取合とりあ)” の例文
くもならば、くもに、うつくしくもすごくもさびしうも彩色さいしきされていてある…取合とりあふてむつふて、ものつて、二人ふたりられるではない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ロセッチはあるいはこれを縦に弾くものと誤解したのかもしれぬが、この物凄い魔の女に取合とりあわした対照は実にいと思った。
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
つてるあなのぞきながら、地主ぢぬし頑固ぐわんこ中止ちうし言張いひはる。したではりながら、談判だんぱんはどうか原田はらださんのはうつてれと取合とりあはぬ。これを露西亞式ろしあしき發掘はつくつつてわらつたのであつた。
じいさんはそんなことをって、まじめに取合とりあってくださいませんので、むをずちょっと統一とういつして、のぞいてると、はたしておみや所在地しょざいちは、わたくしむかし隠家かくれがのあったところで
当時或る洋学者の家などにはこの種の外国人がしきりに来訪らいほうして、前記のごとき計画けいかくを説き政府に取次とりつぎを求めたるもの一にしてらざりしかども、ただこれを聞流ききながして取合とりあわざりしという。
あれくらゐわたしいてもうらんでも取合とりあつてくださらなかつたは旦那樣だんなさまのおえらいので、あの時代じだいのやうな蓮葉はすはわたし萬一まんいち役所やくしよことでもかしてくださらうなら、どのやうのつまらぬこと仕出來しでかすか
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
米国人などは毎度勧めに来たことがあるけれども、私はただわらっ取合とりあわぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
停車場ステイション演劇しばいがある、町も村も引っぷるってたれが角兵衛に取合とりあおう。あわれ人の中のぼうふらのようなせわしい稼業のたち、今日はおのずからかんなのである。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こゝろ暗夜やみ取合とりあつて、爾時そのときはじめて、かげもののはなしは、さか途中とちうで、一人ひとり盲人めくらかされたことまをして、脊恰好せいかつかうとしごろをひますと、をんなは、はツと
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つゝしんでつてる、小刀こがたな受取うけとると、取合とりあつたはなして、やはらかに、やさしく、雪枝ゆきえかうの、かたつてゆびうごかぬを、でさすりつゝ、美女たをやめてのひらにぎらせた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じぶと料理れうりあり。だししたぢに、慈姑くわゐ生麩なまぶ松露しようろなど取合とりあはせ、魚鳥ぎよてうをうどんのにまぶして煮込にこみ、山葵わさび吸口すひくちにしたるもの。近頃ちかごろ頻々ひんぴんとして金澤かなざは旅行りよかうする人々ひと/″\みなその調味てうみしやうす。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
椽側えんがは白痴あはうたれ取合とりあはぬ徒然つれ/″\へられなくなつたものか、ぐた/\と膝行出いざりだして、婦人をんなそば便々べん/\たるはらつてたが、くづれたやうに胡座あぐらして、しきりわしぜんながめて、ゆびさしをした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)