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きのう
ふりがな文庫
“
昨日
(
きのう
)” の例文
まだ
昨日
(
きのう
)
降
(
ふ
)
った
雨
(
あめ
)
の
水
(
みず
)
が、ところどころ
地
(
ち
)
のくぼみにたまっていました。その
水
(
みず
)
の
面
(
おもて
)
にも、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
は
美
(
うつく
)
しく
照
(
て
)
らして
輝
(
かがや
)
いていました。
幾年もたった後
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
昨日
(
きのう
)
聞いた時のように、今日もまた聞きたいものと、それとなく心待ちに待ちかまえるような事さえあるようになって来たのである。
鐘の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
京にいる平家一族の耳に入るのは、
今日
(
きょう
)
はどこの源氏が蜂起した、
昨日
(
きのう
)
は誰それが源氏に味方したというような知らせばかりである。
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
戎橋
(
えびすばし
)
の「おぐらや」で売っている山椒昆布と同じ位のうまさになると柳吉は言い、
退屈
(
たいくつ
)
しのぎに
昨日
(
きのう
)
からそれに掛り出していたのだ。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
お亡れになりましたのがまだ
昨日
(
きのう
)
のようにばかり思われまして、その時の悲しみが忘れられないのでございますが、数えてみますと
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
昨日
(
きのう
)
掃除しかけて帰った家には、石山氏に頼んで置いた
縁
(
へり
)
無しの新畳が、六畳二室に敷かれて、流石に人間の住居らしくなって居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
昨日
(
きのう
)
の尻は勿論の事、
一昨日
(
おととい
)
、
再昨日
(
さきおととい
)
……昨年、一昨年の尻が一時に固まって来る日だぞと覚悟して待っているとサア来るわ来るわ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
皆様
(
みなさん
)
お早う御座います」と挨拶するや、
昨日
(
きのう
)
まで
戸外
(
そと
)
に並べてあった炭俵が
一個
(
ひとつ
)
見えないので「オヤ炭は
何処
(
どっか
)
へ片附けたのですか」
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
嫁入盛りだの……はいお目出度う……
就
(
つい
)
てはソノ火急な事であって
嘸
(
さ
)
ぞ困ったろうが、
昨日
(
きのう
)
番頭が國綱のお刀を持って帰られたろうな
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌日彼は
朝飯
(
あさはん
)
の
膳
(
ぜん
)
に向って、煙の出る
味噌汁椀
(
みそしるわん
)
の
蓋
(
ふた
)
を取ったとき、たちまち
昨日
(
きのう
)
の唐辛子を思い出して、
袂
(
たもと
)
から例の袋を取り出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「小野さんたいへんご迷惑でしょう。時に、佐久間さんは
昨日
(
きのう
)
会社でいつもと違った怪しい素振りをして見えなかったでしょうか」
玉振時計の秘密
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「どうだこんなに大きい。
内紫
(
うちむらさき
)
というそうだ。
昨日
(
きのう
)
一つやってみたところ、なるほど皮の下は紫で美しい。味も
夏蜜柑
(
なつみかん
)
の比でないよ。」
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そのおさんが
昨日
(
きのう
)
足の裏を
咎
(
とが
)
めたのを気にしないでいたらば、熱が出て
腫
(
は
)
れあがったのを診察して、養生にかえすようにと言った。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
頃
(
ころ
)
しも一月の
初
(
はじめ
)
つ
方
(
かた
)
、春とはいへど名のみにて、
昨日
(
きのう
)
からの大雪に、野も山も岩も木も、
冷
(
つめた
)
き
綿
(
わた
)
に包まれて、寒風
坐
(
そぞ
)
ろに堪えがたきに。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
昨日
(
きのう
)
の事があったので燕は王子をこの上もないよいかたとしたっておりましたから、さっそく御返事をしますと王子のおっしゃるには
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
昨日
(
きのう
)
まで机を並べて勉強した学友の就職を傍観して、むなしく世を恨み、
自己
(
おのれ
)
を
詛
(
のろ
)
わねばならぬのです。なんたる悲惨なことでしょう。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「
