きは)” の例文
捕へられた柳田は一言も物を言はず、又取調を命ぜられた裁判官等も、ひて問ひきはめようともせぬので、同志の名は暫く知られずにゐた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
人性に具備せる恋愛の如き、同情の如き、慈憐の如き、別して涙の如きもの、深く其至粋をきはめたるものをして造化の妙微に驚歎せしめざるはなし。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
平次は藁打臺わらうちだいを引寄せて、どつかと腰をおろしました。今となつては、この頑固ぐわんこてつの下男の口から訊くほかに、眞相をきはめやうはなかつたのです。
その幽径のきはまる処は百年の雪に埋もれた無人の峰々に違ひない。天才と世に呼ばれるものはそれ等の峰々へづることを辞せない勇往果敢の孤客である。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
およぜいつとめ、ところけいするところかざり・しかうしてにくところ(八五)めつするをるにり。かれみづか其計そのけいとせば、すなは其失そのしつもつこれ(八六)きはむるかれ。
東北は山又山を重ねて、琅玕ろうかん玉簾ぎよくれん深く夏日のおそるべきをさへぎりたれば、四面遊目ゆうもくに足りて丘壑きゆうかくの富をほしいままにし、林泉のおごりきはめ、又有るまじき清福自在の別境なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夫人はわが即興の手際を見んとて、こよひの登山を歌はせ、ことばきはめて我才を讚めたり。
うして漁師れふし烱眼けいがんもつ獲物えものあやまたぬみちなみあひだきはめてるのである。わづか村落むらうち毎日まいにちすべてのじゆくしてをんな所在ありかねらふことは、蛸壺たこつぼしづめるやうな其麽そんなむしろあてどもないものではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
親しき友を喜ばす其道いかに、きはめ見ん。 635
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
そこまできはめる力がないもの等の説だ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
天壤あめつちきはみなき、天津日嗣あまつひつぎ、ここに
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
きはみなき輪廻りんねごふのわづらひは
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
流れをきはめ山々の
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この禍福とそれに伴ふ晦顕くわいけんとがどうして生じたか。私はそれをきはめて父のゑんそゝぎたいのである。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
されども、この身の上にきはめしたのしみも、五年いつとせの昔なりける今日の日にきはめしかなしみふべきものはあらざりしを、と彼は苦しげに太息ためいきしたり。今にして彼は始めて悟りぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
瓢箪へうたんなりの池も澄んでゐれば、築山つきやまの松の枝もしだれてゐた。栖鶴軒せいかくけん洗心亭せんしんてい、——さう云ふ四阿あづまやも残つてゐた。池のきはまる裏山の崖には、白々しろじろと滝も落ち続けてゐた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
龐涓はうけんみづから・きはまりへいやぶるるをり、すなは(五七)自剄じけいしていはく、『つひ(五八)豎子じゆしせり』と。せいつてかちじようじてことごと其軍そのぐんやぶり、太子たいししんとりこにし(五九)かへる。
これは後でわかつた事ですが、峠宗壽軒たうげそうじゆけんの前身は、駿河大納言忠長するがだいなごんたゞながの臣で、本草學の心得があるのを幸ひ、京都に行つてその道の蘊奧うんあうきはめ、身分を隱して大塚御藥園を預るまでに出世したのです。
きはみなし、あやもなし
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかるに今の天下の形勢は枝葉しえふんでゐる。民の疲弊ひへいきはまつてゐる。草妨礙くさばうがいあらば、またよろしくるべしである。天下のために残賊ざんぞくを除かんではならぬと云ふのだ。そこで其残賊だがな。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
家具家財の荷づくりをなすも、運び難からんことを察すればなり。人慾もとよりきはまりなしとは云へ、存外ぞんぐわい又あきらめることも容易なるが如し。に入りて発熱三十九度。時に○○○○○○○○あり。
それを見きはめると、平次はお清を階下したへ追ひやりました。
きはみ無しあまつみわざ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
とも輦轂れんこくもとに住んで、親しく政府の施設を見ようと云ふのである。二人の心底には、秕政ひせいの根本をきはめて、君側くんそくかんを発見したら、たゞちにこれを除かうと云ふ企図が、早くも此時からきざしてゐた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
きはみ無しあまつみわざ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
きはみなし、常久とことは
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
きはみなしあまつみわざ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
きはみなしあまつみわざ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
きはみ無しすめら産霊むすび
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)