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すぐさま
ふりがな文庫
“
直様
(
すぐさま
)” の例文
旧字:
直樣
目覚
(
めさむ
)
れば
早
(
は
)
や
午
(
ご
)
に近し。召使ふものの知らせにて離れの
一間
(
ひとま
)
に住み給ひける母上捨て置きてはよろしからずと
直様
(
すぐさま
)
医師を
呼迎
(
よびむか
)
へられけり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此方から
短銃
(
ぴすとる
)
と言た時に
直様
(
すぐさま
)
はい其
短銃
(
ぴすとる
)
は
云々
(
しか/″\
)
と答えたのが益々彼れの
手管
(
てくだ
)
ですわ、
詰
(
つま
)
り彼れは丁度計略の裏を
書
(
かい
)
て居るのです
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「
霰
(
あられ
)
だ、霰が降って来た。」と大きな声でいって、喜んで
小躍
(
こおど
)
りした。而して、
直様
(
すぐさま
)
戸外に駆け出して、霰だ。霰だ。といって走っていた。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「旦那、大変だ。早く来て下せエ。あれを見ると、
直様
(
すぐさま
)
駈出して来ただが、迷路で三十分も手間取っちまった。もう迚も息は吹き返すめエ」
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
常世
(
トコヨ
)
と言ふ語の、記・紀などの古書に出た順序を、
直様
(
すぐさま
)
意義分化の順序だ、との早合点に固執して貰うて居ては、甚だお話がしにくいのである。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
我
(
お
)
れが
餡
(
あん
)
この種なしに成つてもう今からは何を売らう、
直様
(
すぐさま
)
煮かけては置いたけれど
中途
(
なかたび
)
お客は断れない、どうしような、と相談を懸けられて
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
但し
忌諱
(
きい
)
を憚り候儀もこれあり候はゞ、封書にて
直様
(
すぐさま
)
差出し申すべく、また(肥後守)自身聞き届け候儀も
之
(
これ
)
有る可く候
新撰組
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
山頬
(
やまぎわ
)
の細道を、
直様
(
すぐさま
)
に通るに、年の程十七八
計
(
ばかり
)
なる
女房
(
にょうぼう
)
の、赤き袴に、
柳裏
(
やなぎうら
)
の
五衣
(
いつつぎぬ
)
着て、
鬢
(
びん
)
深
(
ふか
)
く
鍛
(
そ
)
ぎたるが、南無妙。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壺の中へカジカ蛙をあまた
容
(
い
)
れ、
網蓋
(
あみぶた
)
の小孔より蠅を入れると、
直様
(
すぐさま
)
蛙の口へ飛び込んで嚥まるるもあれば、暫時して蛙の方へ飛び行き捉わるるもある。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
会社から
直様
(
すぐさま
)
こゝへ帰つて来なくつても、いくらだつて寄り道は出来るからね。一時、二時まで外にゐるつてことは、こいつ
懐中
(
ふところ
)
十分でないと相当骨が折れる。
世帯休業
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
乃公
(
おれ
)
は伯母さんが
那麽
(
あんな
)
に憤るだろうとは思わなかった。伯母さんは火のようになって、
直様
(
すぐさま
)
鞄を抱えて、
階下
(
した
)
へ下りた。そして車屋を呼んで来て下さいと言った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
只今この黒羅紗の頭巾を突き破り、惣兵衞の首を掻取り、
直様
(
すぐさま
)
此の場で切腹いたし、草場へ参った其の上で本意を遂げざるお詫をいたします、あゝ残念でございます
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日はどうでした? と夕頃つい出会って、問いかけでもしたら、彼は
直様
(
すぐさま
)
癖の手を頭にやって
荷
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
如何
(
どう
)
も気に成って耐え難い。どうか姉御、一度江戸へ
遣
(
や
)
って貰いたい。いや江戸へ帰らして呉れとは云わぬ。行かして呉れ。先生御無事ならば、
直様
(
すぐさま
)
此方
(
こちら
)
へ帰って来る。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
それまで燃え立つやうに覚え候ふ胸の
直様
(
すぐさま
)
水を
浴
(
あび
)
せられ候ふやうになり、ふつつりと思ひ切つて清さんにはその手をさへ常談の
体
(
てい
)
に申しくろめ、三谷さんの手前湯にといはせて返し候へば
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
犬の
分際
(
ぶんざい
)
で人間を喰うというのは罪の深い事だと気が付いた、そこで
直様
(
すぐさま
)
善光寺へ
駈
(
か
)
けつけて、段々今までの罪を
懺悔
(
ざんげ
)
した上で、どうか人間に生れたいと願うた、七日七夜、椽の下でお通夜して
犬
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
