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雅
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が
ふりがな文庫
“
雅
(
が
)” の例文
「音楽が正しくなり、
雅
(
が
)
も
頌
(
しょう
)
もそれぞれその所を得て誤用されないようになったのは、私が衛から魯に帰って来たあとのことだ。」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「僕さ、僕がつけてやったんだ。元来坊主のつける戒名ほど俗なものは無いからな」と天然居士はよほど
雅
(
が
)
な名のように自慢する。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
〔譯〕
雅事
(
がじ
)
多くは是れ
虚
(
きよ
)
なり、之を
雅
(
が
)
と謂うて之に
耽
(
ふけ
)
ること勿れ。俗事却て是れ實なり、之を俗と謂うて之を
忽
(
ゆるがせ
)
にすること勿れ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
余
(
よ
)
が
隣宿
(
りんしゆく
)
六日町の俳友天吉老人の
話
(
はなし
)
に、
妻有庄
(
つまありのしやう
)
にあそびし
頃
(
ころ
)
聞
(
きゝ
)
しに、
千隈
(
ちくま
)
川の
辺
(
ほとり
)
の
雅
(
が
)
人、
初雪
(
しよせつ
)
より(天保五年をいふ)十二月廿五日までの
間
(
あひだ
)
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「倅が上海に行つて居りますので、いつも取り寄せて貰ひますがな、香にしろ、筆墨にしろ、何に限らず日本のものはどうも
雅
(
が
)
でありません。」
新帰朝者日記 拾遺
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
土地の感じは京都から伏見へ
行
(
ゆ
)
くのと似て居る。昔の城や王政時代の離宮の跡などがある。
旧
(
ふる
)
い街
丈
(
だけ
)
に
何処
(
どこ
)
か落着いて
光沢
(
つや
)
消しをした様な
雅
(
が
)
な
趣
(
おもむき
)
が漂うてる。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
この年六月七日に成善は名を
保
(
たもつ
)
と改めた。これは母を
懐
(
おも
)
うが故に改めたので、母は
五百
(
いお
)
の
字面
(
じめん
)
の
雅
(
が
)
ならざるがために、常に伊保と署していたのだそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
寂
(
さび
)
といひ、
雅
(
が
)
といひ、
幽玄
(
ゆうげん
)
といひ、
細
(
ほそ
)
みといひ、以て美の極となす者、
尽
(
ことごと
)
く消極的ならざるはなし。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
親父
(
おやぢ
)
にも、
倅
(
せがれ
)
にも、風景にも、
朴
(
ぼく
)
にして
雅
(
が
)
を破らざること、もろこしの
餅
(
もち
)
の如き味はひありと言ふべし。その
手際
(
てぎは
)
の
鮮
(
あざや
)
かなるは恐らくは九月小説中の第一ならん
乎
(
か
)
。
病牀雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こういう男は随分世間にもあるもので、
雅
(
が
)
のようで俗で、俗のようで
物好
(
ものずき
)
でもあって、愚のようで
怜悧
(
りこう
)
で、怜悧のようで
畢竟
(
ひっきょう
)
は愚のようでもある。不才の才子である。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
金をかけて、茶座敷を営むより、此の思ひつき至つて妙、
雅
(
が
)
にして而して優である。
玉川の草
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます……
大仏餅
(
だいぶつもち
)
と
申
(
まう
)
すものは
雅
(
が
)
がありまして
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……むかしはすべてこう
雅
(
が
)
なことをいったものです。
幕末維新懐古談:05 その頃の床屋と湯屋のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「この
墓銘
(
ぼめい
)
を
沢庵石
(
たくあんいし
)
へ
彫
(
ほ
)
り付けて本堂の裏手へ
力石
(
ちからいし
)
のように
抛
(
ほう
)
り出して置くんだね。
雅
(
が
)
でいいや、天然居士も浮かばれる訳だ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
都
(
みやこ
)
へ
遠
(
とほ
)
きよりみつぎたれば
塩引
(
しほびき
)
ならん。
頭骨
(
かしらのほね
)
の
澄徹
(
すきとほる
)
ところを
氷頭
(
ひづ
)
とて
鱠
(
なます
)
に
雅
(
が
)
也。子を
鮞
(
はらゝご
)
といふ、これを
醃
(
しほ
)
にしたるも
美味
(
びみ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
言ひ難きを言ふは老練の上の事なれど、そは多く俗
事物
(
じぶつ
)
を詠じて、
雅
(
が
)
ならしむる者のみ。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
客座にどっしりと構えて
鷹揚
(
おうよう
)
にまださほどは居ぬ
蚊
(
か
)
を
吾家
(
うち
)
から
提
(
さ
)
げた大きな
雅
(
が
)
な
団扇
(
うちわ
)
で
緩
(
ゆる
)
く
払
(
はら
)
いながら、
逼
(
せま
)
らぬ
気味合
(
きみあい
)
で眼のまわりに
皺
(
しわ
)
を
湛
(
たた
)
えつつも、何か話すところは実に堂々として
