トップ
>
斯
>
かか
ふりがな文庫
“
斯
(
かか
)” の例文
斯
(
かか
)
る始末となって
多勢
(
たぜい
)
に
取巻
(
とりまか
)
れては、
到底
(
とても
)
本意
(
ほんい
)
を遂げることは
覚束
(
おぼつか
)
ない。一旦はここを逃げ去って、二度の復讐を計る方が無事である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
斯
(
かか
)
る重大のことを惹き起せしも、遠因は、「ひよつとこ鈎」に在りと想へば早く歯科医に見せざりし、鯰の口中こそ重ね重ねの恨みなれ。
釣好隠居の懺悔
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
斯
(
かか
)
る時に当って、日本に未だ曾て科学小説の現れなかったというのは、日本人が如何に科学に対して無理解であったかを示すものである。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
然し
斯
(
かか
)
る篤志家に無闇に書物を買占められると、読む方の愛書家は往々迷惑する。で、つい
蒐集
(
しゅうしゅう
)
家の悪口も言って見たくなる。
愛書癖
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
(後者は
永井荷風
(
ながゐかふう
)
氏の
比喩
(
ひゆ
)
なり。
必
(
かならず
)
しも前者と
矛盾
(
むじゆん
)
するものにあらず)予の文に至らずとせば、
斯
(
かか
)
る美人に対する感慨を
想
(
おも
)
へ。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
しかし大きな獲物の前には、すべてを忘れて
之
(
これ
)
を追跡する彼等の習性から推して、
斯
(
かか
)
る場合、山へ登ることが無かったとは断言するを得ない。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
斯
(
かか
)
る不幸に際して跡に遺る婦人の年齢が四十五十にも達して、加うるに子供の数も多からんには、寡を守りて家に居る可きなれども、僅に二
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯
(
かか
)
ることを書き連ね、身の恥を忘れ、愚かしき
悲嘆
(
なげき
)
を包むの
暇
(
いとま
)
もなきは、ひとえに君とお雪とを救わんとの願に外ならず候。あわれむべきはお雪に候。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
かかる性格を有する
斯
(
かか
)
る時代の少年の特徴と認むるを得べく、又、談話中の到る処に発見さるる可憐なる率直さ
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
なお、「黒髪に
白髪
(
しろかみ
)
まじり老ゆるまで
斯
(
かか
)
る恋にはいまだ逢はなくに」(巻四・五六三)という類想の歌もある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
我昔こゝらにさまよひし頃は見んとも思はざりし夜店なれど、此頃は
斯
(
かか
)
る事さへなつかしく店々こまかに見もて行かんと思ふに実にせんなき身とはなりけり。
夜寒十句
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その瞬間に此の病み疲れた老婦人は、華麗な
客室
(
サロン
)
に深く埋もれ多彩な思ひ出をあたり一面にぼかすところの、
斯
(
かか
)
る老いたる貴婦人の一人の如く思ひ做された。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
我国は此事件に由りて「ペロレー」の非行を
矯
(
た
)
め得たるも、同時に日本政府は今尚ほ
斯
(
かか
)
る非行を公行する未開国たる事実を正式に世界に暴露したるの結果を来せり。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
見て大に仰天し、こは何時の間に
斯
(
かか
)
る大軍が此の地に来れる。天よりは降りけん地よりは
湧
(
わ
)
き出でけん、誠に天魔の所行なりとさしもに
雄
(
はや
)
る武田の勇将猛士も恐怖の色を
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
唯それが子供の手によつてなさるる
斯
(
かか
)
る悪戯は彼等に於て痛快な事であるに相違ない。
発行所の庭木
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
斯
(
かか
)
るときに於てはじめて芸術は人類に必需で、自他共に恵沢を与えられる仁術となる。一時の人気や枝葉の美に戸惑ってはいけない。いっそやるなら、ここまで踏み入ることです。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
なおこの手記は極めて興味あるものであって、患者の脳症を顕著に示しているが、しかし氏が
斯
(
かか
)
る患者であるとの予備知識なくして一読するときは、一つの
纏
(
まとま
)
った物語として受取れる。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
斯
(
かか
)
る深山に入りてみやびたるわざに心をこらす少女の心のうちを思うにいとなつかしく今
迄
(
まで
)
は
只
(
ただ
)
いとわしき者にのみ思いし外国人の中にかかるやさしきもありけるよと心にくき事限りなし。
滝見の旅
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
斯
(
かか
)
る賭博に喧嘩の伴うのは珍しくない。二人は勝負の争いから
忽
(
たちま
)
