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尊
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みこと
ふりがな文庫
“
尊
(
みこと
)” の例文
と、
奥
(
おく
)
へいって持ってきたのは、ふるい二つの
仮面
(
めん
)
である。あおい
烏天狗
(
からすてんぐ
)
の
仮面
(
めん
)
を
蛾次郎
(
がじろう
)
にわたし、白い
尊
(
みこと
)
の
仮面
(
めん
)
を竹童にわたした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
代匠記には「中大兄ハ天智天皇ナレバ
尊
(
みこと
)
トカ
皇子
(
みこ
)
トカ
有
(
あり
)
ヌベキニヤ。傍例ニヨルニ
尤
(
もっとも
)
有
(
ある
)
ベシ。三山ノ下ニ目録ニハ御ノ字アリ。脱セルカ」
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
神話的に見るも日本には
伊弉諾
(
いざなぎ
)
、
伊弉冉
(
いざなみ
)
の両
尊
(
みこと
)
がこの民族の始祖たる如く、
基督
(
キリスト
)
教でいえばアダム、エブの二人が
吾人
(
ごじん
)
人類の始祖である。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
尊
(
みこと
)
はもう髪も髯も白くなった老人ではあるが、部落第一の学者でもあり、
予
(
か
)
ねてまた部落第一の詩人と云う名誉も
担
(
にな
)
っていた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
草薙
(
くさなぎ
)
の
剣
(
つるぎ
)
。
景行天皇
(
けいこうてんのう
)
の
御時
(
おんとき
)
に
東夷
(
とうい
)
多く
叛
(
そむ
)
きて国々騒がしかりければ、天皇、
日本武尊
(
やまとたけるのみこと
)
を
遣
(
つかわ
)
して之を討たしめ給う。
尊
(
みこと
)
、
駿河
(
するが
)
の国に到りし時……
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
僕は、——たとえば、
伊邪那岐
(
いざなぎ
)
の
尊
(
みこと
)
となって——死人のにおいがする薄暗い地獄の勝手口まで、女を追っているような気がして、家に帰った。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
先ず天狗道の開山として、天孫を導き奉った猿田彦の
尊
(
みこと
)
の流れとしては、鞍馬山の大僧正が何といっても日本天狗道の管長格でありましょう。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
色白く鼻の高い
尊
(
みこと
)
の面は貴族を代表し、
手拭
(
てぬぐい
)
で
頬冠
(
ほおかむり
)
をした、口のまがった、目っかちのひょっとこは農夫、もしくは一般の人民の顔を代表したもの。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かういふと、
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
ふ
方
(
かた
)
があるかも
知
(
し
)
れません。あなた
方
(
がた
)
の
御覽
(
ごらん
)
の
書物
(
しよもつ
)
には、たいてい
短歌
(
たんか
)
の
起
(
おこ
)
りを、
神代
(
かみよ
)
のすさのをの
尊
(
みこと
)
のお
作
(
さく
)
からとしてゐるでせう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
『
尊
(
みこと
)
のお
身代
(
みがわ
)
りとして
入水
(
にゅうすい
)
された
時
(
とき
)
の
姫
(
ひめ
)
のお
心持
(
こころも
)
ちはどんなであったろう……。』
祠前
(
しぜん
)
に
額
(
ぬかづ
)
いて
昔
(
むかし
)
を
偲
(
しの
)
ぶ
時
(
とき
)
に、
私
(
わたくし
)
の
両眼
(
りょうがん
)
からは
熱
(
あつ
)
い
涙
(
なみだ
)
がとめどなく
流
(
なが
)
れ
落
(
お
)
ちるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
故
(
かれ
)
天
(
あめ
)
の
御中主
(
みなかぬし
)
の神より
以下
(
しも
)
、
日子波限建鵜草葺不合
(
ひこなぎさたけうがやふきあへず
)
の
尊
(
みこと
)
より
前
(
さき
)
を上つ卷とし、
神倭伊波禮毘古
(
かむやまといはれびこ
)
の天皇より以下、
品陀
(
ほむだ
)
の御世より前
八
を中つ卷とし、
大雀
(
おほさざき
)
の
皇帝
(
すめらみこと
)
九
より以下
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
日本の
天輪王
(
てんりんおう
)
の
尊
(
みこと
)
などがあちらに行けば随分はやるだろうと思う位に迷信が盛んです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
右の騒ぎには、通船会社の船長が三人謝罪の為にやって来て、問題は
屡々
(
しばしば
)
国体観念に及ぶし、遂には哀れにも、「
伊邪那岐
(
いざなぎ
)
、
伊邪那美
(
いざなみ
)
」両
尊
(
みこと
)
までが引合いに出されると云う結果を見るに至った。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
十三弦は
暴風雨
(
あらし
)
を
招
(
よ
)
んで、
相模
(
さがみ
)
の海に荒ぶる、
洋
(
うみ
)
のうなりと、風雨の
雄叫
(
おた
)
けびを目の前に耳にするのであった。切々たる哀音は、
