美女びぢよ)” の例文
闔廬かふろいはく、『こころみに婦人ふじんもつてすきか』と。いはく、『なり』と。ここおいこれゆるす。宮中きうちう美女びぢよいだし、百八十にんたり。
詰寄つめよる。若旦那わかだんなを、美少年びせうねんはうからむかへるやうに、じつとにぎる、とさきからゆきつて、ふたゝ白衣びやくい美女びぢよかはつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一の美女びぢよに月ふれ千人せんにんの姫に星ふれ牡丹きやうせむ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
同一おなしみづ医者いしやうち死絶しにたえた、さればかやうな美女びぢよ片田舎かたゐなかうまれたのもくにがはり、だいがはりの前兆ぜんちやうであらうと、土地とちのものは言伝いひつたへた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これがために昨夜ゆうべいへけて、いましがた喃々なん/\としてわかれてた、若旦那わかだんな自身じしん新情婦しんいろ美女びぢよで、婦人ふじん其處そこ兩々りやう/\紅白こうはく咲分さきわけてたのである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いか、それへやうとふからには、ほたるほしちりやまつゆ一滴いつてきと、大海だいかいうしほほど、抜群ばつぐんすぐれた立優たちまさつたものでいからには、なにまた物好ものずきに美女びぢよ木像もくざうへやう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すで目指めざ美女びぢよとらへて、おもふがまゝに勝矜かちほこつた対手あひてむかふて、らぬつくなひの詮議せんぎめろ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとへにしろい。ちゝくびの桃色もゝいろをさへ、おほひかくした美女びぢよにくらべられたものらしい。……しろはなの、つてころの、その毛蟲けむし夥多おびたゞしさとつては、それはまたない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をとこひざとりついて美女びぢよいてふるはすやうで、きしてさへからだがわなゝく、にくをどる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うぢや、それとも、御身達おみたちに、煙草たばこ吸殻すゐがら太陽たいやうほのほへ、悪魔あくま煩脳ぼんなう焼亡やきほろぼいて美女びぢよたすける工夫くふうがあるか、すりや格別かくべつぢや。よもあるまい。るか、からう。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
楚々そゝとしてつものおもはしげに、たゞ一人ひとりなぎさ辿たど美女びぢよつて、遠慮ゑんりよなく色目いろめづかひをして、目迎めむか見送みおくつて、うだとれい本領ほんりやう發揮はつきしたのがはじまりである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其時そのときうらやまむかふのみね左右さいう前後ぜんごにすく/\とあるのが、一ツ一ツくちばしけ、かしらもたげて、の一らく別天地べツてんち親仁おやぢ下手したでひかへ、うまめんしてたゝずんだ月下げツか美女びぢよ姿すがた差覗さしのぞくがごと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)