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とりあひ
堪へ猶種々頼み入候へども一向
取合も致さず候まゝ是非なく立歸りし所如何なる
仔細か姑事首を
縊り居候ゆゑ打驚き種々
介抱いたし
呼生しかども其甲斐なく候故途方に暮居し處此物音を
お
羽織のお
色気と
取合の
好いこと、
本当に
身装の
拵は
旦那が一
番お
上手だと
皆がさう
云つてるんですよ、あのね
此春洋服で
入らしつた事がありましたらう、黒の
山高帽子を
被つて
御年始の
帰に
申して一
向取合申さず依て秀親八五郎
歎き候間不便に存じ某し油屋五兵衞方へ
掛合に參り候に
豈はからんや番頭久兵衞と申すは先年三島宿にて一
旦取押へたる
騙子なれば
渠も驚きし樣子にて大いに恐れ早速離縁状は
差出し候へども右の通り
素よりの
惡漢ゆゑ是まで如何樣の惡事を