尊
(
みこと
)
を守って
海神
(
かいじん
)
に身を
贄
(
にえ
)
と
捧
(
ささ
)
ぐる
乙橘媛
(
おとたちばなひめ
)
の思いを伝えるのだった。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
カイコバアドの
尊
(
みこと
)
らのみ命をすら惜しまじを。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
尊
(
みこと
)
の夢は跡も無し
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
峰の
頂
(
いただき
)
、
伊弉諾
(
いざなぎ
)
の
尊
(
みこと
)
の
髪塚
(
かみづか
)
に立って、程近き
間道
(
かんどう
)
を手に手をとって、
国境
(
くにざかい
)
へ逃げてゆくふたりの姿を認めたのである。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おなじような
片歌
(
かたうた
)
の
話
(
はなし
)
が、やまとたけるの
尊
(
みこと
)
にもあります。この
尊
(
みこと
)
東國
(
とうごく
)
平定
(
へいてい
)
の
時
(
とき
)
、
甲斐
(
かひ
)
の
國
(
くに
)
酒折
(
さかをり
)
の
宮
(
みや
)
に
宿
(
やど
)
られて、
火
(
ひ
)
を
燃
(
もや
)
してゐた
翁
(
おきな
)
に、いひかけられました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「あれあ神主がいう
高天
(
たかま
)
が原たい。高天が原に神づまり
在
(
ま
)
しますかむろぎ、かむろぎの
尊
(
みこと
)
——オ……」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何でも天地
開闢
(
かいびゃく
)
の
頃
(
ころ
)
おい、
伊弉諾
(
いざなぎ
)
の
尊
(
みこと
)
は
黄最津平阪
(
よもつひらさか
)
に
八
(
やっ
)
つの
雷
(
いかずち
)
を
却
(
しりぞ
)
けるため、桃の
実
(
み
)
を
礫
(
つぶて
)
に打ったという、——その
神代
(
かみよ
)
の桃の実はこの木の枝になっていたのである。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日並
(
ひなみし
)
の
皇子
(
みこ
)
の
尊
(
みこと
)
の
馬
(
うま
)
並
(
な
)
めて
御猟立
(
みかりた
)
たしし
時
(
とき
)
は
来向
(
きむか
)
ふ 〔巻一・四九〕 柿本人麿
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この
名高
(
なだか
)
い、すさのをの
尊
(
みこと
)
のお
歌
(
うた
)
は、
實
(
じつ
)
は、よく
意味
(
いみ
)
がわからないのです。でも
普通
(
ふつう
)
はかう
説明
(
せつめい
)
してゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
のみならず
尊
(
みこと
)
は彼ばかりでなく、すべて人間を殺すと云う事に、極端な
嫌悪
(
けんお
)
を抱いていた。——
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
つまるところ、その滝壺の底にはイザナギ、イザナミの
尊
(
みこと
)
以来、沈澱している砂金が、計算してみると四百億円ぐらいは在るらしい……というのだ。エライ事を考えたもんだ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
といって、
蒲団
(
ふとん
)
のなかから躍りだしたのは、
尊
(
みこと
)
の
仮面
(
めん
)
をつけて寝ていた
竹童
(
ちくどう
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも巨旦の妻の気もちや父を殺した後の巨旦の気もちは恐らくは現世にも通用するであらう。まして
素戔嗚
(
すさのを
)
の
尊
(
みこと
)
の恋愛などは恐れながら有史以来少しも変らない××である。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父に感謝し、次には、尊い大叔母君、其から見ぬ世の
曾祖母
(
おおおば
)
の
尊
(
みこと
)
に、何とお礼申してよいか、量り知れぬものが、心にたぐり上げて来る。だがまず、父よりも誰よりも、御礼申すべきは、み仏である。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「十一人!
尊
(
みこと
)
は部落の旧習に全然無頓着で御出でなさる。第一の
妃
(
きさき
)
が御なくなりなすつたのに、十一人しか
黄泉
(
よみ
)
の御供を御させ申さないと云ふ法があらうか? たつた皆で十一人!」
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この連中は彼の味方が、彼を首領と仰ぐように、
思兼尊
(
おもいかねのみこと
)
だの
手力雄尊
(
たぢからおのみこと
)
だのと云う
年長者
(
ねんちょうじゃ
)
に敬意を払っていた。しかしそれらの
尊
(
みこと
)
たちは、格別彼に敵意らしい何物も持っていないらしかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“尊”の意味
《名詞》
(ソン)中国古代の酒器。
(みこと)神や神格化された人物に付ける敬称。
(出典:Wiktionary)
尊
常用漢字
小6
部首:⼨
12画
“尊”を含む語句
尊敬
尊重
尊者
日本武尊
素盞嗚尊
尊澄
天真宗豊祖父尊様
尊体
足利尊氏
本尊
尊氏
武尊
尊崇
尊王攘夷
唯我独尊
地蔵尊
素戔嗚尊
自尊心
伊弉諾尊
尊公
...