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取逆上
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とりのぼ
ふりがな文庫
“
取逆上
(
とりのぼ
)” の例文
現に藤枝蔵人様も、あの手紙を見ると、三十一年目でわが子に逢う嬉しさに
取逆上
(
とりのぼ
)
せ、謎のような事を言って飛んで行ったそうです
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
余りの事に、
取逆上
(
とりのぼ
)
せさしったものと見えまして、喜太郎様はその明方、裏の井戸へ身を投げてしまわしった。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(娘の肩に優しく手をかける。)おまへは少し
取逆上
(
とりのぼ
)
せてゐる。まあ、まあ、おちついてよく考へるが可い。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と云ひければ忠兵衞は
頭
(
かしら
)
をあげ長庵殿には
取逆上
(
とりのぼせ
)
しか貴殿の云ふ事少しも分からず申せば長庵聞て譯らぬとは
麁言
(
そごん
)
なり貴樣こそ
取逆上
(
とりのぼ
)
せしと
見
(
みえ
)
たり
密夫
(
まをとこ
)
仕
(
し
)
たりと我口より云て居る此長庵を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と思ったので宗達はカアーと
取逆上
(
とりのぼ
)
せて、お竹が持っていた合口を
捻取
(
ねじと
)
って
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
年を取つた主人と掴み合ひをしたわけではないが、お互に憎さ口惜しさに
取逆上
(
とりのぼ
)
せて、ひどい睨み合ひになつたことだらう——
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
たとひ
膚身
(
はだみ
)
は
汚
(
けが
)
さずとも、
夫
(
をつと
)
の
目
(
め
)
に
觸
(
ふ
)
れた、と
云
(
い
)
ひ、
恥
(
はづか
)
しいのと、
口惜
(
くやし
)
いのと、
淺
(
あさ
)
ましいので、かツと
一途
(
いちづ
)
に
取逆上
(
とりのぼ
)
せて、お
艷
(
つや
)
は
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
、
兩親
(
りやうしん
)
たち、
夫
(
をつと
)
のまだ
歸
(
かへ
)
らぬ
内
(
うち
)
に、
扱帶
(
しごき
)
にさがつて
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「余程の大事でしょう、あんなに落着いた人が、ひどく
取逆上
(
とりのぼ
)
せて、変な事を言いながら飛んで行きました——が」
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
極りの惡さと腹立たしさに
取逆上
(
とりのぼ
)
せて、急に卒中を起したことだらう。善兵衞はそのまゝバタリと倒れてしまつた。
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この間もここへ来てみると、痛々しく
取逆上
(
とりのぼ
)
せた主人の六兵衛を、蔭になり
日向
(
ひなた
)
になり、慰めたり、いたわったりしていたのはその娘だ。その娘の眼には、なんの罪も
穢
(
よご
)
れもなかった
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
佛の前には
俄
(
にはか
)
のことながら一と通りの香華を供へて、主人の
妾
(
めかけ
)
お春と、主人には義理のある伜の松次郎と、その妹分で、いづれは松次郎と祝言させる筈の貰ひ娘のお袖が、ひどく
取逆上
(
とりのぼ
)
た樣子で
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
逆
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“取逆”で始まる語句
取逆