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幼
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おさ
ふりがな文庫
“
幼
(
おさ
)” の例文
二人の刑事の顔、壮平爺さんの嬉しそうな顔、そして
幼
(
おさ
)
な
馴染
(
なじみ
)
の清子の
無邪気
(
むじゃき
)
な顔、——それが見る見る
媚
(
あでや
)
かな本牧の女の顔に変る。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
幼
(
おさ
)
ない頃の恋愛は、まだ根が小さく青いので、心残りな、食べかけの皿をとってゆかれたような切ない恋愛の記憶を残すものだ。
恋愛の微醺
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
最初に二川の丸いクル/\とした色白の
幼
(
おさ
)
な顔が浮び上って来た。それは母の
朝子
(
あさこ
)
には似ないが、父の重行にそっくりだといわれていた。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「だれも人がいなかったから、とうとうあれを
伴
(
つ
)
れてきましたが、ほんとにばかですよ。とうとう
幼
(
おさ
)
な
名
(
な
)
をあなたに聞かしてしまいましたわ。」
五通
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
一度東京から
逗留
(
とうりゅう
)
に来た
幼
(
おさ
)
ない
姪
(
めい
)
が、二三日すると
懐家病
(
ホームシック
)
に罹って、
何時
(
いつ
)
も庭の端に出ては右の煙を眺めて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
惡
(
わ
)
るくすると
取
(
とり
)
かへしの
付
(
つ
)
かぬ
事
(
こと
)
になると
申
(
まをし
)
まして、
夫
(
そ
)
れで
其時
(
そのとき
)
申
(
まをし
)
ました、
私
(
わたし
)
が
郷里
(
きやうり
)
の
幼
(
おさ
)
な
友達
(
ともだち
)
に
是
(
こ
)
れ/\
斯
(
か
)
う
言
(
い
)
ふ
娘
(
こ
)
が
有
(
あ
)
つて、
肝
(
かん
)
もちの、はつきりとして
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
米友にとってお君は
唯一
(
ゆいつ
)
の
幼
(
おさ
)
な
馴染
(
なじみ
)
であり、お君にとっても米友は唯一の幼な馴染でありました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夕暮れには、赤い夕焼けの雲を望んで、弥勒の野に静かに
幼
(
おさ
)
な
児
(
ご
)
を
伴侶
(
はんりょ
)
としているさびしき、友の心を思うと書いてあった。弥勒野から都を望む心はいっそう
切
(
せつ
)
であった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
稀
(
まれ
)
には
幼
(
おさ
)
ない者などがこれを事実かと思い、またはそういうことがもし有ったらどうだろうと、考える人があるような、ちょうど境目の線に沿って話を進めようとしている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お
時
(
とき
)
の手をすこしこばむように
尻
(
しり
)
ごみしていたが、
宮内
(
くない
)
からじゅんじゅんと自分の母であることを話されると、
東海道
(
とうかいどう
)
で、
鼻
(
はな
)
かけ
卜斎
(
ぼくさい
)
にひろわれたという
幼
(
おさ
)
な話を思いだして
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
色白の福々しく
肥
(
ふと
)
っていた
幼
(
おさ
)
な顔だけが記憶に残っていた……。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
幼
(
おさ
)
ない時の自分の顔でもなく
貧しき信徒
(新字新仮名)
/
八木重吉
(著)
散々
(
さん/″\
)
のお
民
(
たみ
)
が
異見
(
いけん
)
に
少
(
すこ
)
し
我
(
わ
)
が
非
(
ひ
)
を
知
(
し
)
り
初
(
そめ
)
し
揚句
(
あげく
)
、その
人
(
ひと
)
は
俄
(
にわ
)
かに
別
(
わか
)
れといふ、
幼
(
おさ
)
なき
心
(
こヽろ
)
には
我
(
わ
)
が
失禮
(
ひつれい
)
の
我
(
わが
)
