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さとびと
巻中の画、老人が
稿本の
艸画を
真にし、
或は京水が越地に
写し
真景、或
里人の
話を
聞て
図に作りたるもあり、其地に
照して
誤を
責ることなかれ。
薪とる
里人の話によれば、庵の中には玉を
轉ばす如き
柔しき聲して、
讀經の
響絶ゆる時なく、
折々閼伽の
水汲みに、谷川に下りし姿見たる人は
とたびたび人の声がするというので、玉泉山の
郷人たちは相談して一宇の
廟を建て、関羽の霊をなぐさめたという。
郷人にとなり
邸のしら藤の花はとのみに問ひもかねたる