採上とりあ)” の例文
此の事を知っては打棄って置かれない、なんの遺恨で殺したのか仔細は分らないが、無闇な事をする長二でないから、お採上とりあげにならないまでも
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
例之ば「得せしむ」と人が書いたところが、それを直に採上とりあげて是れが言語の變遷であると云つて、是れが便利な新道であると云つて、御認めになつて御許容になる。そんな必要はないかと思ひます。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
黙れ、婆アの云う事は採上とりあげんが、これ藤助、其の方は何と申した、二十両遣わせば小増は相違なく参りますと申したではないか、男が請合って、それを
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
実は今まで道楽をして親類でも採上とりあげませんから、貴方の内弟子になってお側で剣道を教えて頂いて、免許目録を貰って帰ると、親類でも今まで放蕩をしても田舎へ行って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此の訴訟をお採上とりあげになりませんとわたくしの一命にかゝわりますと申したので、お採上げになって、直に松右衛門まつえもんの手で腰縄をかけさせまして入牢じゅろうと相成り、年寄へ其の趣きを届け
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
圖「手前の申す事は採上とりあげん、手前は山三郎の犬に相違ない」