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若
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わけ
ふりがな文庫
“
若
(
わけ
)” の例文
重兵衛
成
(
なる
)
ほど、だれか歌いながら来るようだ。聞き慣れねえ声だから、ここらの
若
(
わけ
)
え者じゃあるめえ。旅の人でも迷って来たかな。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
母「はい、お前方も
旧
(
ふり
)
い馴染でがんしたけんども、今度が別れになります、はい有難うござえます、多助や誰か
若
(
わけ
)
え
者
(
もん
)
が大勢来たよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
松住町
(
まつずみちょう
)
じゃねえぜ。
朝
(
あさ
)
っぱらから、
素人芝居
(
しろうとしばい
)
の
稽古
(
けいこ
)
でもなかろう。いい
若
(
わけ
)
え
者
(
もの
)
がひとり
言
(
ごと
)
をいってるなんざ、みっともねえじゃねえか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
酸
(
サワ
)
も
甘味
(
スウィイト
)
も
舐
(
な
)
めつくしたと言ったような、一種の当りのいい人なつこさが溢れ、そしてその黒い細い眼の底に、
若
(
わけ
)
えの、ついぞ見ねえ
面
(
つら
)
だが
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
それから頼りになるしっかりした若者を知っている。ああ、君は
若
(
わけ
)
えし、——君と己とが一緒になれぁたんといいことが出来るかも知れねえなあ!
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
▼ もっと見る
「立ちな、
若
(
わけ
)
えの」と頭は顎をしゃくった、「ここで論判するこたあねえ、話があるんなら外へ出てから聞こう」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何も
御前
(
おめえ
)
さんが、あやまんなさる事は無えのさ。こりやほんの僅ばかりだが、世話になつた
若
(
わけ
)
え
衆
(
しゆ
)
たちに、暖え
蕎麦
(
そば
)
の一杯も振舞つてやつておくんなせえ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ヘッ、どうも、お前という女は、
解
(
げ
)
せねえよ。お京さんが、
若
(
わけ
)
えころは、おれの親父を悩ましたというが、お前も、まったく、おれを悩ます。わからねえ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「そんだつて
箆棒
(
べらぼう
)
、
若
(
わけ
)
え
衆等
(
しら
)
だつてさうだことばかりするものぢやねえ、
詰
(
つま
)
んねえ」
憤慨
(
ふんがい
)
してかういふものも
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「ね、おめえも、早く
帰
(
けえ
)
んでえすぞ。俺も
若
(
わけ
)
え時、
婿
(
むこ
)
に行ったどこ逃げ出した罰で、今になってこれ……」
蜜柑
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
お前の父さんも
若
(
わけ
)
い時はお前と同じ様に、人を人とも思わねえで、それで村にも居られねえような仕末。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
若
(
わけ
)
え
旦那
(
だんな
)
、
祖父殿
(
おんぢいどん
)
が
事
(
こと
)
は
私
(
わし
)
も
知
(
し
)
らんで、
何
(
なに
)
か
言
(
い
)
はつしやりますやうな
悪戯
(
いたづら
)
を
為
(
し
)
たかも
分
(
わか
)
らねえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
若
(
わけ
)
え、若え、そういったもんでねえ。」と、またどの爺さんだか
胴間
(
どうま
)
声をかっ飛ばした。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「あの時、たけぞうといった今夜の青二才のほかに、もう一人、
若
(
わけ
)
えのがいましたね」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「馬鹿だなア、手拭は俺から見えないよ、腰へブラ下げているんだろう、——番太や権助じゃあるめえし、良い
若
(
わけ
)
え者が、手拭を腰へブラ下げて歩くのだけは
止
(
よ
)
しなよ。見っともねえ」
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
……ほんとに
若
(
わけ
)
えお人というものは! (何やらぶつぶつ言うが、聞きとれない)一生が過ぎてしまった、まるで生きた覚えがないくらいだ。……(横になる)どれ、ひとつ横になるか。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
俺たちは酒飲みでなまけ者だと言ってやがる。そして御当人は! 奴らはいったい何だい。
若
(
わけ
)
え時には何をしてきたんだい。泥坊じゃねえか。そうででもなけりゃあ金持ちになれるわけはねえ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そんなとこは兄さんもまだ
