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はくさん
ふりがな文庫
“
白山
(
はくさん
)” の例文
国境の山、赤く、黄に、
峰岳
(
みねたけ
)
を重ねて
爛
(
ただ
)
れた奥に、白蓮の花、玉の
掌
(
たなそこ
)
ほどに白く
聳
(
そび
)
えたのは、
四時
(
しじ
)
に雪を頂いて幾万年の
白山
(
はくさん
)
じゃ。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
うごめかして
白山
(
はくさん
)
の祭禮に勇を振ひて
女連
(
をんなづれ
)
の敵を驚かせしこと親父に追出されて信州の友を尋ね
矢鱈
(
やたら
)
婦人に思ひ付かれしこと智計を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
□安田
皐月
(
さつき
)
さんが
白山
(
はくさん
)
前町三八に水菓子店を開業なさいました。皐月さんの愛嬌がいゝ為めか繁昌してゐます。果物もたいへん結構です。
編輯室より:(一九一四年一一月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
「そら、あの真白い、おごそかな山が、北の方に高く
聳
(
そび
)
えておりましょう、御存じですかね、あれが加賀の
白山
(
はくさん
)
でございますよ」
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
白山
(
はくさん
)
に芸者家が出来たって云う
咄
(
はな
)
しだがあの辺はどうだ。
矢張
(
やっぱり
)
芸者家のある土地の方が
仕出屋
(
しだしや
)
や何かの便利がきくからね。」
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
中央部の日本では越前と飛騨と今は隠れたが美濃の北部とに、おのおの一つの大野郡があって、ほとんと
白山
(
はくさん
)
連峯の四周を取り囲んでいる。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
別れて出たては
至極
(
しごく
)
穩
(
おだや
)
かで、
白山
(
はくさん
)
あたりから通つて來る、或
大工
(
だいく
)
と懇意になつて、其大工が始終長火鉢の
傍
(
そば
)
に頑張つてゐた。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
章一は
白山
(
はくさん
)
に住む老婦人の
許
(
もと
)
へ往くところであった。こうした場合に章一の往く処はその女の許を
措
(
お
)
いて他にはなかった。
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
当時食を土蔵に運びなどした女が現存して、
白山
(
はくさん
)
御殿町に住んでゐるが、氏名を公にすることを欲せぬと云ふことである。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この頃は有力の佛者が諸所の山々を開いた時代で、
小角
(
をつぬ
)
が芳野を開き、
泰澄
(
たいちよう
)
が
白山
(
はくさん
)
を開いたのなどは
先蹤
(
せんしよう
)
をなしてゐる。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
小石川
(
こいしかわ
)
の
白山
(
はくさん
)
神社の坂を下りて登った処は本郷で、その辺を白山
上
(
うえ
)
といいます。今残っている高崎屋の傍から曲って来て、
板橋
(
いたばし
)
へ行く道になります。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
白山
(
はくさん
)
の裏とか、芝公園の中とか、銀座何丁目とか今までに名前を聞いたのは二三軒あるが、むやみに
流行
(
はや
)
るのは
山師
(
やまし
)
らしくって行く気にならず、と云って
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その後、大峰に三度、
葛城
(
かつらぎ
)
に二度、
高野
(
こうや
)
、
粉川
(
こがわ
)
、
金峰山
(
きんぷせん
)
、
白山
(
はくさん
)
、立山、富士の
嶽
(
たけ
)
、伊豆、箱根、信濃の
戸隠
(
とがくし
)
、出羽の羽黒など、日本全国くまなく廻り修行した。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
この事があってから三十年、天保初年頃には表具師幸吉加賀の
白山
(
はくさん
)
に籠り、益々飛行機の研究を積んで、鼓翼飛行から滑翔飛行機にまで発見を進めて居たのです。
天保の飛行術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ここでは丈の高い枯れた雑草の
蔭
(
かげ
)
などに深く積もったものは
量
(
かさ
)
が高くなるばかりで
越
(
こし
)
の
白山
(
はくさん
)
をそこに置いた気がする庭を、今はもうだれ一人出入りする下男もなかった。
源氏物語:15 蓬生
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
帰り、カゴ町の広い草っぱらで
螢
(
ほたる
)
が飛んでいた。かえり十二時。
白山
(
はくさん
)
まで長駆して歩いてかえる。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
佐々成政
(
さっさなりまさ
)
が、北国すじの
地侍
(
じざむらい
)
へたのんで、
白山
(
はくさん
)
の黒百合を取りよせて、北の政所へ献上した。
日本名婦伝:太閤夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは駒込
白山
(
はくさん
)
に住む
山路宗庵
(
やまじそうあん
)
と申す町医の娘を奥方から勧めて進ぜられたので、其の頃諸侯の
側室
(
めかけ
)
