はっ)” の例文
旧字:
うみいろつめていた船長せんちょうが、突然とつぜん危険きけん警告けいこくはっしましたが、もうまにあわなかった。ふねは、ひどいおとをたて、暗礁あんしょう衝突しょうとつしたのです。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼつぜんといかりをはっした竹童はあい手が、樹上じゅじょうの忍剣へ、狙撃そげき引金ひきがねをひこうとするすきへむかって、かんぜんとおどりかかってきたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これはこれは、お嬢様、そう自暴やけにおかぶりになっては、第一のぼせて毒でございます、ちとおはっしなさいまし」
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いずれも編笠あみがさふかかおかくしたまま、をしばたたくのみで、たがいに一ごんはっしなかったが、きゅうなにおもいだしたのであろう。羽左衛門うざえもんは、さびしくまゆをひそめた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
第九条 天皇ハ法律ヲ執行スルためニ又ハ公共ノ安寧秩序あんねいちつじょヲ保持シ及臣民ノ幸福ヲ増進スルためニ必要ナル命令ヲはっシ又ハはっセシム但シ命令ヲもっテ法律ヲ変更スルコトヲ得ス
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
潜渓が方生の天台にかえるを送るの詩の序に記して曰く、晩に天台の方生希直きちょくを得たり、其の人となりや凝重ぎょうちょうにして物にうつらず、穎鋭えいえいにして以てこれを理にしょくす、ままはっして文を
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
本篇ほんぺん集成しゅうせいしたるものはわたくしでありますが、私自身わたくしじしんをその著者ちょしゃというのはあたらない。わたくしはただ入神中にゅうしんちゅうのTじょくちからはっせらるる言葉ことばはた筆録ひつろくし、そしてあと整理せいりしたというにぎません。
自分よりはっします。お控えください。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
真吉しんきちは、ひさしぶりで、叔父おじさんのうちへいこうとかけたのであります。ふと、あちらの停車場ていしゃばはっしてゆく、汽車きしゃふえおとをききました。
真吉とお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
不肖ふしょう奉行ぶぎょうの身をもって、混乱こんらんのなかとはいえ、過激かげきたことばをはっしたのは、重々じゅうじゅうなあやまり、どうかお気持をとりなおしていただきたい」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
心細いことを御意あそばすようでは、金助如きは、世間が狭くなって、もう一寸たりとも、お膝元が歩けません、いざ改めておはっし下さいませ、行道先達ぎょうどうせんだつ、ヨイショ
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
えて昭和しょうわねんはるいたり、彼女かのじょひとつの動機どうきから霊視れいしほかさら霊言れいげん現象げんしょうおこすことになり、本人ほんにんとはちがった人格じんかくがその口頭機関こうとうきかん占領せんりょうして自由自在じゆうじざい言語げんごはっするようになりました。
これをくと、運命うんめいほしは、身動みうごきをしました。そして、おそろしくすごいひかりはっしました。なにか、自分じぶんにいらぬことがあったからです。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これ、槍術家そうじゅつかがわの者と、剣道方けんどうがたの者とが、しぜん、おのれのよるところへおもわずはっした声援せいえんと思われたが、それも、ただ一こくにして、パッタリとしずまる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時間じかんいくかいとなく、貨車かしゃや、客車きゃくしゃ往復おうふくするために、ねつはっし、はげしく震動しんどうする線路せんろでも、ある時間じかんは、きわめてしんとして、つめたく白光しろびかりのする鋼鉄こうてつおもて
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いきなりこう一は、質問しつもんはっしました。ふいに、こんな質問しつもんをされたので、おかあさんは
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのばらのはなは、のついていないばなにしかすぎませんでした。けれど、そのはなからはなにおいは、このなかのすべてのはなからはっするにおいよりは、ずっとたかく、よかったのであります。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、ヒヤシンスや、リリーや、アネモネや、そののいろいろな草花くさばなからはっする香気こうきがとけって、どんなにいい香水こうすいにおいもそれにはおよばないほどのかおりが、きゅうに、かおからだおそったのでした。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)