筋道すぢみち)” の例文
助くるが趣意しゆいなりとて王法わうはふ有りての佛法なれば國の政事せいじに口出しはならず又役人と雖も筋道すぢみちなくして人をがいすべきや其九助と云者假令たとへたび人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
日出雄少年ひでをせうねん先刻せんこくから、櫻木大佐さくらぎたいさかたはらに、行儀ぎようぎよく吾等われら談話はなしいてつたが、いとけなこゝろにもはなし筋道すぢみちはよくわかつたとへ、此時このとき可愛かあいらしき此方こなた
すると何時いつにかいまあがつたやまぎてまた一ツやまちかづいてた、此辺このあたりしばらくのあひだ広々ひろ/″\として、前刻さツきとほつた本街道ほんかいだうよりつとはゞひろい、なだらかな一筋道すぢみち
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゝろ變化へんくわするものなり、雪三せつざう徃昔そのかみ心裏しんりうかゞはゞ、糸子いとこたいする觀念くわんねん潔白けつぱくなること、其名そのなゆきはものかは、主人しゆじん大事だいじ筋道すぢみちふりむくかたもかりしもの
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
内儀かみさんは被害者ひがいしやうちつてだけ筋道すぢみちかせたが、どうしても今度こんどはうんといはない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
二人ふたりは一筋道すぢみちの廊下の何所どこかでちがはねばならぬ運命を以て互ひに近付いてた。すると女がり返つた。あかるいおもての空気のなかには、初あきみどりが浮いてゐるばかりである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
便たよりに一筋道すぢみち權現堂ごんげんだうの村中へ來懸きかゝをりしもさつと吹來る川風に提灯ちやうちんきえて眞のやみとなりしかば平兵衞は南無さんあかりがきえては一あしも歩行れぬとてこしをさぐり用意の火打を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
頭腦づなう比較的ひかくてき明暸めいれうで、理路りろ感情かんじやうむのか、また感情かんじやう理窟りくつわくるのか、何方どつちわからないが、かくもの筋道すぢみちけないと承知しようちしないし、また一返いつぺん筋道すぢみちくと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
最早もうそれはいひツこなしとゝめるもふも一筋道すぢみち横町よこちやうかた植木うゑきおほしこちへとまねけばはしりよるぬり下駄げたおとカラコロリことひく盲女ごぜいま朝顔あさがほつゆのひぬまのあはれ/\あは水飴みづあめめしませとゆるくあまくいふとなりにあつやきしほせんべいかたきを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その筋道すぢみちかさなくつてはかないやう熱中ねつちゆうしたがる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
助けてやらん是より道程みちのり何程なにほどあるやと問ひければ八五郎然樣さやうさ四里八町と申せども多分たぶん中頃なかごろで爲す仕事ならん一筋道すぢみちゆゑ御出おいでなされば間違ひなけれ共餘程時刻もおくれたれば贅足むだあしならんといふに半四郎は最早もはや立上たちあが假令たとへ贅足むだあしになればとて元々なり某し一ト走りに追着おひつきたすけてやらん大方おほかた渠等かれら怪我けがもあらんにより本道ほんだう外科げくわ兩人の醫師を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)