“とりのぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
取逆上56.3%
取上12.5%
取逆12.5%
逆上12.5%
取上気6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余りの事に、取逆上とりのぼせさしったものと見えまして、喜太郎様はその明方、裏の井戸へ身を投げてしまわしった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誠にわたくしがあやまった、誠にどうも相済みません、わたくし取上とりのぼせていて貴所方あなたがたはお村の身請みうけをするお客と存じまして、とんでもない事を申しましたが、どうか御勘弁を願います
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すつかり取逆とりのぼせて真赤になつたまま冷い秋の掌面のなかで、二十日鼠のやうにぶるぶると身を顫はせてゐた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
見れば丑松はすこし逆上とりのぼせた人のやうに、同僚の前にひざまづいて、恥の額を板敷の塵埃ほこりの中に埋めて居た。深い哀憐あはれみの心は、可傷いたましい光景ありさまを見ると同時に、銀之助の胸をいて湧上わきあがつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
伯母から聞くと、馬道うまみちのお政の稽古所へ、日参しているほど取上気とりのぼせた八五郎に、こんな分別があろうとは思われなかったのです。