は奥様から進ぜらるゝ事でございますが、今は
然
(
そ
)
ういう事はないことで
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ただし
白山
(
はくさん
)
・
月山
(
がっさん
)
はそのままに取る。またシラブルの終わりのnは除外することにする。
火山の名について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
本郷
巣鴨
(
すがも
)
行や本郷
白山
(
はくさん
)
行の電車が、勢よく響を立てて赤門の方へ走つて行くのが見えたけれども、さうしてあれにさへ乗つて了へば、直ぐ木村の家へ行けるのだと思つたけれど
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
それは水野十郎左衛門が幡随長兵衛を小石川
白山
(
はくさん
)
の屋敷へ呼び寄せて、湯殿でだまし討にしたのが根となって、長兵衛の子分どもは唐犬権兵衛や放駒の四郎兵衛等を頭にいただいて
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あの遠く一塊の白い雲の下にあたる真白いのが
立山
(
たてやま
)
である事、遥かな西方に淡く浮びあがったのが加賀の
白山
(
はくさん
)
である事や、長い尾根続きの端に飛び
騰
(
あが
)
ったような嶺が笠ヶ岳である事や
案内人風景
(新字新仮名)
/
百瀬慎太郎
、
黒部溯郎
(著)
これに附和するもの漸く多きを致す傾向あるは
頗
(
すこぶ
)
る吾人の意を
獲
(
え
)
たり、しかも邦人のやや山岳を識るといふ人も、富士、
立山
(
たてやま
)
、
白山
(
はくさん
)
、
御嶽
(
おんたけ
)
など、三、四登りやすきを上下したるに過ぎず
山を讃する文
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
また、
指
(
さす
)
ヶ
谷
(
や
)
町にある
白山
(
はくさん
)
神社、これは小石川の総鎮守で神領三十石、神主
由井氏
(
ゆいし
)
奉祀
(
ほうし
)
す。祭るところの神は、
加賀
(
かが
)
の
白山
(
はくさん
)
に同じ、九月の二十一日がおまつりで、諸人群集、さかんなものである。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「お
父
(
とと
)
、また
白山
(
はくさん
)
が見える!」
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
小石川
白山
(
はくさん
)
、心光寺。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
国境の山、赤く、黄に、
峰
(
みね
)
嶽
(
たけ
)
を重ねて
爛
(
ただ
)
れた奥に、
白蓮
(
びゃくれん
)
の花、玉の
掌
(
たなそこ
)
ほどに白く
聳
(
そび
)
えたのは、
四時
(
しじ
)
に雪を頂いて
幾万年
(
いくまんねん
)
の
白山
(
はくさん
)
ぢや。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
陸中石巻の
白山
(
はくさん
)
神社、
磐城
(
いわき
)
倉石山の
水分
(
みくまり
)
神社、九州では薩摩串木野の
冠岳
(
かんむりだけ
)
(西)神社など、何れも旧来卯月八日を以て祭日としているのである。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
白山
(
はくさん
)
から来たと云って、
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
が手紙を持って、迎いに来ましたよ。
私
(
あっし
)
が取次いだんだから、間違いはありません」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
およそ
白山
(
はくさん
)
、白水谷を越えて、飛騨の国から、加賀へなり、越中へなり、出ようとする道は、道であって道でない。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そんなに手軽に雇っても、調べが行届いていて、割合に間違などはないのでした。その頃は曙町に住んでいましたので、請宿は
白山
(
はくさん
)
坂の中途にありました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
われ小石川
白山
(
はくさん
)
のあたりを過る時は、
必
(
かならず
)
本念寺に入りて
北山
(
ほくざん
)
南畆両儒の墓を弔ひ、また南畆が
後裔
(
こうえい
)
にしてわれらが友たりし
南岳
(
なんがく
)
の墓に
香華
(
こうげ
)
を
手向
(
たむ
)
くるを常となせり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
よしこれからはもう少し下品になってやろう。とくだらぬ事を考えながら柳町の橋の上まで来ると、水道橋の方から一
輌
(
りょう
)
の人力車が勇ましく
白山
(
はくさん
)
の方へ
馳
(
か
)
け抜ける。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
□
白山
(
はくさん
)
の有朋堂で、模範原稿用紙を売り出しました。気のきいた中型の使ひいゝ原稿用紙です。
編輯室より:(一九一五年三月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
そこからはるかに見渡すと、
漠
(
ばく
)
とした雲の海に加賀の
白山
(
はくさん
)
が
群巒
(
ぐんらん
)
をぬいて望まれる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孝助は新五兵衞と同道にて水道端を
立出
(
たちい
)
で
切支丹坂
(
きりしたんざか
)
から小石川にかゝり、
白山
(
はくさん
)
から
団子坂
(
だんござか
)
