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振切
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ふりき
ふりがな文庫
“
振切
(
ふりき
)” の例文
と、いうことは
素気
(
そっけ
)
ないが、話を
振切
(
ふりき
)
るつもりではなさそうで、肩を
一
(
ひと
)
ツ
揺
(
ゆす
)
りながら、
鍬
(
くわ
)
の
柄
(
え
)
を返して
地
(
つち
)
についてこっちの顔を見た。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思わず
嚇
(
かっ
)
となって、彼は拳を固め人々を押分けて飛出そうとする。
背後
(
うしろ
)
から引留める者がある。
振切
(
ふりき
)
ろうと眼を
瞋
(
いか
)
らせて後を向く。
子若
(
しじゃく
)
と
子正
(
しせい
)
の二人である。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
柔
(
やはら
)
かき
人
(
ひと
)
ほど
氣
(
き
)
はつよく
學士
(
がくし
)
人々
(
ひと/″\
)
の
涙
(
なみだ
)
の
雨
(
あめ
)
に
路
(
みち
)
どめもされず、
今宵
(
こよひ
)
は
切
(
せ
)
めてと
取
(
と
)
らへる
袂
(
たもと
)
を
優
(
やさ
)
しく
振切
(
ふりき
)
つて
我家
(
わがや
)
へ
歸
(
かへ
)
れば、お
民
(
たみ
)
手
(
て
)
の
物
(
もの
)
を
取
(
と
)
られしほど
力
(
ちから
)
を
落
(
おと
)
して
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「まだ話があるけれども、実は僕の妻が君に逢いたいそうで待っているから、
替
(
かわ
)
る」というので、
振切
(
ふりき
)
るようにして友達の霊は無くなりまして、今度は細君が出て来た。
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と止める
手先
(
てさき
)
を
振切
(
ふりき
)
つて
戸外
(
そと
)
へ出る
途端
(
とたん
)
に、感が悪いから池の中へずぶり
陥
(
はま
)
りました。梅
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
その仔細を知らぬ番人夫婦は、余りお早いではありませんか、せめてモウ五六日、せめて殿様がお
出
(
いで
)
になるまで、と
詞
(
ことば
)
を尽して
抑留
(
ひきと
)
めたが、私はモウ気が気でない、無理に
振切
(
ふりき
)
って逃げて帰った。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
恋い慕うものならば、
馬士
(
うまかた
)
でも船頭でも、われら坊主でも、
無下
(
むげ
)
に
振切
(
ふりき
)
って
邪険
(
じゃけん
)
にはしそうもない、
仮令
(
たとえ
)
恋はかなえぬまでも、
然
(
しか
)
るべき返歌はありそうな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
物
(
もの
)
いはゞ
振切
(
ふりき
)
らんず
袖
(
そで
)
がまへ
嘲
(
あざけ
)
るやうな
尻目遣
(
しりめづか
)
ひ
口惜
(
くちを
)
しと
見
(
み
)
るも
心
(
こゝろ
)
の
僻
(
ひが
)
みか
召使
(
めしつか
)
ひの
者
(
もの
)
出入
(
でいり
)
のもの
指
(
ゆび
)
折
(
を
)
れば
少
(
すくな
)
からぬ
人數
(
にんず
)
ながら
誰
(
た
)
れ
一人
(
ひとり
)
として
我
(
わ
)
れ
相談
(
さうだん
)
の
相手
(
あひて
)
にと
名告
(
なのり
)
出
(
い
)
づるものなし
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と袖に
縋
(
すが
)
るのを
振切
(
ふりき
)
って
往
(
ゆ
)
きますから、おいさは
欄干
(
らんかん
)
に縋って重二郎を見送りしまゝ、ワッとばかりに泣き倒れました所へ、お兼が帰ってまいり、
漸々
(
よう/\
)
労
(
いた
)
わり
連立
(
つれだ
)
って
家
(
うち
)
へ帰りました。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
殊
(
こと
)
に
今朝
(
けさ
)
も
東雲
(
しのゝめ
)
に
袂
(
たもと
)
を
振切
(
ふりき
)
つて
別
(
わか
)
れやうとすると、お
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しや、かやうな
処
(
ところ
)
に
恁
(
か
)
うやつて
老朽
(
おひく
)
ちる
身
(
み
)
の、
再
(
ふたゝ
)
びお
目
(
め
)
にはかゝられまい、いさゝ
小川
(
をがは
)
の
水
(
みづ
)
となりとも
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
高
(
たか
)
が
胸先
(
むなさき
)
くつろげんとする
此時
(
このとき
)
はやし
間一髮
(
かんいつぱつ
)
、まち
給
(
たま
)
へとばかり
後
(
うしろ
)
の
藪垣
(
やぶがき
)
まろび
出
(
い
)
でゝ
利腕
(
きゝうで
)
しつかと
取
(
と
)
る
男
(
をとこ
)
誰
(
た
)
れぞ
放
(
はな
)
して
死
(
し
)
なしてと
脆弱
(
かよわ
)
き
身
(
み
)
にも
一心
(
いつしん
)
に
振切
(
ふりき
)
らんとするをいつかな
放
(
はな
)
さず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
可
(
よ
)
うない、
其
(
それ
)
が
可
(
よ
)
うない、お
前樣
(
まへさま
)
、」と
押附
(
おしつ
)
けに
言
(
い
)
つた
聲
(
こゑ
)
に、
振切
(
ふりき
)
つては
衝
(
つ
)
と
足
(
あし
)
の
出
(
で
)
ぬ
力
(
ちから
)
が
籠
(
こも
)
る。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
つと
立
(
た
)
ちて
部
(
へ
)
やの
外
(
と
)
へ
出給
(
いでたま
)
ふを、
追
(
お
)
ひすがりて
袖
(
そで
)
をとれば、
放
(
はな
)
さぬか
不埒者
(
ふらちもの
)
と
振切
(
ふりき
)
るを、お
前樣
(
まへさま
)
どうでも
左樣
(
さやう
)
なさるので
御座
(
ござ
)
んするか、
私
(
わたし
)
を
浮世
(
うきよ
)
の
捨
(
す
)
て
物
(
もの
)
になさりまするお
氣
(
き
)
か、
私
(
わたくし
)
は
一人
(
ひとり
)
もの
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
酉
(
とり
)
さまへ
諸共
(
もろとも
)
にと
言
(
い
)
ひしを
道
(
みち
)
引違
(
ひきたが
)
へて
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
の
方
(
かた
)
へと
美登利
(
みどり
)
の
急
(
いそ
)
ぐに、お
前
(
まへ
)
一
處
(
しよ
)
には
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れないのか、
何故
(
なぜ
)
其方
(
そつち
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
仕舞
(
しま
)
ふ、
餘
(
あんま
)
りだぜと
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
甘
(
あま
)
へてかゝるを
振切
(
ふりき
)
るやうに
物言
(
ものい
)
はず
行
(
ゆ
)
けば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“振”で始まる語句
振
振舞
振返
振袖
振向
振顧
振分
振廻
振翳
振子