“笛太鼓”の読み方と例文
読み方割合
ふえたいこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
音はと思うに、きりはたりする声は聞えず、山越えた停車場ステイション笛太鼓ふえたいこ、大きな時計のセコンドの如く、胸に響いてトトンと鳴る。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雨風祭の折は一部落の中にて頭屋とうやえらび定め、里人さとびと集まりて酒を飲みてのち、一同笛太鼓ふえたいこにてこれを道の辻まで送り行くなり。笛の中にはきりの木にて作りたるホラなどあり。これを高く吹く。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
橿原かしわばらの奥深く、あがるように低くかすみの立つあたり、背中合せが停車場ステイションで、その腹へ笛太鼓ふえたいこの、異様に響くめた。其処そこへ、遥かにひとみかよわせ、しばらく茫然ぼうぜんとした風情ふぜいであった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)