私は何だか羨ましくなり
直様
(
すぐさま
)
家来に命じ同じ味噌汁を作らせた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
此手紙御覧次第
直様
(
すぐさま
)
御帰国
待入
(
まちいり
)
申候
(
もうしそろ
)
と母の手で
狼狽
(
うろた
)
えた
文体
(
ぶんてい
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
女は
直様
(
すぐさま
)
県立千葉病院に入院せしめたるが生命
覚束
(
おぼつか
)
なし。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
右の高指の先きの節、少〻疵つけども
直様
(
すぐさま
)
治りたり。
手紙:042 慶応二年十二月四日 坂本権平、一同あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
直様
(
すぐさま
)
、謹んで記録に留めまして
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
昼飯をすますと
直様
(
すぐさま
)
お千代は派出婦会との契約を断るために出て行く。重吉は種子が生きている時分に
雇入
(
やといい
)
れた
小女
(
こおんな
)
に暇をやる。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
招待者の人数はハッキリ分っていたから、最後の客が到着すると、
直様
(
すぐさま
)
玄関の大扉を締切り、数名の私服刑事が、其内外に見張り番を勤めた。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何でも女房は仆れた
儘
(
まゝ
)
気絶した様子でしたが其暇に検査官は亭主を引立て
直様
(
すぐさま
)
戸表
(
とおもて
)
に待せある馬車へと
舁
(
かつ
)
いで行きました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
三国
鼎争
(
ていそう
)
の最中や戦国わずかに一統された際の人間は、百姓までも荒々しいと同時に気骨あり、こんな落書をしたので、それを
直様
(
すぐさま
)
自ら返辞した大守もえらい。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
私はランプを
点
(
つけ
)
てやろうかとも思ったが、
何処
(
どこ
)
にランプがあるのか分らないので、
直様
(
すぐさま
)
家を飛び出して、彼の母親に告げて、針医を迎いに行ってやろうと思った。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其の
中
(
うち
)
に諸方から人が出て捨てゝも置かれぬから、お繼と山平は
直様
(
すぐさま
)
自身番へ参りまして、それより細やかに町奉行へ訴えに成りましたが、全く親の敵討と云う事が分りまして
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一年半ばかり耳鼻咽喉科を専門に修めていますと、『眼科へ転ぜよ、
委細書面
(
あとふみ
)
』という電報が父から届きました。
直様
(
すぐさま
)
転科の手続を済ませて待っていますと、父の書面が着きました。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お
母
(
はは
)
さまに
直様
(
すぐさま
)
お出下さるやう、
今朝
(
けさ
)
よりのお苦るしみに、潮時は午後、
初産
(
ういざん
)
なれば旦那とり止めなくお騒ぎなされて、お
老人
(
としより
)
なき家なれば混雑お話しにならず、今が今お出でをとて
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
長吉はふと近所の家の表札に
中郷竹町
(
なかのごうたけちょう
)
と書いた町の名を読んだ。そして
直様
(
すぐさま
)
、この
頃
(
ごろ
)
に愛読した
為永春水
(
ためながしゅんすい
)
の『
梅暦
(
うめごよみ
)
』を思出した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが、蘭堂は
直様
(
すぐさま
)
飛び込む勇気がなかった。赤い雫のたれているゴリラの口を見ては、飛かかって行く勇気がなかった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
多年此道で苦労した僕も及ばぬ程の手柄だ、吾々の
拠
(
よ
)
る所は是から
唯
(
たゞ
)
あの犬ばかり、夫にしても君の様に短兵急に問詰ては敵が
直様
(
すぐさま
)
疑うから事が破れる
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
今迄下を向いて、眤と
一所
(
ひとところ
)
を
見詰
(
みつめ
)
ていた捕れた男は真青に血の気の失せた顔を上げて、ドシンと大地に下した鉞の方を
見遣
(
みや
)
った。が
直様
(
すぐさま
)
また下を向いて自分の膝のあたりを見詰めていた。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いかにも急速では御座りますが
直様
(
すぐさま
)
掃除にかかりたう御座りますとて、何の子細なく約束はととのひぬ、お職業はと問へば、いゑ別段これといふ物も御座りませぬとて至極
曖昧
(
あいまい
)
の答へなり
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
親父も一人や二人討って掛ろうとも
無慚
(
むざん
)
に殺されることは有りませんが、何うかいう