若
(
わけ
)
えなあ。村さ住むやうになつたらやつぱし村のものとの附合ひといふことも考へんことにや。森口なんぞには顏を出しておいたがいいんだ。何かにつけてその方がええ。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
「御隠居——それにしちゃあ、年が
若
(
わけ
)
えのう」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
若
(
わけ
)
エ時分には散々お
母
(
ふくろ
)
に苦労をさせました…勇助さん此の水を御覧なさい、能く澄んでるでしょう、
透通
(
すきとお
)
って底が見えるぐらいだのに
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「わっしのことでさあ。あんたが脱走なすってから、この
若
(
わけ
)
え奴らがわっしを
船長
(
せんちょ
)
に選んだのでさ。」——と「脱走」という言葉に特に力を入れた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「なあ、
勘次
(
かんじ
)
さん、こんで
若
(
わけ
)
えものゝ
處
(
ところ
)
がえゝかんな」といひ
掛
(
か
)
けた。
外
(
そと
)
では
再
(
ふたゝ
)
び
囃
(
はや
)
し
立
(
た
)
てゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「主じはまだずぶ
若
(
わけ
)
え銀流しで、老いぼれた死っ損ないの下男に飯炊きのしわくちゃ婆あがいるばかり、ぐるりは痩っこけた松林にかじかんだ大根畑てえぐあいなんだ」
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人形使 これまでは雪見酒だで、
五合
(
ごんべい
)
一寸たちまちに消えるだよ。……これからがお花見酒だ。……お旦那、軒の八重桜は、三本揃って、……樹は
若
(
わけ
)
えがよく咲きました。満開だ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「俺も、
若
(
わけ
)
え時、牛馬のように——やっぱり、町の方さでも片付けば……」
蜜柑
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
おい
若
(
わけ
)
えの、取るにも足らぬ
生兵法
(
なまびょうほう
)
の
細腕立
(
ほそうでたて
)
は止めちゃあどうだ。
強
(
た
)
ってじたばた
埃
(
ほこり
)
を立てると、大人気ないが、深見重左が王義明致流の極妙で、
汝
(
うぬ
)
の五体を立竦みにしびれ殺してくれるぞよ——
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わし
)
も
若
(
わけ
)
えうちに親父に死なれ、又
母親
(
おふくろ
)
にも早く別れ、今まで
皆
(
みん
)
な伯父様の世話になった事は私も心得て居りますから、あんたが達者でいて
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ、ここは
面白
(
おもしれ
)
え
処
(
とこ
)
だぜ、この島はな、——
若
(
わけ
)
え者が上陸するにゃほんとに面白え処だ。」と彼は言った。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
権頭のいわゆるずぶ
若
(
わけ
)
え銀流しなる者だろう、すばらしい美男だし、
身装
(
みなり
)
も
贅
(
ぜい
)
を尽くしている、ああ顔をあげましたぞ諸君、御覧あれわれらの主人公、かの玉造八百助でござる。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
今日
(
けふ
)
は
若
(
わけ
)
え
衆等
(
しら
)
行
(
い
)
くと
思
(
おも
)
つてはあ、
夜
(
よる
)
まで
置
(
お
)
けねえんだな」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「オイ、そこにいる
若
(
わけ
)
えの」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
作「はア
然
(
そ
)
うかえ
能
(
よ
)
くまア心に掛けて寺参りするてえ、お
前
(
めえ
)
の様な
若
(
わけ
)
え人に似合わねえて、然う云って居る、えゝなアに
彼
(
あれ
)
は名主様の妾よ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おめえは
若
(
わけ
)
えけれど苦労しているし、理屈だけでものごとを
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
多「なにあんた、そんなに年イ取った/\といわなえがいゝ、
若
(
わけ
)
え
者
(
もん
)
でも寒いだ、
何
(
なん
)
だかハア雪イ降るばいと思う様に空ア雲って
参
(
めえ
)
りました」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清「
若
(
わけ
)
えから
何様
(
どん
)
な無分別を出すめいもんでもねえから、
明日
(
あす
)
といわず早いが宜い、兼と一緒に今ッから捜しに行きな」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なにか仰しゃったようでごぜえますが、むずかしくって少しも分りませんが、
