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入神中
本篇を
集成したるものは
私でありますが、
私自身をその
著者というのは
当らない。
私はただ
入神中のT
女の
口から
発せらるる
言葉を
側で
筆録し、そして
後で
整理したというに
過ぎません。
入神中のT
女の
意識は
奥の
方に
微かに
残ってはいるが、それは
全然受身の
状態に
置かれ、そして
彼女とは
全然別個の
存在——
小櫻姫と
名告る
他の
人格が
彼女の
体躯を
司配して、
任意に
口を
動かし