係蹄
(
わな
)
に掛って、左様な横死をいたしたので、誠に残念なことでございますから、私は
直様
(
すぐさま
)
仇討に出立致し
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
最初人壺辺に来ると知るや、
直様
(
すぐさま
)
蓋近き要処に跳び上がり、平日通り蠅を独占しようと構えいたが、右の次第で、全く己より
智慧
(
ちえ
)
の劣った者どもにしてやられ、一疋も蠅が飛ばねば一疋も口に入らず
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
はふと近所の家の
表札
(
へうさつ
)
に
中郷竹町
(
なかのがうたけちやう
)
と書いた
町
(
まち
)
の名を読んだ。そして
直様
(
すぐさま
)
、
此
(
こ
)
の
頃
(
ころ
)
に愛読した
為永春水
(
ためながしゆんすゐ
)
の「
梅暦
(
うめごよみ
)
」を
思出
(
おもひだ
)
した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この不景気に
直様
(
すぐさま
)
口があるではなし、そうかといって、遊んで食える身分でもなし、あなたもあんまり向う見ずだ。
接吻
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
信切顔
(
しんせつがお
)
をして其人の秘密を聞き出し
其
(
そ
)
れを
直様
(
すぐさま
)
官に売附けて世を渡る、
外面
(
げめん
)
如菩薩
(
にょぼさつ
)
内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
とは女に非ず探偵なり、切取強盗人殺牢破りなど云える悪人多からずば其職繁昌せず
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
いろいろの人がちよつと好い顔を見せて
直様
(
すぐさま
)
つまらない事に成つてしまふのだ、傘屋の
先
(
せん
)
のお
老婆
(
ばあ
)
さんも能い人で有つたし、
紺屋
(
こうや
)
のお絹さんといふ縮れつ毛の人も
可愛
(
かあゆ
)
がつてくれたのだけれど
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんな分らぬ弁天なら罰の当てようも知るまいから心配はありませんよ、これ何時まで子供の様な事を云って何うなります、私が約束して今更
変替
(
へんがえ
)
は出来ません、
直様
(
すぐさま
)
返事をおしなさい、これ照
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
商人汝彼ら殺さずばわれ食事せん、
釈
(
ゆる
)
さぬ内は一切馳走を受けぬと言い張ったので竜女も我を折り、
直様
(
すぐさま
)
釈す事はならぬが六ヶ月間人間界へ擯出しようと言ってやがてかの二竜を竜宮から追い出した
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
と鬼は叫んで、
直様
(
すぐさま
)
、その者を捕えてしまった!
過ぎた春の記憶
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
門をたたくと
直様
(
すぐさま
)
女中が雨戸をあけたので、矢田は鎌をかけて君江さんはと聞くと、女中はてっきり君江の待っている旦那だと思込んで
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
療養所は駅の少し手前、美しい丘の中腹に、絵の様に拡がっている
白堊
(
はくあ
)
の建物だ。車を門内に入れて、受附けに来意をつげると、
直様
(
すぐさま
)
院長室に通された。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
文治郎殿がお
失策
(
しくじり
)
で中々お聞入れがないから、手前に代ってお詫をしてくれと、何事にも恐れぬ文治郎殿が驚かれ、
顔色
(
かおいろ
)
変えて涙を浮べ頼みに参ったから
直様
(
すぐさま
)
出ましたが、どうか御了簡遊ばして
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彩牋堂記の拙文は書終ると
直様
(
すぐさま
)
立派な額にされたが新曲は遂に稿を脱するに至らずその断片は今でも机の
抽斗
(
ひきだし
)
に
蔵
(
しま
)
われてある。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
布引氏が
直様
(
すぐさま
)
交換局を呼出して、先方の電話の所を調べさせたのは云うまでもない。併し、その結果分ったことは、相手の非常な用心深さばかりであった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
久「
直様
(
すぐさま
)
思いのうおっ
晴
(
ぱら
)
し
候
(
そろ
)
、
巴蛇
(
あおだいしょう
)
の長文句
蠅々
(
はい/\
)
※」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
貴諭ノ如ク七年来悲歓得失御同然、
一晤
(
いちご
)
握手快談仕リ度ク、小官当地書画会相済ミ
直様
(
すぐさま
)
帰府ノ
心組
(
こころぐみ
)
ニ御座候。遠カラザル中拝眉仕ル
可
(
べ
)
ク候。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
直
常用漢字
小2
部首:⽬
8画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“直”で始まる語句
直
直接
直々
直衣
直垂
直截
直参
直義
直段
直下