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詈
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ののし
ふりがな文庫
“
詈
(
ののし
)” の例文
彼
(
か
)
のあるいは世を
慨
(
なげ
)
き、時を
詈
(
ののし
)
り、
危言
(
きげん
)
激語
(
げきご
)
して死に
就
(
つ
)
く者の如き、壮は則ち壮なりといえども、なおこれ一点狂激の行あるを免れず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
魚屋大声を揚げて
啌
(
うそ
)
つきの牝犬め、わが夫は十年来離さず犬の皮のパッチを
穿
(
は
)
いているが、
彼処
(
あそこ
)
は
肉荳蔲
(
にくずく
)
のように茶色だと
詈
(
ののし
)
ったそうだ。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
是が彼の最初の失敗で、学校側の人達は佐藤を忘恩の
痴者
(
しれもの
)
と
詈
(
ののし
)
った。斯ういう悪声は
漸
(
ぜん
)
を追うて一般に拡がるものである。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人に物を思わせたる
報酬
(
むくい
)
はかくぞと
詈
(
ののし
)
りて、下枝が細き
小腕
(
こがいな
)
を後手に
捻
(
ね
)
じ上げて、
縛
(
いまし
)
めんとなしければ、下枝は糸よりなお細く、眼を見開きて
恨
(
うらめ
)
しげに
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「無礼なり
何奴
(
なにやつ
)
なれば、われを野良犬と
詈
(
ののし
)
るぞ」「無礼なりとは
爾
(
なんじ
)
が事なり。わが飼主の打取りたまひし、
雉子
(
きぎす
)
を爾盗まんとするは、言語に断えし
無神狗
(
やまいぬ
)
かな」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
▼ もっと見る
しかるにその國王の子が心
奢
(
おご
)
りして妻を
詈
(
ののし
)
りましたから、その女が「大體わたくしはあなたの妻になるべき女ではございません。母上のいる國に行きましよう」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
文明二年八月国民の一つたる越知家栄が、畠山義就に党して河内に出陣し、畠山政長方と戦争したについても、尋尊はこれを批評して、「於
二
国民輩
一
者過分所存也」と
詈
(
ののし
)
っている。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
自ら一
瓜
(
か
)
を手にしけるが、
忽
(
たちまち
)
にして色を
作
(
な
)
して
詈
(
ののし
)
って曰く、今世間の小民だに、
兄弟宗族
(
けいていそうぞく
)
、
尚
(
なお
)
相
(
あい
)
互
(
たがい
)
に
恤
(
あわれ
)
ぶ、身は天子の親属たり、
而
(
しか
)
も
旦夕
(
たんせき
)
に其
命
(
めい
)
を安んずること無し、県官の我を待つこと
此
(
かく
)
の如し
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
怒
(
いか
)
るべきか、この時。恨むべきか、この時。
辱
(
はぢし
)
むべきか、悲むべきか、
号
(
さけ
)
ぶべきか、
詈
(
ののし
)
るべきか、責むべきか、彼は一時に万感の
相乱
(
あひみだ
)
れて急なるが為に、吾を吾としも覚ゆる能はずして
打顫
(
うちふる
)
ひゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
表裏のはなはだしい
奴
(
やつ
)
だと
詈
(
ののし
)
る者を多く見る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
蒜
(
にんにく
)
を求めると
葱
(
ねぎ
)
、豆を求めると麦をくれるので訳を尋ね、哀しみ狂して王宮へ帰り
詈
(
ののし
)
り
行
(
ある
)
く、后怪しんで訳を聞き息切れるまで踊り廻る
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
だが何という大胆なんだろう! 夕暮時とは云うものの、織田信長の管理している、京都の町の辻に立ち、その信長を攻撃し、その治世を
詈
(
ののし
)
るとは!
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、
所好
(
すき
)
な貸本の講談を読みながら、
梁山泊
(
りょうざんぱく
)
の
扈三娘
(
こさんじょう
)
、お孝が清葉を
詈
(
ののし
)
る、と
洩聞
(
もれき
)
いて
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さな嘆きそ。世は
七顛八起
(
ななころびやおき
)
といはずや。心静かに養生せば、
早晩
(
いつか
)
は
癒
(
いえ
)
ざらん。
某
(
それがし
)
身辺
(
かたわら
)
にあるからは、心丈夫に持つべし」ト、あるいは
詈
(
ののし
)
りあるいは励まし、甲斐々々しく介抱なせど
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
其
(
その
)
友
王賓
(
おうひん
)
を
訪
(
と
)
う、賓も
亦
(
また
)
見
(
まみ
)
えず、
但
(
ただ
)
遙
(
はるか
)
に語って曰く、
和尚
(
おしょう
)
誤れり、和尚誤れりと。
復
(
また
)
往
(
ゆ
)
いて姉を見る、姉これを
詈
(
ののし
)
る。道衍
惘然
(
ぼうぜん
)
たりと。道衍の姉、儒を奉じ
仏
(
ぶつ
)
を
斥
(
しりぞ
)
くるか、何ぞ婦女の見識に似ざるや。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
女は身を
顫
(
ふるは
)
せて
詈
(
ののし
)
るとともに、
念入
(
おもひい
)
りて
呪
(
のろ
)
ふが如き血相を
作
(
な
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
由って鳶を呼ぶと鳶教えて一同を自分の下に隠す、所へ薯来って、鳶汝は鶏雛の所在を知らぬかと問うに、知らぬと答え、薯怒って鳶を
詈
(
ののし
)
る。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
窓の戸を叩き、部屋の扉を蹴り、
詈
(
ののし
)
り、叫び、やがて嘆願する、小次郎の声が部屋の中から嵐のように聞こえて来ても、それに答える何物もなかった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
