやう
)
と
取卸
(
とりおろ
)
し前後も知らず
寢入
(
ねいり
)
しばゝが首に
纒
(
まと
)
ひ難なく
縊
(
くゝ
)
り殺し
豫
(
かね
)
て
認置
(
みおき
)
し二品を
奪
(
うば
)
ひ
取
(
とり
)
首に纒ひし
細引
(
ほそびき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
不思議な事に、その中の一人は、素裸で、仰向けに
地面
(
ぢびた
)
へ寝ころんでゐる。おまけに、どう云ふ訳だか、
細引
(
ほそびき
)
で、手も足もぐる/\巻にされてゐる。が格別当人は、それを苦に病んでゐる容子もない。
酒虫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
首へ卷いてあつた
細引
(
ほそびき
)
は取り外してありますが
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さあ、
細引
(
ほそびき
)
の用意はいいか。」
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それと見ると、黒眼鏡の小男は、どこからか長い
細引
(
ほそびき
)
を取出して、素早く川手氏の足元に走り寄り、いきなり足の先からグルグルと巻きつけ始めた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
七兵衛は
行燈
(
あんどん
)
の下で麻を
扱
(
しご
)
いて、それを足の指の間へ
挿
(
はさ
)
んで小器用に
細引
(
ほそびき
)
を
拵
(
こしら
)
えながら
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
柱に
縛付
(
しばりつ
)
けてあった
細引
(
ほそびき
)
へ火が付きますと、
素
(
もと
)
より年数の
経
(
た
)
って
性
(
しょう
)
のぬけた細引でございますから、焼け切れますると、
彼
(
か
)
の箱が一つ
竈
(
べっつい
)
へ当り、其の
機
(
はず
)
みに路地へ転げ落ちましたから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この
猿
(
さる
)
は、
誰
(
だれ
)
が
持主
(
もちぬし
)
といふのでもない、
細引
(
ほそびき
)
の
麻繩
(
あさなは
)
で
棒杭
(
ばうくひ
)
に
結
(
ゆわ
)
えつけてあるので、あの、
占治茸
(
しめぢたけ
)
が、
腰弁当
(
こしべんたう
)
の
握飯
(
にぎりめし
)
を
半分
(
はんぶん
)
与
(
や
)
つたり、
坊
(
ばつ
)
ちやんだの、
乳母
(
ばあや
)
だのが
袂
(
たもと
)
の
菓子
(
くわし
)
を
分
(
わ
)
けて
与
(
や
)
つたり
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
之
(
これ
)
有
(
ある
)
に
依
(
より
)
早速彦三郎を呼出されしに
細引
(
ほそびき
)
にて
縛
(
しばり
)
し
儘
(
まゝ
)
白洲へ
引据
(
ひきすゑ
)
たり時に越前守殿
此體
(
このてい
)
を見られ是は何か
仔細
(
しさい
)
有
(
あり
)
と
敏
(
はや
)
くも察せられしかば
徐
(
しづ
)
かに詞を
發
(
はつ
)
し如何に彦三郎其方が父彦兵衞事去冬人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
グルグル巻きに
細引
(
ほそびき
)
で縛られ、手拭の猿轡をはめられて、物もいえず、身動きもできぬ哀れな有様で転がっていた。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
細引
(
ほそびき
)
の残りを見附け、それを又作の首っ玉へ巻き附け、力に
任
(
まか
)
せて
縊附
(
しめつ
)
けたから、又作はウーンと云って、二つ三つ足をばた/\やったなり、悪事の
罰
(
ばち
)
で丈助のために
縊
(
くび
)
り殺されました。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
細引
(
ほそびき
)
の麻縄で
棒杭
(
ぼうぐい
)
に
結
(
ゆわ
)
えつけてあるので、あの、
湿地茸
(
しめじたけ
)
が、腰弁当の握飯を半分
与
(
や
)
ったり、坊ちゃんだの、
乳母
(
ばあや
)
だのが、
袂
(
たもと
)
の菓子を分けて与ったり、
紅
(
あか
)
い着物を着ている、みいちゃんの
紅雀
(
べにすずめ
)
だの
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は
矢庭
(
やにわ
)
に飛出して、用意の
細引
(
ほそびき
)
をうしろから、兄の——その私と少しも違わないふたごの片割れ——の首へまきつけると、死もの狂いで締めつけました。
双生児:――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
独楽
(
こま
)
の
紐
(
ひも
)
など
継
(
つ
)
ぎ足した怪しい
細引
(
ほそびき
)
で其の箱を
梁
(
はり
)
へ
吊
(
つる
)
し、紐の
端
(
はし
)
を
此方
(
こっち
)
の台所の
上
(
あが
)
り口の柱へ縛り附け、
仰
(
あお
)
ぬいて見たところ、屋根裏が
燻
(
くすぶ
)
っていますから、箱の
吊
(
つる
)
して有るのが知れませんから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
書生達は棒切れや
細引
(
ほそびき
)
を用意して、金庫の前に待ち構えた。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“細”で始まる語句
細
細々
細君
細工
細面
細作
細流
細道
細紐
細長