“反身:そりみ” の例文
“反身:そりみ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花13
中里介山8
吉川英治4
薄田泣菫4
夢野久作3
“反身:そりみ”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 詩5.8%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸3.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
頬杖を突いて身を乗出したいところであったろうが、卓子テーブルが無いので仕方なしに腕を組んでグッと反身そりみになった。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彦兵衛は、いつもの低い構えと口癖くちぐせを今夜はわすれ果てていた。すこし反身そりみ気味になって、理屈をこねた。
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから、長押なげしの槍を外して、摩利支天まりしてんのような恐い顔を反身そりみに持って、ずかずかと、庭へ下りた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山本氏は石版摺せきばんずりの奈翁のやうに、腰にこぶしをあてがつて、ぐつと反身そりみになつて教壇をあちこちした。
何だつて十月に限つてそんなに不精ぶしやうなのだと訊くと、菊五郎は親爺譲りの癖で、ぐつと反身そりみになつて、言訳をする。
ロス大佐は腕をこまねいて反身そりみに座席に身をもたせて、帽子を眼のあたりまですべらせ黙々として耳を傾けていた。
松倉十内は自分の耳を疑うように膝を乗出した。赤猪口兵衛はいよいよ得意然と、すこし反身そりみになって土下座し直した。
電信柱はこの寒空さむそらに大学教授と同じやうに駱駝のシヤツも着ないで、素つ裸のまゝ反身そりみにじつと衝立つゝたつてゐた。
反身そりみの刀を肩にかけ、あぐらの中に手をつっこんでいた。ひざを小刻みにふるわしているものもあった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
本来、正直な米友は、小さくなって道庵のあとにくっついて行くが、道庵は大気取りで、突袖に反身そりみてい
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
レイディ・リンは四十位の、大柄おほがらな、肥つた人で、反身そりみで、ひどく傲慢な容子をして、いろ/\に光る繻子の服を着てゐた。
長過ぎる程の紺絣の單衣に、輕やかな絹の兵子帶、丈高い體を少し反身そりみに何やら勢ひづいて學校の門を出て來た信吾の背後うしろから、
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
自然この背後には宿しゅくつぎの駕籠かごの中に反身そりみになった女長兵衛も控えていようというものです。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
反身そりみところが、なんですかねわたしには、彼處あすこ
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くるまに、と反身そりみで、しやかまへてつたざうけるがごときも
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
コツコツ廊下から剥啄ノックをした者がある。と、教頭は、ぎろりと目金を光らしたが、反身そりみに伸びて、
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれはナポレオンになろうと思ったときには胸のところに座蒲団ざぶとんを入れて反身そりみになって歩いた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
把手ハンドルを控えて、反身そりみになった車掌が言った。その帽の、ひさしも顔も真赤まっかである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やはらかいものがつたやうな気持きもちで、むねがふわ/\と浮上うきあがつて、反身そりみ手足てあしをだらりとげて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何を、と云ってね、そのいきおいで、あー……開けるぞ、と思うと、清葉が、膝を支直つきなおして、少し反身そりみで、ぴたりとおさえて、
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その脚で畳をたが、おとがいを突出した反身そりみの顔を、鴨川と後室の方へ捻向ねじむけて
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一同の顔はサッと緊張した。軍団長イワノウィッチは、大刀だいとうたて反身そりみになって、この際の威厳いげんたもとうと努力した。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
頭こそ円けれ、黒羽二重の羽織を長めに著て、小刀を腰にした反身そりみの立姿が立派で、医者坊主などといわれた円頂えんちょうの徒とは違うのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
彼は反身そりみになつていやに勿体ぶつた態度をしながらも、その態度とはまるで違つた斯う云つた、うすつぺらな調子でベラベラとまくしたてるのでした。
ある女の裁判 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
動けばブツリと咽喉へ入る、反身そりみになってはずそうとすれば、穂先はひたひたとつけ入る。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と謂いたるのみ、顔の筋をも動かさで、(ちょいとこさ)は反身そりみになり、澄し返りて控えたり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紳士がやゝ反身そりみになつて卓子テーブルの前の椅子に腰をおろすと、鵞鳥のやうに白いうはぱりを着た給仕人がやつて来て註文を聞いた。
……此処で、姉の方が、隻手かたて床几しょうぎについて、少し反身そりみに、浴衣腰を長くのんびりと掛けて、ほんのり夕靄ゆうもやを視めている。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヴィクトル・エマヌエル第一世はこんな顔をしていたように思うなどと、私は反身そりみになった。
不思議なる空間断層 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お世辞を云うも間が悪かったか反身そりみになって、無闇に扇で額を叩き、口も利かずに扇を振り廻したりして、きょと/\して変な塩梅あんばいで有りますから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その時ばかりは兵隊が可哀相で、反身そりみになった士官の胸倉へ飛び付いてやろうかと思った。
枯菊の影 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
亭主は膝を抱いて反身そりみになり、禅の問答持って来い、という高慢な顔色がんしょくで。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しわぶき、がっしりした、脊低せいひく反身そりみで、仰いで、指を輪にして目に当てたと見えたのは、柄つきの片目金、拡大鏡をあてがったのである。
俊助がこう尋ねると、大井は胸の上に両手を組んで、反身そりみにあたりを見廻しながら、
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると、旦那です……(馬鹿め、めちまえ、)と言いながら、片手づきの反身そりみの肩を、御寮人さ、そのお珊の方の胸の処へつきつけて、ぐたりとなった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は眼をパチパチさした。古木学士はいよいよ眼を細くして反身そりみになった。学士の肩の蔭で、アダリーも可笑おかしいのを我慢しながらうつむいている気配である。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とはいふものゝ、大事を取つて、今にこゝの前を避けて通る、愛と若さと死の皮肉な花が、威勢ゐせいよく反身そりみになつてゐたり、しよんぼりと絶入つてゐる家の前を。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
