“とりあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
取敢35.9%
取上23.4%
取合17.2%
採上7.8%
取揚3.1%
奪上3.1%
漁上3.1%
鶏合1.6%
取挙1.6%
執上1.6%
採用1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
云うのであろうそのうちには本音をくであろうともうそれ以上の詮議せんぎめて取敢とりあえず身二みふたつになるまで有馬へ湯治とうじにやることにした。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此時このときうれしさ! ると一しやくぐらいのあぢで、巨大きよだいなる魚群ぎよぐんはれたために、偶然ぐうぜんにも艇中ていちう飛込とびこんだのである。てんたまものわたくしいそ取上とりあげた。
ロセッチはあるいはこれを縦に弾くものと誤解したのかもしれぬが、この物凄い魔の女に取合とりあわした対照は実にいと思った。
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
例之ば「得せしむ」と人が書いたところが、それを直に採上とりあげて是れが言語の變遷であると云つて、是れが便利な新道であると云つて、御認めになつて御許容になる。そんな必要はないかと思ひます。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
香炉かうろを手に取揚とりあげ、ぎんさじいたかうを口へ入れ、弥
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いい気味! と光代は奪上とりあげ放しに枕のせんを抜き捨て、諸手もろてに早くも半ば押しつぶしぬ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
得るは稗史はいし野乗やじょう核子かくしなれど茲に築地の土佐堀は小鯔いなの多く捕れる処ゆゑ一昨夜も雨上りに北鞘町の大工喜三郎が築地橋の側の処にて漁上とりあげたのは大鯔にて直ぐに寿美屋の料理番が七十五銭に買求め昨朝庖丁した処腹の中から○之助様ふでよりと記した上封うわふうじが出たといふがモウ一字知れたら艶原稿の続きものにでもなりさうな話。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「このごろ都に流行はやるもの」という俗歌のうちの一節である。ガニ打ち、すご六、鶏合とりあわせなどと、博奕ばくちばやりは、上下を通じての時風であった。
『おまえは、すれているな。街で、鶏合とりあわせばかりやっているんだろ』
「はてな、はてな。」とこうべを傾けつつ、物をもとむる気色けしきなりき。かたわらるは、さばかり打悩うちなやめる婦女おんなのみなりければ、かれ壁訴訟かべそしょうはついに取挙とりあげられざりき。盲人めしい本意ほい無げにつぶやけり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渠は漸々やう/\筆を執上とりあげて、其處此處手帳を飜反ひつくりかへして見てから、二三行書き出した。そして又手帳を見て、書いた所を讀返したが、急がしく墨を塗つて、手の中に丸めて机の下に投げた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
乙下人 はて、うぬがゆびめぬやうなやつ不可いけ料理人れうりにんでござります。それゆゑゆびめぬやつ採用とりあげませぬ。