ちに喧嘩を始めて、熊吉は
燃未了
(
もえさし
)
の枝を
把
(
と
)
るより早く、重蔵の
横面
(
よこつら
)
を一つ
撲
(
なぐ
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕の
恬然
(
てんぜん
)
と本名を署して文章を
公
(
おほやけ
)
にせる最初なり。細君の名は
雅子
(
まさこ
)
、
君子
(
くんし
)
の
好逑
(
かうきう
)
と称するは
斯
(
かか
)
る細君のことなるべし。
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一切の事情をば問わずして、ただ
喫驚
(
きっきょう
)
の余りに、日本の紳士は下郎なりと放言し去ることならん。君らは
斯
(
かか
)
る評論を
被
(
こうむ
)
りて、果たして
愧
(
は
)
ずる所なきか。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
幸にして其誤りや単に山中の一湖沼のみにして止まらば、即ち白璧の微瑕にして殆ど其価値を損することあらざる可きも、
斯
(
かか
)
る場合は寧ろ稀有の事に属す。
古図の信じ得可き程度
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
斯
(
かか
)
ること相話しながら、
神
(
しん
)
を二本の綸に注ぎ、来るか来るかと、待ちわびしが、僅に、
当歳
(
でき
)
魚五六尾挙げしのみにて、
終
(
つい
)
に一刻千金と当てにしたりし日も暮れぬ。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
斯
(
かか
)
る世に芸術の神とも仰ぐ可き能楽家只圓翁が茶道に接すれば自然に紛々たる技巧の堕気を破つて卓然その神をこの茶杓の形に示現せしめしものと存候。(下略)
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
恐らくは太い怒りを胸に
蔵
(
カク
)
して憎々しげに素知らぬ顔を作るところの
斯
(
かか
)
る敵意の沈黙であつた。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
斯
(
かか
)
るときに
於
(
おい
)
てはじめて芸術は人類に
必需
(
ひつじゅ
)
で、
自他
(
じた
)
共に
恵沢
(
けいたく
)
を与えられる
仁術
(
じんじゅつ
)
となる。一時の人気や
枝葉
(
しよう
)
の美に
戸惑
(
とまど
)
ってはいけない。いっそやるなら、ここまで踏み
入
(
い
)
ることです。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
内部に平気でそれ等のものを採用して置いて、外部に翁の像だけがおかしいというのは
頗
(
すこぶ
)
る不合理なことである。建築の上にもどし/\
斯
(
かか
)
る大胆な試みを敢てして、単調を破るべきである。
丸の内
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
然るに有間皇子は御年僅か十九歳にして、
斯
(
かか
)
る客観的荘厳を
成就
(
じょうじゅ
)
せられた。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
斯
(
かか
)
る誤を來すも畢竟從來の和歌がなだらかなる調子のみを取り來りしに因る者にて、俳句も漢詩も見ず歌集ばかり讀みたる歌よみには
爾
(
し
)
か思はるゝも無理ならぬ事と存候。さて/\困つた者に御座候。
歌よみに与ふる書
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
斯
(
かか
)
る読者は泥古残念帖にも誤られ易きものなれば、
斯
(
かく
)
て念には念を入れて「
念仁波念遠入礼帖
(
ねんにはねんをいれちやう
)
」を艸すること然り。
念仁波念遠入礼帖
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その然る
所以
(
ゆえん
)
は、訳者が心を用いて特に避けたるにあらずして、原書中を求めて
斯
(
かか
)
る醜談に見当たらざればなり。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼女
(
かれ
)
は
此
(
こ
)
の岩穴の
中
(
うち
)
に何等かの暗い秘密を
蔵
(
ぞう
)
しているので、
其
(
そ
)
の発覚を恐れて
斯
(
かか
)
る兇行を企てたに相違ない。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
斯
(
かか
)
る関係があるので、其奥に在る山地は三ヶ村共有の
挊場
(
かせきば
)
としたものであろう。『利根郡村誌』には
尾瀬の昔と今
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
而して
斯
(
かか
)
る事実の詳細に関しては他日「妖怪篇」なる一篇に集積して研究論証すべく、目下材料の整理中に属すれども、その一班を摘要すれば、元来この屍神、屍鬼
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
前夜近処より、
糸女
(
いとめ
)
餌を取らせ、又小鱸鈎に
※
(
す
)
を巻かせなどしたりしかば、常に無頓着なりしに似ず、今
斯
(
かか
)
る物の出でしを怪み、之を予に示して、「
水蛭
(
ひる
)
にて釣らせらるゝにや」と
詰
(
なじ
)
れり。
釣好隠居の懺悔
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
斯
(
かか
)
る嫉妬心は
努〻
(
ゆめゆめ
)
