葉山の別邸に父を訪ねた。玄關からは上らずに柴折戸を潜つて庭へ這入ると、鼈甲の大きな老眼鏡をかけた父は白髯を撫でながら、縁側の日當りに腰をかけて唐本を讀んで居られたが、自分の姿を見ると、何より先に、去年來た時よりも庭の石に大分苔がついたであら …
| 著者 | 永井荷風 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「中央公論 第二十四年第十號」1909(明治42)年10月 |
| 文字種別 | 旧字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約6分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約10分(300文字/分) |
| 著者 | 永井荷風 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「中央公論 第二十四年第十號」1909(明治42)年10月 |
| 文字種別 | 旧字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約6分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約10分(300文字/分) |