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
西片町は学者町か知らないが
雅
(
が
)
な家は無論の事、落ちついた土の色さえ見られないくらい近頃は住宅が多くなった。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
妓
(
ぎ
)
どもを
養
(
やしな
)
ふ
主人
(
あるじ
)
もこゝに
来
(
きた
)
り
居
(
ゐ
)
て、
従
(
したがへた
)
る料理人に
具
(
ぐ
)
したる
魚菜
(
ぎよさい
)
を
調味
(
ていみ
)
させてさらに
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
く。
是主人
(
このあるじ
)
俗中
(
ぞくちゆう
)
に
雅
(
が
)
を
挾
(
さしはさん
)
で
恒
(
つね
)
に
文人
(
ぶんじん
)
を
推慕
(
したふ
)
ゆゑに、
是
(
この
)
日もこゝに
来
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
面識
(
めんしき
)
するを
岩居
(
がんきよ
)
に
約
(
やく
)
せしとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ほんにねえ」は
到底
(
とうてい
)
吾輩のうちなどで聞かれる言葉ではない。やはり
天璋院
(
てんしょういん
)
様の何とかの何とかでなくては使えない、はなはだ
雅
(
が
)
であると感心した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
妓
(
ぎ
)
どもを
養
(
やしな
)
ふ
主人
(
あるじ
)
もこゝに
来
(
きた
)
り
居
(
ゐ
)
て、
従
(
したがへた
)
る料理人に
具
(
ぐ
)
したる
魚菜
(
ぎよさい
)
を
調味
(
ていみ
)
させてさらに
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
く。
是主人
(
このあるじ
)
俗中
(
ぞくちゆう
)
に
雅
(
が
)
を
挾
(
さしはさん
)
で
恒
(
つね
)
に
文人
(
ぶんじん
)
を
推慕
(
したふ
)
ゆゑに、
是
(
この
)
日もこゝに
来
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
面識
(
めんしき
)
するを
岩居
(
がんきよ
)
に
約
(
やく
)
せしとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それが部屋の大きさに
較
(
くら
)
べると、丸で
釣
(
つ
)
り合が取れないから、
敷物
(
しきもの
)
として
敷
(
し
)
いたといふよりは、色の
好
(
い
)
い、模様の
雅
(
が
)
な織物として
放
(
ほう
)
りだした様に見える。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
まず日本の昔に
流行
(
はや
)
った
牛車
(
うしぐるま
)
の小ぢんまりしたものと思えば
差支
(
さしつか
)
えないが、見たところは牛車よりもかえって
雅
(
が
)
である。その代り乗ってる人間は苦しいそうだ。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨日
(
きのう
)
の雨を
蓑
(
みの
)
着て
剪
(
き
)
りし人の
情
(
なさ
)
けを
床
(
とこ
)
に
眺
(
なが
)
むる
莟
(
つぼみ
)
は一輪、巻葉は二つ。その葉を去る三寸ばかりの上に、天井から
白金
(
しろがね
)
の糸を長く引いて一匹の
蜘蛛
(
くも
)
が——すこぶる
雅
(
が
)
だ。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども惜しい事に本文は挿画ほど
雅
(
が
)
に行かなかった。中には欲の
塊
(
かたまり
)
が
羽化
(
うか
)
したような俗な仙人もあった。それでも読んで行くうちには多少気に入ったのもできてきた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二階が荷主の
室
(
へや
)
だと云うんで、二階へ
上
(
あが
)
って見ると、なるほど室がたくさん並んでいる。その
中
(
うち
)
の一つでは
四人
(
よつたり
)
で
博奕
(
ばくち
)
を打っていた。博奕の道具はすこぶる
雅
(
が
)
なものであった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
名は日本橋だけれどもその実は純然たる洋式で、しかも欧洲の中心でなければ見られそうもないほどに、
雅
(
が
)
にも
丈夫
(
じょうぶ
)
にもできている。三人は橋の手前にある
一棟
(
ひとむね
)
の
煉瓦造
(
れんがづく
)
りに
這入
(
はい
)
った。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
芭蕉
(
ばしょう
)
と云う男は
枕元
(
まくらもと
)
へ馬が
尿
(
いばり
)
するのをさえ
雅
(
が
)
な事と見立てて
発句
(
ほっく
)
にした。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうする方が詩的でいい。何となく
雅
(
が
)
でいい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“雅”の解説
雅(みやび)は中国の伝統的な美的理念の1つである,後に日本に伝わってきた。ただし、その観念はいきやわび・さびほど普及していない。現代日本語ではこの言葉は通常「優雅さ」、「洗練された」または「礼儀正しさ」として、時には「甘く愛する人」と解釈される。しかしながら『文化防衛論』を著した三島由紀夫のように「文化概念としての天皇」に関連して独自の解釈を行う論者もいる。
(出典:Wikipedia)
雅
常用漢字
中学
部首:⾫
13画
“雅”を含む語句
優雅
雅典
温雅
雅楽寮
風雅
大雅
都雅
典雅
雅量
風雅集
閑雅
雅楽
大雅堂
雅号
雅馴
文雅
高雅
公雅
雅致
古雅
...