若
(
わけ
)
え殿様に水飴を
甜
(
な
)
めさせて、それから殿様にも甜めさせて、それを
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若
(
わけ
)
え親方の
前
(
めえ
)
だが長兄に限っちゃア道楽で借金があるという訳じゃアなし、此の節ア
好
(
い
)
い出入場が出来て、仕事が忙がしいので都合も好い訳だのに
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
多助どんとやらの意見で泥坊もたまげ、
悄
(
しお
)
れ果てゝ
帰
(
けえ
)
ったは
偉
(
えれ
)
え奉公人だねえ、
私
(
わし
)
たまげやした、年いまだ
若
(
わけ
)
いがねえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
云ったって
宜
(
い
)
い、厭だから厭と云うのだ、初めは
好
(
い
)
いと思ったから女房にしようと思ったが六年から経って見ると
好
(
よ
)
く無くなったねえ、どうも
若
(
わけ
)
え女を
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
半「
彼奴
(
あいつ
)
をお
前
(
めえ
)
さんが何うかして取持って貰いてえと、いうような事を、西浦賀の
若
(
わけ
)
え者に頼んだ事が有るだろう」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
角「お
前方
(
めえがた
)
は年が
若
(
わけ
)
えから
未
(
いま
)
だいくらも子が出来るよ、
己
(
おら
)
ア四十二歳になるが、いまだに子がねえから、斯ういう子を貰って
往
(
ゆ
)
けば、こんな
有難
(
ありがて
)
え事はねえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
亥「そうか、本所の人か、
己
(
おら
)
ア又豊島町の
若
(
わけ
)
い
衆
(
しゅ
)
かと思った、見ず知らずの人に
厄介
(
やっかい
)
になっちゃア済まねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仙「ハヽヽ、なに危険なことはねえ、
大丈夫
(
でいじょうぶ
)
だよ、
若
(
わけ
)
え
衆
(
しゅ
)
己は
伊皿子台町
(
いさらごでえまち
)
にいる荷足の仙太だよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
われが友達の
奥田
(
おくだ
)
の
兼
(
かね
)
野郎なア立派な
若
(
わけ
)
え
衆
(
しゅ
)
になったよ、
汝
(
われ
)
がと
同年
(
おねえどし
)
だが、此の頃じゃア
肥手桶
(
こいたご
)
も新しいんでなけりゃ
担
(
かつ
)
ぎやアがんねえ、
其様
(
そんな
)
に世話ア焼かさずに
負
(
ぶっ
)
されよ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仙「お
爺
(
とっ
)
さん、此の
若
(
わけ
)
え
衆
(
しゅ
)
さんの勘定も一緒に取ってくんな……なに、つりはいらねえよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伴「なッてえ/\、これ四
間
(
けん
)
間口の
表店
(
おもてだな
)
を張っている荒物屋の旦那だア、一人二人の色が有ったってなんでえ、男の働きで
当前
(
あたりめえ
)
だ、
若
(
わけ
)
えもんじゃあるめえし、
嫉妬
(
やきもち
)
を焼くなえ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若
(
わけ
)
え同志で斯ういう訳になって、
女子
(
おなご
)
を連れて己の家へ来て見れば、家も
治
(
おさま
)
らねえ訳で、是も
前
(
さき
)
の世に定まった縁だと思って、
余
(
あんま
)
り
喧
(
やか
)
ましく云わねえで、己が
媒妁
(
なこうど
)
をするから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
半「何だって外に
若
(
わけ
)
えのが出来たからさ、お
願
(
ねげ
)
えだ己がいう事を聞いてくれ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兼「
若
(
わけ
)
え親方……腹も立とうが
姉
(
あね
)
さんのいう通り、酔ってるのだから我慢しておくんなせえ、不断
此様
(
こん
)
な人じゃアねえから、
私
(
わっち
)
が連れて帰って
明日
(
あした
)
詫に来ます……兄い更けねえうちに
帰
(
けえ
)
ろう」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
色々
深
(
ふけ
)
え思召があるんだから、
私
(
わっし
)
も大旦那のお
若
(
わけ
)
え時分、まだ
糸鬢奴
(
いとびんやっこ
)
の時分から、甲州屋のお店へ出入りをしてえて、お
前
(
めえ
)
さんとも古い馴染だが、今度来やアがった番頭ね、
彼奴
(
あいつ
)
が悪い奴なんだ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“若”の意味
《名詞》
(わか)若君の略。代名詞的にも用いられる。
(出典:Wiktionary)
若
常用漢字
小6
部首:⾋
8画
“若”を含む語句
若衆
若干
傍若無人
若人
若者
若僧
若子
自若
杜若
若年
若木
若武士
天若日子
蘭若
老若
老若男女
若輩
若々
幸若
若侍
...