意地悪いじわる)” の例文
旧字:意地惡
おそらく、二人ふたり若者わかものは、そのこえいたであろうけれど、自分じぶん意地悪いじわるさをこころじたのか、こちらをずにいってしまいました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その朝も早くから、土間の仕事場で意地悪いじわる親方おやかたにどなりつけられながら、トッテンカン、トッテンカンとやっていました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「もういいんだっていうのにさ。ゆるしてあげるっていってるじゃないか。母さんは、そんなに意地悪いじわるだと思ってるのかい?」
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
「伸ちゃんの意地悪いじわる! 私が誰のためにこんなことをしていると思うの? 私が好きでこんなことをしていると思うの?」
秘密の風景画 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
と、知らない風をよそおった。これは意地悪いじわるではなく、当分そうしておくのが、双方のためになると思ったからだ。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
子供連れて花見、潮干に出かける村のハイカラも稀にはある。浮かれてちょうが舞いはじめる。意地悪いじわるの蛇も穴を出る。空では雲雀ひばりがます/\勢よく鳴きつれる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
こっちから何かいいかけても返事もしてやらないぞというような意地悪いじわるな顔をしています。
僕の帽子のお話 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ラランのやつ意地悪いじわるうへうへへとペンペのあたまうへこえないふりしてんでいつた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
「小父さん、もう悲しまないでね。もう意地悪いじわるはしないよ。ゆるしておくれよ。僕は小父おじさんが大好きだ!」しかしかれはいえなかった。——そしていきなり小父おじうでの中にとびこんだ。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
そうした結末はやはり一つの口伝くでんの日の日は日半ひなかどれ」という、天気うらないのことわざを覚えてかえり、それを知らずにいた意地悪いじわるの友だちは、舟をくつがえして死ぬということになっている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
およいで行くことができたら一つの峯から次のいわへずいぶん雑作ぞうさもなく行けるのだが私はやっぱりこの意地悪いじわるい大きな彫刻ちょうこく表面ひょうめん沿ってけわしい処ではからだがえるようになり少しのたいらなところではほっといき
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、意地悪いじわる家鴨あひるかえすのでした。
なさけありげに見える意地悪いじわる
朝は、意地悪いじわる
女生徒 (新字新仮名) / 太宰治(著)
わたしたちが、せっかく、一をそこにあかそうとおもってまると、えだ意地悪いじわるく、夜中よなかに、わたしたちのからだすって、とそうとする。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
「でも僕、鍛冶屋へかえるのいやなんだよ。親方もおかみさんも意地悪いじわるで、しょっちゅうひどい目にあわせるんだもの。」
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「あの金博士の意地悪いじわるめ。僕は、英艦隊を一挙いっきょにして撃沈げきちんしたいため、うまうまと博士の見えいた悪戯いたずらに乗せられてしまったんだ。ちくしょう、ひどいことをしやがる」
けれど、まだ二、三意地悪いじわるいからすがのこっていて、どこへもらずに、とう屋根やねまって、けわしいをねらっていました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、まもなく、新吉しんきちがきえちゃんの身代みがわりになってげいをやったのだと知ると、どこまでも意地悪いじわるでつむじ曲がりの団長は、こんどはそのことを怒り出しました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
まえからいた金魚きんぎょは、相手あいてにならないで、やはりすましたふうでおよいでいますと、乱暴者らんぼうものは、ますます意地悪いじわるくそのあといかけたのです。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
いえ、わたしだけは、そんな意地悪いじわるではありません。だれでも、わたしえだにきてまってくだされば、ありがたくおもっています。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
先刻さっきまでまったくなかったかぜが、意地悪いじわるはじめて、寒気かんきつのり、なが北窓きたまどけてはいられませんでした。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かわいそうに、それをつれてゆくとか、ゆかぬとか意地悪いじわるをしてさ。」と、おねえさんは、なみだぐみました。
小さな弟、良ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、じっと自分じぶんをにらむ、意地悪いじわるそうな主人しゅじんおもいうかべました。また、自分じぶんいぬあるきつきにている、といってあざわら近所きんじょ子供こどもたちのかおえがきました。
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
純吉じゅんきちが、父親ちちおやほうると、おどろいたのでした。つばさはしれたあわれなからすを、仲間なかま意地悪いじわるく、れつなかからそうとして、みぎからも、ひだりからも、つついているのでした。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんで、そんな意地悪いじわるをするんですか。りにいくときは、道具どうぐをみんなちいさなおとうとたせるくせに、機嫌きげんよくつれていかれないのですか?」と、政二まさじくんにおっしゃいました。
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことわるのも、なんだか意地悪いじわるかんぜられるし、また、これまではなしたこともない、少年しょうねんが、おはじきをたずに、仲間なかまれてくれというのも、ずるいような、まちがっているような
友だちどうし (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、意地悪いじわるかぜだったのです。びればますますつよあらかぜはあたりました。
曠野 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぱっちりとしたで、一は、きっと時計とけいまるかおをながめましたが、くろい、ながはりると、お菓子かしのほしいときにも、意地悪いじわるをして、なかなかはやくはうごいてくれないことをおもって
時計とよっちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
うえ小僧こぞうさんが、意地悪いじわるをしていられない。」と、吉雄よしおは、うったえました。
子供はばかでなかった (新字新仮名) / 小川未明(著)
「すずめは、やさしいとりだから、意地悪いじわるなんかしないよ。」
山へ帰ったやまがら (新字新仮名) / 小川未明(著)