昨日
(
きのう
)
は石を抱かされたとよ、三度も目を廻して、腰から下が寒天のように砕かれても、口を割らないそうだ、女の剛情なのは怖いぜ」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨日
(
きのう
)
、伯爵邸に数人の来客があって、西洋館三階の大広間で
晩餐
(
ばんさん
)
が供せられた。それが終って客の帰ったのが丁度九時頃であった。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ようこそお越し下されました。織田様お使者おいでに
就
(
つ
)
き、父に於きましても
昨日
(
きのう
)
以来、お待ち致しましてござります。
然
(
しか
)
るに……」
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは法則の通り
昨日
(
きのう
)
拵
(
こしら
)
えておいたスープの中へ二、三百目位な
雄鶏
(
おんどり
)
を丸のまま入れて塩をホンの少し加えて一時間ばかり
湯煮
(
ゆで
)
る。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「ああ、山国の
門附
(
かどづけ
)
芸人、誇れば、魔法つかいと言いたいが、いかな、さまでの事もない。
昨日
(
きのう
)
から御目に掛けた、あれは手品じゃ。」
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その四年間に「
一億同胞
(
いちおくどうほう
)
」のなかの彼らの生活は、彼らの村の山の姿や、海の色と同じように、
昨日
(
きのう
)
につづく今日であったろうか。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
『いや
今日
(
こんにち
)
は、おお
君
(
きみ
)
は
今日
(
きょう
)
は
顔色
(
かおいろ
)
が
昨日
(
きのう
)
よりもまたずッといいですよ。まず
結構
(
けっこう
)
だ。』と、ミハイル、アウエリヤヌイチは
挨拶
(
あいさつ
)
する。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
昨日
(
きのう
)
の
初雷
(
はつらい
)
できょうの陽ざしは一倍澄んでいる。又八は、まだ耳に新しい武蔵の言葉を思い
泛
(
う
)
かべ、ゆうべの酒を吐き出したくなった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
未だお昼前だのに来る人の有ろう
筈
(
はず
)
もなしと思うと
昨日
(
きのう
)
大森の家へ行って仕舞ったK子が居て呉れたらと云う気持が
一杯
(
いっぱい
)
になる。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
昨日
(
きのう
)
も
一昨日
(
おととい
)
も、社へも往かないで、ふざけてたのでしょ、彼奴も
酷
(
ひど
)
い奴だわ、あれで名流婦人だなんて、ほんとに
呆
(
あき
)
れるわ」
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
次
(
つぎ
)
の日学校の一時間目は
算術
(
さんじゅつ
)
でした。キッコはふとああ木ペンを持っていないなと思いました。それからそうだ
昨日
(
きのう
)
の変な木ペンがある。
みじかい木ぺん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
昨日
(
きのう
)
は泣き声を聞いているのも堪えられない気がした隣室の赤児、——それが今では何物よりも、敏子の興味を動かすのである。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
打捨
(
うっちゃ
)
るようにいった田代のそのいいかたのかげにすこしの狼狽のほのめくものがあった。そういえば——そういえば
昨日
(
きのう
)
でも……
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「あたくし
昨日
(
きのう
)
銀行からお手紙を頂きましたのでございますが、それには、何か新しい知らせが——いいえ、発見されましたことが——」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
昨日
(
きのう
)
だって、前川と美和子とが、一しょに店を出て行った後は、仕事も手につかないほど取乱していた自分が、自分で分っていたし……。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
兄の家では、大阪から見舞いに来ていた、××会社の重役である嫂の弟が、これも
昨日
(
きのう
)
山からおりて、今日帰るはずで立つ支度をしていた。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
子供の時分の事は最う大抵忘れて了ったが、不思議なもので、覚えている事だと、
判然
(
はっきり
)
と
昨日
(
きのう
)
の事のように想われる事もある。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「だって、お互いの気持ちさえ光風霽月ならベッドが並んでたってかまわないじゃないこと? そう
仰言
(
おっしゃ
)
ったじゃないの
昨日
(
きのう
)
」
謎の女