まヽを
憎
(
に
)
くみて
夫故
(
それゆゑ
)
に
遠國
(
ゑんごく
)
へでも
行
(
ゆ
)
かれるやうに
悲
(
かな
)
しく
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大成は
陳
(
ちん
)
姓の家から
幼
(
おさ
)
な
名
(
な
)
を
珊瑚
(
さんご
)
という女を
娶
(
めと
)
ったが、大成の母の
沈
(
しん
)
というのは、感情のねじれた冷酷な女で、珊瑚を虐待したけれども、珊瑚はすこしも
怨
(
うら
)
まなかった。
珊瑚
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
阿爺
(
おとっさん
)
は、
亡児
(
なきこ
)
の
枕辺
(
まくらべ
)
に
座
(
すわ
)
って、次郎さんの
幼
(
おさ
)
な
立
(
だち
)
の事から臨終前後の事何くれと
細
(
こま
)
かに物語った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
お小さいとき、よくお気のつくものとしては物売りの声、お祭りなどの行事、その辺のごく狭い地区の名、
幼
(
おさ
)
な
馴染
(
なじみ
)
の名などでございますが、一つ思い出していただきましょうか
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それからまた、清盛へは、ふと、こんな
幼
(
おさ
)
な物語を、して聞かせた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔はそのオホアガリの島から、赤い髪の色をした男女が、時たま
与那原
(
よなばる
)
の浜に渡ってくることがあったように、
噂
(
うわさ
)
をする者が多く、伊波普猷氏なども
幼
(
おさ
)
ない頃、よくその話を聴いていたそうである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ちと
御呵
(
おしか
)
り
遊
(
あそ
)
ばして
下
(
くだ
)
さりませと
極
(
きま
)
り
文句
(
もんく
)
に
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
たすれど
學士
(
がくし
)
は
更
(
さら
)
に
氣
(
き
)
にも
止
(
と
)
めず、その
幼
(
おさ
)
なきが
尊
(
たつ
)
ときなり、
反對
(
はんたい
)
に
跳
(
はね
)
かへられなばお
民
(
たみ
)
どのにも
療治
(
りようぢ
)
が六ツかしからん
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
成程違わぬ。舞台のハムレットには、
幼
(
おさ
)
な顔の
土肥
(
どい
)
君が残って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その
外
(
ほか
)
には
小
(
ちい
)
さき
子供
(
こども
)
の二三
人
(
にん
)
寄
(
よ
)
りて
細螺
(
きしやご
)
はじきの
幼
(
おさ
)
なげな
事
(
こと
)
して
遊
(
あそ
)
ぶほどに、
美登利
(
みどり
)
ふと
耳
(
みゝ
)
を
立
(
た
)
てゝ、あれ
誰
(
た
)
れか
買物
(
かひもの
)
に
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか
溝板
(
どぶいた
)
を
踏
(
ふ
)
む
足音
(
あしおと
)
がするといへば、おや
左樣
(
さう
)
か
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可笑
(
をか
)
しらしく
話
(
はな
)
して
機嫌
(
きげん
)
を
取
(
と
)
れば、
幼
(
おさ
)
な
心
(
こヽろ
)
に
十倍
(
じふばい
)
も
百倍
(
ひやくばい
)
も
面
(
おも
)
しろく、
吾助々々
(
ごすけ/\
)
と
付
(
つ
)
きまとひて
離
(
はな
)
れず、
我
(
わ
)
が
心
(
こヽろ
)
に
面白
(
おもしろ
)
しと
聞
(
き
)
けば
夫
(
そ
)
れを
其
(
その
)
まヽ
令孃
(
ひめ
)
に
語
(
かた
)
りて、
吾助
(
ごすけ
)
が
話
(
はな
)
しは
何
(
なに
)
ごとも
嘘
(
うそ
)
ならぬ
顏
(
かほ
)
つき
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
“幼”を含む語句
幼児
幼少
幼稚
幼馴染
幼名
幼心
幼兒
幼稚園
幼童
幼時
幼子
幼穉
幼々
幼年
幼気
童幼
幼女
幼弱
老幼男女
老幼
...