発す可らず、我輩の堅く警しむる所なれども、本文に言う嫉妬の心云々とは果して此種の嫉妬なるや否や、篤と吟味す可き所のものなり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯
(
かか
)
る機会を与ふるに
吝
(
やぶさか
)
なりしと共に、儒教主義の教育を受けたる予も、亦
桑間濮上
(
さうかんぼくじやう
)
の
譏
(
そしり
)
を
惧
(
おそ
)
れたるを以て、無限の離愁を抱きつつ、
孤笈飄然
(
こきふへうぜん
)
として英京に去れり。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
(
そ
)
の以来
曾
(
かつ
)
て
斯
(
かか
)
る
怪異
(
あやしみ
)
を見た者もなく、現に十五六年来も
其
(
そ
)
の別荘に住む番人夫婦すらも、
曾
(
かつ
)
て見もせず聞きもせぬ幽霊の姿を、無関係の私が
何
(
どう
)
して偶然に見たのであろう
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
恐らく夏の高山に野宿した経験のある人でも、
斯
(
かか
)
る静けさを体得しえなかったであろう。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
情け知らずの人非人として世に
擯斥
(
ひんせき
)
せらる可きが故に、
斯
(
かか
)
る極端の場合は之を除き、全体を概して言えば婚姻法の実際に就き女子に大なる不平はなかる可し。
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
いや、中には
斯
(
かか
)
る贅沢品の為に、生産能力の費される事を憤慨する向きもありさうである。
竜村平蔵氏の芸術
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
猟夫仲間では
之
(
これ
)
をえてものと云ふ。現に
此
(
こ
)
の猟夫も七八年
前
(
ぜん
)
二三人の同業者と連れ立つて、木曾の山奥へ
猟
(
りょう
)
に行つた。
斯
(
かか
)
る深山へ登る時には、四五
日
(
にち
)
分
(
ぶん
)
の米の他に
鍋
(
なべ
)
釜
(
かま
)
をも
携
(
たずさ
)
へて行くのが
慣例
(
ならい
)
。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
斯
(
かか
)
る有様にては、
仮令
(
たと
)
いその子を天下第一流の人物、第一流の学者たらしめんと欲するの至情あるも、人にいわれぬ至情にして、おそらくは事実には行われ難からん。
教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
神は予に明子を見る事、妹の如くなる可きを教へ給へり。然り而して予が妹を、
斯
(
かか
)
る禽獣の手に
委
(
ゐ
)
せしめ給ひしは、何ぞや。予は最早、この残酷にして
奸譎
(
かんけつ
)
なる神の悪戯に堪ふる能はず。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
斯
(
かか
)
る
怪異
(
あやしみ
)
を見て
唯
(
ただ
)
怖い怖いと
顫
(
ふる
)
えているばかりが能でもあるまい、
其
(
そ
)
の怪しい形の
有
(
あり
)
のままを筆に
上
(
のぼ
)
せて、いかに
其
(
そ
)
れが恐しくあったかと云う事を
他人
(
ひと
)
にも示し、また自分の
紀念
(
きねん
)
にも存して置こうと
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
斯
(
かか
)
る世上の有様なれば、在江戸の人にして
苟
(
いやしく
)
も横浜在留の西洋人に知る者あれば、西洋人も
亦
(
また
)
私に
之
(
これ
)
を保護せんとするの情を抱き、或は仮に某国の籍に入れと
云
(
い
)
う者あり
故社員の一言今尚精神
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
然らずんば、人間の腹より出でたる
犬豕
(
けんし
)
を生ずること
必定
(
ひつじょう
)
なり。
斯
(
かか
)
る
化物
(
ばけもの
)
は街道に連れ出して見世物となすには至極面白かるべけれども、世の中のためには甚だ困りものなり。
家庭習慣の教えを論ず
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
羽
(
う
)
はこれを
聴
(
き
)
かず、初め江東の子弟八千を
率
(
ひき
)
いて西し、
幾回
(
いくかい
)
の苦戦に
戦没
(
せんぼつ
)
して今は一人の残る者なし、
斯
(
かか
)
る失敗の後に至り、何の面目か
復
(
ま
)
た江東に
還
(
かえ
)
りて死者の父兄を見んとて
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
すなわち東洋諸国
専制流
(
せんせいりゅう
)
の
慣手段
(
かんしゅだん
)
にして、勝氏のごときも
斯
(
かか
)
る専制治風の時代に
在
(
あ
)
らば、或は同様の
奇禍
(
きか
)
に
罹
(
かか
)
りて新政府の諸臣を
警
(
いま
)
しむるの
具
(
ぐ
)
に供せられたることもあらんなれども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
然るを婦人が不幸にして
斯
(
かか
)
る悪疾に罹るの故を以て離縁とは何事ぞ。夫にして
仮初
(
かりそめ
)
にも人情あらば、離縁は扨置き厚く看護して、仮令い全快に至らざるも其軽快を祈るこそ人間の道なれ。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
“斯”を含む語句
斯様
僂麻質斯
斯々
如斯
螽斯
波斯
莫斯科
斯樣
斯道
窒扶斯
腸窒扶斯
瓦斯
瓦斯灯
斯般
瓦斯暖炉
俄羅斯
斯如
水素瓦斯
瓦斯燈
毒瓦斯
...