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とりあは
幼君たゞちに
御披見ありて、「こは
一段の
思附、
面白き
取合せなり。
如何に
汝が
心にもこれにて
可しと
思へるか」と
御尋に、はツと
平伏して
落付思ひ定めて歸らるべしヤヨ氣の
毒なる病氣ぞと長庵更に
取合ねば千太郎は其儘に
戻るにも戻られず
進退爰ぞと覺悟を
賣候百兩の金子
紛失致せしに付右は私し
盜み取候に相違なしと
理不盡なる
云懸仕つり候ゆゑ私し儀市之丞より
差越たる金子の
譯を申聞ると雖も一向
双合ず却て盜賊の
汚名を