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里人
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さとびと
ふりがな文庫
“
里人
(
さとびと
)” の例文
「今日はこの辺の地頭や
里人
(
さとびと
)
どもが、帝のお慰みにと、さまざまな催しを設けて、お待ちしておりますれば、どうぞ
御遊
(
ぎょゆう
)
のお身支度を」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬に乗って
里人
(
さとびと
)
が通っていると思えば、自動車は路をそれて行くことが出来るのである。そんなところが二里も三里もつづいておるのである。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
巻中の画、老人が
稿本
(
かうほん
)
の
艸画
(
さうぐわ
)
を
真
(
しん
)
にし、
或
(
あるひ
)
は京水が越地に
写
(
うつし
)
し
真景
(
しんけい
)
、或
里人
(
さとびと
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
きゝ
)
て
図
(
づ
)
に作りたるもあり、其地に
照
(
てら
)
して
誤
(
あやまり
)
を
責
(
せむ
)
ることなかれ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
薪とる
里人
(
さとびと
)
の話によれば、庵の中には玉を
轉
(
まろ
)
ばす如き
柔
(
やさ
)
しき聲して、
讀經
(
どきやう
)
の
響絶
(
ひゞきた
)
ゆる時なく、
折々
(
をり/\
)
閼伽
(
あか
)
の
水汲
(
みづく
)
みに、谷川に下りし姿見たる人は
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
巻中の画、老人が
稿本
(
かうほん
)
の
艸画
(
さうぐわ
)
を
真
(
しん
)
にし、
或
(
あるひ
)
は京水が越地に
写
(
うつし
)
し
真景
(
しんけい
)
、或
里人
(
さとびと
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
きゝ
)
て
図
(
づ
)
に作りたるもあり、其地に
照
(
てら
)
して
誤
(
あやまり
)
を
責
(
せむ
)
ることなかれ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
里人
(
さとびと
)
が社会の進歩と共に風俗なども変って行くのに伴わずして、永く固有の習慣を存しておりましたから、いつしか変った者の様に思われて参ります。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
里人
(
さとびと
)
からそんなにまで
慕
(
した
)
ってもらいました
私
(
わたくし
)
が、やがて
病
(
やまい
)
の
為
(
た
)
めに
殪
(
たお
)
れましたものでございますから、その
為
(
た
)
めに一
層
(
そう
)
人気
(
にんき
)
が
出
(
で
)
たとでも
申
(
もう
)
しましょうか
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
或人自ら
屑屋
(
くずや
)
と名のり「
屑籠
(
くずかご
)
の中よりふと
竹
(
たけ
)
の
里人
(
さとびと
)
の歌論を見つけ出してこれを読むにイヤハヤ御高論……」
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
業平橋の名もそれゆえに起りましたそうでございますが、都へお帰りの時船が
覆
(
くつがえ
)
って
溺死
(
できし
)
されましたにより、
里人
(
さとびと
)
愍
(
あわ
)
れと思って業平村に
塚
(
つか
)
を建てゝ祭りました
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
赤児は
情
(
なさけ
)
ぶかい
里人
(
さとびと
)
に養はれて生長の
後
(
のち
)
に久圓寺の僧となつた。久圓寺はこの峠にある古い寺である。
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その
寂寞
(
せきばく
)
を
破
(
やぶ
)
る、
跫音
(
あしおと
)
が高いので、
夜更
(
よふけ
)
に
里人
(
さとびと
)
の
懐疑
(
うたがい
)
を受けはしないかという懸念から、
誰
(
たれ
)
も
咎
(
とが
)
めはせぬのに、
抜足
(
ぬきあし
)
、
差足
(
さしあし
)
、音は立てまいと思うほど、なお
下駄
(
げた
)
の
響
(
ひびき
)
が胸を打って、耳を
貫
(
つらぬ
)
く。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨風祭の折は一部落の中にて
頭屋
(
とうや
)
を
択
(
えら
)
び定め、
里人
(
さとびと
)
集まりて酒を飲みてのち、一同
笛太鼓
(
ふえたいこ
)
にてこれを道の辻まで送り行くなり。笛の中には
桐
(
きり
)
の木にて作りたるホラなどあり。これを高く吹く。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
里人
(
さとびと
)
もそんなに騷がないでください。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
桑を摘み、麻を織る
里人
(
さとびと
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
物売りや掛茶屋などの賑わいは、峰よりは下の方がさかんで、人間臭い暮色が、
里人
(
さとびと
)
たちに、
旱
(
ひでり
)
の憂いも忘れさせている。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明
(
みん
)
の
万暦
(
ばんれき
)
の
初
(
はじめ
)
閩中
(
みんちゆう
)
連江といふ所の人蛤を
剖
(
わり
)
て玉を
得
(
え
)
たれども
不識
(
みしらず
)
これを
烹
(
に
)
る、
珠
(
たま
)
釜
(
かま
)
の中に
在
(
あり
)
て
跳躍
(
をどりあがり
)
して
定
(
さだまら
)
ず、
火光
(
くわくわう
)
天
(
そら
)
に
燭
(
もゆ
)
、
里人
(
さとびと
)
火事
(
くわじ
)
ならんと
驚
(
おどろ
)
き来りてこれを救ふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ところが
意外
(
いがい
)
にもこの
墓参
(
ぼさん
)
が
大
(
たい
)
へんに
里人
(
さとびと
)
の
感激
(
かんげき
)
の
種子
(
たね
)
となったのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其
(
そ
)
の
寂寞
(
せきばく
)
を
破
(
やぶ
)
る、
跫音
(
あしおと
)
が
高
(
たか
)
いので、
夜更
(
よふけ
)
に
里人
(
さとびと
)
の
懷疑
(
うたがひ
)
を
受
(
う
)
けはしないかといふ
懸念
(
けねん
)
から、
誰
(
たれ
)
も
咎
(
とが
)
めはせぬのに、
拔足
(
ぬきあし
)
、
差足
(
さしあし
)
、
音
(
おと
)
は
立
(
た
)
てまいと
思
(
おも
)
ふほど、なほ
下駄
(
げた
)
の
響
(
ひゞき
)
が
胸
(
むね
)
を
打
(
う
)
つて、
耳
(
みゝ
)
を
貫
(
つらぬ
)
く。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
先年
里人
(
さとびと
)
妻その夫といさかいて
大
(
おおい
)
にいかりしがこの熱湯に身をなげけるに、やがて身はただれさけて、その髪ばかり
浮
(
うか
)
び
出
(
いず
)
。豊後風土記
曰
(
いわく
)
、
速見
(
はやみ
)
郡
赤湯泉
(
せきとうせん
)
。この温泉も
穴郡
(
あなごうり
)
の西北
竈門山
(
かまどもんやま
)
に
有
(
あり
)
。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
正月の十五日には
小字中
(
こあざじゅう
)
の人々この家に集まり
来
(
き
)
たりてこれを祭る。またオシラサマという神あり。この神の像もまた同じようにして造り
設
(
もう
)
け、これも正月の十五日に
里人
(
さとびと
)
集まりてこれを祭る。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
所謂
山人
(
やまびと
)
の一種で、
里人
(
さとびと
)
とは大分様子の違ったものであったらしい。応神天皇の十九年に吉野離宮に行幸のあった時、彼ら来朝して醴酒を献じた。日本紀には正に「来朝」という文字を使っている。
国栖の名義
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
民部はいさみ立ったさまをみせて、
郎党
(
ろうどう
)
たちを八ぽうへ走らせた。まもなく、地理にあかるい
土着
(
どちゃく
)
の
里人
(
さとびと
)
が、何十人となくここへ召集されてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明
(
みん
)
の
万暦
(
ばんれき
)
の
初
(
はじめ
)
閩中
(
みんちゆう
)
連江といふ所の人蛤を
剖
(
わり
)
て玉を
得
(
え
)
たれども
不識
(
みしらず
)
これを
烹
(
に
)
る、
珠
(
たま
)
釜
(
かま
)
の中に
在
(
あり
)
て
跳躍
(
をどりあがり
)
して
定
(
さだまら
)
ず、
火光
(
くわくわう
)
天
(
そら
)
に
燭
(
もゆ
)
、
里人
(
さとびと
)
火事
(
くわじ
)
ならんと
驚
(
おどろ
)
き来りてこれを救ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
二度目には右の肩より
切
(
き
)
り
下
(
さ
)
げたるが、これにてもなお
死絶
(
しにた
)
えずしてあるところへ、
里人
(
さとびと
)
ら驚きて
馳
(
は
)
せつけ倅を
取
(
と
)
り
抑
(
おさ
)
え直に警察官を
呼
(
よ
)
びて
渡
(
わた
)
したり。警官がまだ棒を持ちてある時代のことなり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
里人
(
さとびと
)
の噂をきいて、いつはやく、時親の門をたたいたのは、ここから遠からぬ赤坂の
水分
(
みくまり
)
に住む楠木家の一
冠者
(
かじゃ
)
だった。つまり正季の兄、正成である。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ではさきごろ、
日吉
(
ひよし
)
の
五重塔
(
ごじゅうのとう
)
へ登っていたのも居士ではなかったか、
恥
(
はじ
)
をもうせば、
里人
(
さとびと
)
の望みにまかせて
射
(
い
)
たところが、一
羽
(
わ
)
の
鷺
(
さぎ
)
となって逃げうせた」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「素扇では売れませぬまま、人のすすめで、
里人
(
さとびと
)
のなぐさみばかりに、恥を
鬻
(
ひさ
)
いでいるだけでございまする」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お目がねの通りです」と、頼春が答え——「これはいつの頃か、近くの漁師が海から拾い上げた物のよしで、
里人
(
さとびと
)
のあいだでは、網引き地蔵と呼んでおるやに聞きました」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
里人
(
さとびと
)
はにわかにほッと安心したばかりか、日ごろの
欝憤
(
うっぷん
)
をはらしたようにどよみ立った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
途々
(
みちみち
)
、家康のために、
鷹
(
たか
)
を放って、
終日
(
ひねもす
)
、野に鷹狩をして遊んだり、夜は、
里人
(
さとびと
)
の
俚謡
(
りよう
)
や土俗舞を客舎に演じさせて酒宴したり、いかにもただ旅を楽しむための旅としか見えなかった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
噂によれば、
僧正
(
そうじょう
)
ヶ
谷
(
だに
)
や、
貴船
(
きぶね
)
の
里人
(
さとびと
)
どもも、もてあましている暴れン坊とか
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
学問好きで、書物ばかり読んでいるという風にばかり聞いていた
里人
(
さとびと
)
は
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はて。
里人
(
さとびと
)
のことばでは、たしかにおいでだといっていたが」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから附近の牧童や
里人
(
さとびと
)
も今にそれを
俚謡
(
りよう
)
として歌う。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“里人”の意味
《名詞》
村里の者。
(出典:Wiktionary)
里
常用漢字
小2
部首:⾥
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“里人”で始まる語句
里人達