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
御存じだかどうだか知りませんが、甲州屋のなあちゃんが
昨日
(
きのう
)
から家出をして今にゆくえが知れないので、
家
(
うち
)
では大騒ぎをしているんです。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
昨日
(
きのう
)
までの
遊
(
あそ
)
びの
友達
(
ともだち
)
からは
遽
(
にわ
)
かに
遠
(
とお
)
のいて、
多勢
(
おおぜい
)
の
友達
(
ともだち
)
が
先生達
(
せんせいたち
)
と
縄飛
(
なわと
)
びに
鞠投
(
まりな
)
げに
嬉戯
(
きぎ
)
するさまを
運動場
(
うんどうじょう
)
の
隅
(
すみ
)
にさびしく
眺
(
なが
)
めつくした。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ボースンの返事のあるまで、水夫たちは、デッキへ上がって、なつかしき陸をながめ、
昨日
(
きのう
)
困らされた海を見入るのであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
彼は自分がそんなに迄あの屋根裏へ行きたがるのが、
昨日
(
きのう
)
とは全く違った動機からであることを、我ながら奇としないではいられなかった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それと同じことは
昨日
(
きのう
)
花岡一郎に聞いた。しかし、俺たちは粟も十分に貯えている。また銃器や弾薬もたっぷり手に入れる目算がついている。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
それで吉が今
身体
(
からだ
)
を妙にひねってシャッとかける、身のむきを元に返して、ヒョッと見るというと、丁度
昨日
(
きのう
)
と同じ位の暗さになっている時
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「うん、われわれも、
昨日
(
きのう
)
までは、そう思っていた。そう信じていたのじゃ。ところが、
昨日
(
きのう
)
になって、おどろくべき真相が曝露したのじゃ」
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なあ武どん、わたしももう
大分
(
だいぶ
)
弱いましたよ。去年のリュウマチでがっつり弱い申した。
昨日
(
きのう
)
お墓まいりしたばかいで、まだ肩腰が痛んでな。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
中村は手塚が
昨日
(
きのう
)
不良少女と活動写真館からでたのを見た、そうして後をつけていくと洋食屋へはいったというのであった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
すぐにその態度が変わり
昨日
(
きのう
)
まで
同僚
(
どうりょう
)
交際であった者を急に見下したり、にわかに
傲慢
(
ごうまん
)
尊大
(
そんだい
)
になる場合も僕はしばしば見た。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「恭一はな」と、
鶏
(
にわとり
)
に
餌
(
えさ
)
をやりに出てきたおばさんが、きかしてくれました。「ちょっとわけがあってな、
三河
(
みかわ
)
の親類へ
昨日
(
きのう
)
、あずけただがな」
小さい太郎の悲しみ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
四月十七日といえば
昨日
(
きのう
)
である。それから巴里発電報では、石井大使がポアンカレを訪うて懇談したことをも報じている。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それは殿様がお隠れになった当日から
一昨日
(
おとつい
)
までに殉死した家臣が十余人あって、中にも一昨日は八人一時に切腹し、
昨日
(
きのう
)
も一人切腹したので
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「ええ、お客様はおろか、
昨日
(
きのう
)
は郵便物もございませんでした。もっとも、いつだって、
此処
(
ここ
)
を訪ねて下さる方は、滅多にございませんが——」
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
昨日
(
きのう
)
は、私の部屋に据えてある古いオルガンで、正夫さんは、ほとんど終日、ブラームスや、ベートーヴェンなどをひいてきかせてくれました。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
あの人は
昨日
(
きのう
)
私に、あの人がたいへん信頼して協力者にしている例の学生を通じて、絹の靴下を贈り物にしてくれました。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
“昨日”の意味
《名詞》
昨日(きのう(熟字訓)、さくじつ)
今日より一日前の日。
(きのう)ごく近い過去。
(出典:Wiktionary)
“昨日”の解説
昨日
(出典:Wikipedia)
昨
常用漢字
小4
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“昨日”で始まる語句
昨日今日
昨日等
昨日迄
昨日少年今白頭