才覺さいかく)” の例文
新字:才覚
不動院が聞付て中へ立入りしかば然ば御ばうに御まかせ申すとて夫より懸合かけあひの上金三十五兩今宵中に才覺さいかくして渡すべしと約束やくそく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はなしいたときかれむし御米およね機敏きびん才覺さいかくおどろかされた。同時どうじはたして夫丈それだけ必要ひつえうがあるかをうたがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なんぢこゝろしとおもはばそれにてし、」と幼君えうくん滿足まんぞくしてたまへば、「しからば國中こくちう鳥屋とりや申附まをしつけあらゆる小鳥ことり才覺さいかくいたしてはや御慰おなぐさみそなたてまつらむ、」と勇立いさみたてば
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ロミオ なう、ひめすゝめてくだされ、この晝過ひるすぎに、なんとか才覺さいかくして懺悔式ざんげしきらるゝやう。あのロレンス殿どの庵室あんじつで、懺悔ざんげしきまして婚禮こんれいするこゝろなれば。こりゃ骨折賃ほねをりちんぢゃ。
大道餅だいだうもちふてなり三ヶにち雜煮ぞうにはしもたせずば出世しゆつせまへの三すけおやのある甲斐かひもなし、晦日みそかまでにかねりやうひにくゝともこの才覺さいかくたのみたきよしをしけるに、おみねしばらく思案しあんして
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
申せしかば彦兵衞は彌々いよ/\こまはて當人が出ぬ時は新町へ立替たてかへねばならず依ては氣の毒ながらみぎ代物しろものだけしな才覺さいかくあるべしと申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尾籠びろうながら、わたしはハタと小用こようこまつた。辻便所つじべんじよなんにもない。家内かない才覺さいかくして、避難場ひなんばちかい、四谷よつや髮結かみゆひさんのもとをたよつて、ひとけ、けつゝ辿たどつてく。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まじらふものがあれば堰止せきとむることも出來できるものと、舅御しうとご才覺さいかくにて、きふ婚禮こんれいこときまった。
三十ゑんどりの會社員くわいしやゐんつま此形粧このげうそうにて繰廻くりまわしゆくいゑうちおもへば此女このをんな小利口こりこう才覺さいかくひとつにて、良人おつとはくひかつてゆるやららねども、失敬しつけいなは野澤桂次のざわけいじといふ見事みごと立派りつぱ名前なまへあるをとこ
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
故意わざと重四郎は氣の付ぬふりにて夫は願つても無い僥倖さいはひさういふ口なら金の百兩ぐらゐどうともして才覺さいかく致しますなんと御世話を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すで寛保年中くわんぽねんちう一時いちじきうすくはむため、老職らうしよくはい才覺さいかくにて、徳川氏とくがはしより金子きんす一萬兩いちまんりやう借用しやくようありしほどなれば、幼君えうくん御心おんこゝろなやませたまひ、なんとか家政かせい改革かいかくしてくにはしら建直たてなほさむ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御坊ごばうよ、はやて、何處どこぞで、鐵梃かなてこ才覺さいかくして、いそいで此處こゝってくだされ。