片手は土手の草に取つき、ずーと立上ったが爪立つまだってブル/\っと反身そりみに成る途端にがら/\/\/\と口から血反吐ちへどを吐きながらドンと前へ倒れた時は
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
突袖をして、反身そりみになって、あの四方窓から中原の形勢を見渡したキザな恰好かっこうをごらんなさい。天下の英雄、使君、われといったような得意ぶりを御覧なさい。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
茂太郎はよりかかって手を伸ばす、兵部の娘は反身そりみになって、それをいよいよ渡すまいとする——そのすぐ後ろは海です。波がもう兵部の娘のかかとめている。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
売ってもいそうな肱掛椅子ひじかけいす反身そりみ頬杖ほおづえ
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
健はいつもの樣に亭乎すらりとした體を少し反身そりみに、確乎しつかりした歩調で歩いて、行き合ふ兒女こども等の會釋に微笑みながらも、始終思慮深い目附をして、
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして彼はあらゆる問題に五分から二十分間位討論する用意は持って居る。「イギリスがもし注意を欠くなら」という前提で。だが、それから永くなるとぐっと反身そりみになって、
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
弱い者にはどこまでも強くなれる又八であるから、忽ち、反身そりみになって、
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんて、技巧的に、やや身を前かがみにして、手を出して制した。そして反身そりみになって車を飛ばせた。前綱は片手をグルグル振って、見送られているので得意にけた。
友野は、少しばかり反身そりみになって、胸のバッチを示した。そこには帝国新聞の社章が、霧に濡れて、鈍く、私の無為徒食むいとしょくあざわらうようにくっついていた。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
いなって反身そりみの始末であったが、悪戯わるさも、人形の手足をいでおいたのにきわまって、蝶吉の血相の容易でなく、尋常ただではおさまりそうもない光景を見て
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
臆れた色もなく、こう言って反身そりみになる八五郎だったのです。
あさなゆふなに七度ななたび國見くにみ反身そりみ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
威勢ゐせいよく反身そりみになつてゐる花もある、しよんぼりと絶え入つてゐる花もある、その花屋の前を通りすがると、妙に氣をそゝる意地の惡い香がした、胸苦しいほど不思議の香がした。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
油がきれたか、格子天井こうしてんじょう仏龕ぶつがんが、パッ、パッ……と大きな明滅の息をついて、そこへヌッと反身そりみに立っているお十夜の影を、魔魅まみのようにゆらゆらさせた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高らかに歌ったかと思うと、急に反身そりみになって、
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
健は、いつもの様に亭乎すらりとした体を少し反身そりみに、確乎しつかりした歩調あしどりで歩いて、行き合ふ児女等こどもらの会釈に微笑みながらも、始終思慮かんがへ深い眼付をして、
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
反身そりみなる若き女のもすそかへす。
無題 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
同じ思いか、面影おもかげも映しそうに、美しいひとじった。ひとり紳士は気の無い顔して、反身そりみながらぐったりと凭掛よりかかった、ステッキの柄を手袋の尖で突いたものなり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まかり出た通人がグッと反身そりみになって、
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大辻老はそこで大将のように反身そりみになったが、テーブルの上の麦湯の壜をみると、たちまちだらしのない顔になり、ひきよせるなり、馬のような腹に波をうたせて、ガブガブと一滴のこらず呑んでしまった。
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
めづらかな腰の丸みよ、反身そりみになつて
キチンと四角に坐ったまま少しもひざをくずさないで、少し反身そりみ煙草たばこかしながらニヤリニヤリして、余り口数くちかずかずにジロジロ部屋へや周囲まわりを見廻していた。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
爪先つまさきで電話室の硝子戸を突きあけ、「清子さん。電話。」と呼びながら君江は反身そりみに振返ってあたりを見廻したが、昼間のことで客はわずかに二組ほど、そのまわりに女給が七、八人集っているばかり。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
源十郎はぐっと反身そりみになって、
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
つとめて反身そりみになる気味あり。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
女中さんが大形のウィスキイの瓶と妙な恰好をしたキュラソオの瓶とを盆に載せて持って来た時、Kさんは安楽椅子にずっと反身そりみになって、上靴スリッパアをつけた片足を膝の上に載せて、肱をもたげて半ば灰になった葉巻を支えながら
聖書 (新字新仮名) / 生田春月(著)
と、いうのは、気宇のすぐれた女ばかりをいうのではない、まゆも、顔だちも、はれやかに、背丈せたけなどもすぐれて伸々のびのびとして、若竹のように青やかに、すくすくと、かがみ女の型をぬけて、むしろ反身そりみの立派な恰好かっこうであった。
明治大正美人追憶 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
で、くつ裏皮うらかはチヤラリと出懸でかけて、海岱門かいたいもんふ、づは町盡まちはづれ、新宿しんじゆく大木戸邊おほきどへんを、ぶらり/\と、かの反身そりみで、たぼ突當つきあたつてくれればい、などと歩行あるく。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一、道中の際は、あのひょろ高い背で、肩であんまりすさまじくもない風を切り、反身そりみになって、往還の士農工商どもを白眼はくがんに見ながら通って来たものですが、山登りにかけては、あんまり自信が無いと見えて、もうそろそろ、体がかがみ、腰がゆがみ、息ぎれが目に見え出してくる。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
で、紳士たる以上はせめてムダ金の拾万両も棄てて、小町こまちの真筆のあなめあなめの歌、孔子様のさんきんで書いてある顔回がんかいひさご耶蘇やその血が染みている十字架の切れ端などというものを買込んで、どんなものだいと反身そりみになるのもマンザラ悪くはあるまいかも知らぬ。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)