じゃあま、あばあ、
阿媽
(
おっかあ
)
が、いま、(狐の
睾丸
(
がりま
)
)ぞと
詈
(
ののし
)
ったのはそれである。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
不知
(
しらず
)
、この恨み、
詈
(
ののし
)
り、呪はるる者は、
何処
(
いづく
)
の
誰
(
だれ
)
ならんよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その辺の大都フェスの諺に口ばかり剛情な怯者を
詈
(
ののし
)
って汝はアグラの獅ほど勇なり
犢
(
こうし
)
にさえ尾を
啖
(
く
)
わるべしというとある。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「こっちだ」「あっちだ」「逃げた逃げた」
詈
(
ののし
)
る声々の湧き上がったのも、それから間もなくのことであった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
資治卿の
噂
(
うわさ
)
をして、……その千人の女に
契
(
ちぎ
)
ると言ふ好色をしたゝかに
詈
(
ののし
)
ると、……二人三人の
妾
(
めかけ
)
妾
(
てかけ
)
、……
故
(
わざ
)
とか知らぬ、
横肥
(
よこぶと
)
りに肥つた
乳母
(
うば
)
まで、此れを聞いて
爪
(
つま
)
はじき、身ぶるひをする
中
(
うち
)
に
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕は正直に云うけれど、彼女の前で君のことをどんなに
悪様
(
あしざま
)
に
詈
(
ののし
)
ったろう。
彼奴
(
あいつ
)
は
白痴
(
ばか
)
で無節操でロマンチックの
生地
(
いくじ
)
無しだ! このように僕は云ったものだ。
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とんと打入れる
発奮
(
はずみ
)
をくッて、腰も据らず、
仰向
(
あおむけ
)
に
引
(
ひっ
)
くりかえることがある、ええだらしがない、尻から
焼火箸
(
やけひばし
)
を刺通して、畳の
縁
(
へり
)
に
突立
(
つッた
)
ててやろう、転ばない
呪禁
(
まじない
)
にと、陰では口汚く
詈
(
ののし
)
られて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身体極めて
軽捷
(
けいしょう
)
で、たちまち海上を歩んでかの島に到り、千万苦労してようやく私陀が樹蔭に身の成り行きを歎くを見、また、その貞操を変ぜず、夫を慕い鬼王を
詈
(
ののし
)
るを聴き、急ぎ返って羅摩に報じ
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一軒の家では老いた夫婦が、互いに
口穢
(
くちぎたな
)
く
詈
(
ののし
)
っていた。と女房の鋭い爪が、良人の右の眼を
刳
(
えぐ
)
り抜いた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
詈
(
ののし
)
る剣幕に
胆
(
きも
)
を抜かれ、鉄蔵茫然とする処を飛かかって
咽喉
(
のんど
)
を
扼
(
やく
)
し
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いい気味だ。神罰だ。もっとピシピシ撲られるがいい!」突然
詈
(
ののし
)
る声がした。若者の部屋と軒を並べたもう一つの部屋の窓の中から、その罵声は聞こえるのである。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
老爺
(
ぢい
)
は、さすがに、まだ
気丈
(
きじやう
)
で、
対手
(
あひて
)
が
然
(
さ
)
までに、
口汚
(
くちぎたな
)
く
詈
(
ののし
)
り
嘲
(
あざ
)
ける、
新弟子
(
しんでし
)
の
作
(
さく
)
の
如何
(
いか
)
なるかを、はじめて
目前
(
まのあたり
)
験
(
ため
)
すらしく、
横
(
よこ
)
に
取
(
と
)
つて
熟
(
じつ
)
と
見
(
み
)
て、
弱
(
よわ
)
つたと
言
(
い
)
ふ
顰
(
ひそ
)
み
方
(
かた
)
で、
少時
(
しばらく
)
ものも
言
(
い
)
はなんだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
歌っている者、叫んでいる者、笑っている者、
詈
(
ののし
)
っている者……お祭りのような騒ぎであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「こら!」と驚くべき声で
詈
(
ののし
)
り
喚
(
わめ
)
く。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
詈
(
ののし
)
り詈り熊を追い、追い
縋
(
すが
)
ったと思ったとたんパッと背中へ飛び乗った。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と
魂消
(
たまぎ
)
ゆる
哉
(
かな
)
、
詈
(
ののし
)
り
交
(
かわ
)
すわ。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
呻吟の声、
詛
(
のろ
)
いの声、
詈
(
ののし
)
る声、悲しむ声——四方の辻で聞こえていた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と自ら我身を
詈
(
ののし
)
るごとく
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ご帰館ご帰館!」「船を廻せ!」互いに口々に
詈
(
ののし
)
り合う。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして自分はその運命をどんなに怨み
詈
(
ののし
)
るだろう
沙漠の歌:スタンレー探検日記
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
船大工たちは口惜しそうに、口々に
詈
(
ののし
)
りました。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
山影宗三郎
詈
(
ののし
)
った。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
詈
漢検1級
部首:⾔
12画
“詈”を含む語句
罵詈
罵詈讒謗
罵詈雑言
罵詈悪口
讒謗罵詈
御罵詈
罵詈呵責
罵詈怒号
罵詈暴行
罵詈毀辱我
罵詈狂
罵詈罵倒
詈合
詈罵
詈言
讒誣罵詈