を
下
(
お
)
りて谷中の新幡随院へ参り、玄関へかゝると、お寺には
疾
(
と
)
うより孝助の来るのを待っていて
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
石川の邸は水道橋外で、今
白山
(
はくさん
)
から来る電車が、お茶の水を降りて来る電車と行き逢う
辺
(
あたり
)
の
角屋敷
(
かどやしき
)
になっていた。しかし伊織は
番町
(
ばんちょう
)
に住んでいたので、上役とは詰所で落ち合うのみであった。
じいさんばあさん
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
夕食後E君と
白山
(
はくさん
)
へ行って
蝋燭
(
ろうそく
)
を買って来る。TM氏が来て大学の様子を知らせてくれた。夜になってから大学へ様子を見に行く。図書館の書庫の中の燃えているさまが窓外からよく見えた。
震災日記より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
まして鵜川は、加賀国にその
由緒
(
ゆいしょ
)
も古い、
白山
(
はくさん
)
神社の末寺なのだ。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
白山
(
はくさん
)
の
泰澄
(
たいちょう
)
や
臥行者
(
がぎょうしゃ
)
も立派な魔法使らしい。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
矢張
(
やっぱ
)
り
白山
(
はくさん
)
が見える!」
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
汝
(
なんぢ
)
音
(
おと
)
にも
聞
(
き
)
きつらん、
予
(
よ
)
は
白山
(
はくさん
)
の
狩倉
(
かりくら
)
に、
大熊
(
おほくま
)
を
撲殺
(
うちころ
)
した
黒坂備中
(
くろさかびつちう
)
、
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
も
未
(
いま
)
だ
自分
(
じぶん
)
に
力
(
ちから
)
を
試
(
ため
)
さん、いざふれ
汝
(
なんぢ
)
と
力競
(
ちからくら
)
べをして
見
(
み
)
やうか。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
加賀では
白山
(
はくさん
)
の
麓
(
ふもと
)
の
大道谷
(
だいどうだに
)
の峠の頂上に、また二本杉と呼ばるる大木があって、これは有名なる
泰澄
(
たいちょう
)
大師が、昼飯に用いた箸を地にさしたといっております。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
宇津木兵馬と福松との
道行
(
みちゆき
)
は
彼
(
か
)
が如く、
白山
(
はくさん
)
に上ろうとして上れず、畜生谷へ落ち込まんとして落ち込むこともなく、峻山難路をたどって、その行程は
洒々落々
(
しゃしゃらくらく
)
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
近くの
白山
(
はくさん
)
神社の群から離れたのかも知れません。それがよく
馴
(
な
)
れて、卵をかえしたり、
雛
(
ひな
)
をはぐくんだりします。それを見せるといって、類さんを連れて来ました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「
白山
(
はくさん
)
の方にいるでしょう」ともう大丈夫と思ったから言い放って、老人の
気色
(
けしき
)
を伺うと
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頭の子音 Bh と B をドロップさせるのがおもしろい。一方でわが国に Buson という消火山のあるのはなおおもしろい。
白山
(
はくさん
)
の一峰を Bessan というのもこれに類する。
火山の名について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ちょうど十月の十五日の日でございます、浅草の観音へ参詣を致して、
彼
(
あ
)
れから下谷へ出まして本郷へ
上
(
あが
)
り、それから
白山
(
はくさん
)
へ出て、白山を流して
御殿坂
(
ごてんざか
)
を
下
(
お
)
り、
小石川極楽水自証院
(
こいしかわごくらくみずじしょういん
)
の和尚に逢って
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
みちみち
可懐
(
なつかし
)
い
白山
(
はくさん
)
にわかれ、
日野
(
ひの
)
ヶ
峰
(
みね
)
に迎えられ、やがて、越前の
御嶽
(
みたけ
)
の
山懐
(
やまふところ
)
に
抱
(
だ
)
かれた事はいうまでもなかろう。——武生は昔の
府中
(
ふちゅう
)
である。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夙
(
はや
)
く
白山
(
はくさん
)
と字音に呼ぶことになっており、これを
菊理媛
(
くくりひめ
)
の神の故事に結びつけた神道家の説も新らしいものではないが、今までの常識者はむしろ春深くまで
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“白山”の解説
白山(はくさん)は、日本の北陸地方、白山国立公園内の石川県白山市と岐阜県大野郡白川村にまたがる標高2,702mの活火山。両白山地の北部に位置する加越山地(加賀山地)の最高峰である。富士山、立山とともに日本三霊山の一つである。日本百名山、新日本百名山、花の百名山および新・花の百名山に選定されている。
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“白山”で始まる語句
白山一華
白山小桜
白山前町
白山比咩
白山御殿町
白山通
白山下
白山坂
白山桜
白山宮