留守居るすゐ)” の例文
是れへ差出せと申さるゝに本多家の留守居るすゐハツと答へて懷中くわいちうより取出し目安めやす方へ差出すを大岡殿の御覽に入目安方之を讀上る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ては半燒酎なほしむらたのんでひにつて、それをみながら大氣焔だいきえんく。留守居るすゐ女中ぢよちうけむまかれながら、ちやれてす。菓子くわしす。
うちでは御米およねきよれてくとかつて、石鹸入しやぼんいれ手拭てぬぐひくるんで、留守居るすゐたのをつとかへりけてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つかはさるべきお約束やくそくとや、それまでのお留守居るすゐまた父樣とうさまをりふしのお出遊いでに、人任ひとまかせらずは御不自由ごふじいうすくなかるべく、何卒なにとぞ其處そこまはせて、白波しらなみ浦風うらかぜおもしろく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
石橋いしばしわたしとがかはる/″\める事にして、べつ会計掛くわいけいがゝりを置き、留守居るすゐを置き、市内しない卸売おろしうりあるく者をやとそのいきほひあさひのぼるがごとしでした、ほかるゐが無かつたのか雑誌もく売れました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それからあつときにはいへうしろながれて清流せいりう身體からだきよめ、すゞしいときには留守居るすゐ水兵すいへい日出雄少年ひでをせうねん凖備ようゐしてれるこの孤島しまには不相應ふさうおう奇麗きれい浴湯よくたうはいつて、やがたのしい夕食ゆふしよくをはると
裁判さばきはてし控訴院こうそゐん留守居るすゐらのともあかり
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
のこし置しは不審ふしんなり追々吟味ぎんみに及ぶと言るゝ時下役の者そばより立ませいと聲をかくるに各々其日は下りけりかさねて大岡殿細川越中守の留守居るすゐを經て井戸源次郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れはりながらげてたのではい、めし掻込かつこんでおもてやうとするとお祖母ばあさんがおくといふ、留守居るすゐをしてるうちのさわぎだらう、本當ほんたうらなかつたのだからねと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
氣樂きらくでせうね。留守居るすゐなにかないでられたら」と御米およねつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むざ/\押止おしとゞめんも如何なれば願ひに任すべしさらば五ヶ年すぎて歸り來るまでは感應院へは留守居るすゐを置べし相違さうゐなく五ヶ年の修行しゆぎやうげ是非とも歸り來り師匠ししやうの跡目をつぎ給へとて名主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よしかへらずとて彼地あしこはお前樣まへさまのおやしきゆゑ、成長おほきうなりたまふまでのお留守居るすゐいまもおまうしたけれどそれこそさびしく、やにりて母樣かあさまこひしかるべし、なに柔順おとなしう成長おほきうなりたまへと
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どんな大至急だいしきふ要用えうようでもふうといふをつたことく、つまとは木偶でくのばうがお留守居るすゐしてるやうに受取うけとり一通いつゝう追拂おひはらつて、それは冷淡れいたんげていたものなれば、旦那だんなさまの御立腹ごりつぷくはでものこと
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
中姉樣ちうねえさま何時いつもお留守居るすゐのみしたまへば、ぼく我長おほきくならば中姉樣ちうねえさまばかり方々はう/″\れてきて、ぱのらまやなにかヾせたきなり、れは色々いろ/\いきたるやうきてありて、鐵砲てつぱうなにかも本當ほんたうやうにて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)