充分じうぶん)” の例文
「高木勇名の方で、機先を制して城彈三郎を討つたといふ疑ひは充分じうぶんにあるわけだが、大病人が平右衞門町まで行くのはをかしい」
自己じこ現在げんざいつて經濟界けいざいかいつと變化へんくわしてるにかゝはらずれにたいして充分じうぶん理解りかいのないのがむしろより重大ぢうだいなる原因げんいんである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
稽古けいこ引取ひきとつてからでも充分じうぶんさせられるから其心配そのしんぱいらぬこと兎角とかくくれさへすれば大事だいじにしてかうからとそれそれのつくやう催促さいそくして
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
余は室内しつないには大小種々のたなの有りし事をしんずる者なり。入り口の他にも數個すうこまど有りしなるべければ、室内しつない充分じうぶんあかるかりしならん。(續出)
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
たるれい想像さうぞうぎるので、加瀬貝塚かせかひづか疑問ぎもんをして、一そうつよからしめる論證ろんしようとするにはらぬけれども、一おう參考さんかうとするには充分じうぶんだらうとおもうのである。
あいちやんのためには勿怪もツけさいはひちひさな魔法壜まはふびんいま充分じうぶん其功能そのこうのうあらはしをはつたので、あいちやんもうこれよりおほきくはなりませんでした、が、それは非常ひじよう不愉快ふゆくわい
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しかしながら、ながくわがくに慣用くわんようされた歴史れきしのあるわが國語こくごは、充分じうぶんにこれを尊重そんてうせねばならぬ。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
如何にも受取うけとられぬことて見れば兎にも角にも其金の出所があやしいと云つゝ充分じうぶん心の中にゑみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
然ういふ俺も、其毒惡どくあくな空氣の中へ飛込んで奮闘ふんとうしやうといふんだが、武裝ぶそう充分じうぶんかな?
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
みぎくち合計がふけいするときは四億圓おくゑん在外資金ざいぐわいしきん保有ほいうする次第しだいであつて、金解禁きんかいきん準備じゆんびとしては充分じうぶんであるとかんがへるのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
だが、狙はれて居るのは自分と思はせるには充分じうぶんさ。次は花見船の毒だ、倉賀屋と大寺源十郎くらゐを殺し、自分も少しは毒に中つたやうな顏を
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
今後女子にして遮光器しやくわうきを着けるが如き形の土偶發見はつけんさるる事有るやも知らざれど、余は前項ぜんかうの覆面が充分じうぶん遮光器の用を爲せしならんとかんがふるなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
れがおまへふことなぞをくものか?』とつてあいちやんは、(此時このときまでにおほきくなれるだけ充分じうぶんおほきくなつてゐました)『おまへ骨牌カルタ一組ひとくみぎないではないか!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さめ而して後に前段の落着らくちやくの場を見たまはゞ宛然さながら越前守を目前にみるが如きの思ひある可し然れども編者がふでにぶき上緒數ちよすう毎回まいくわいかぎりあれば其情そのじやう充分じうぶんうつす事がたし恐らくはつのきつて牛を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ルネツサンス以後いごろんずるにらない。しかるに東洋方面とうやうはうめんとく印度いんどなどはすべてが渾然こんぜんたる立派りつぱ創作さうさくである。日本にほんではあま發達はつたつしてなかつたが、今後こんご發達はつたつさせようとおもへば餘地よち充分じうぶんある。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
また有力いうりよくなる銀行團ぎんかうだん援助ゑんじよもとめることは、充分じうぶん了解れうかい事實じじつあらは意味いみおいもつと必要ひつえうかんがへてクレデイツトの設定せつてい交渉かうせふ開始かいししたのであるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
二人の娘はまだほんの子供ですが、境遇の關係で充分じうぶんに人馴れてをり、かうまで持ちかけられると、初戀の話でも、ツイ打ちあける氣になつたことでせう。
思ふにコロボックルは數人連合し互にあひたすけて獸獵に從事し、此所彼所ここかしこより多くの矢を射掛ゐかけ、鹿なり猪なり勢おとろへて充分じうぶんはしる事能はざるに至るを見濟みすまし
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
それはたとへば堂塔だうたふ伽藍がらんつく場合ばあひに、巨大きよだいなるおも屋根やねさゝへる必要上ひつえうじやう軸部ぢくぶ充分じうぶん頑丈ぐわんぜうかためるとか、宮殿きうでんつく場合ばあひに、その格式かくしきたもち、品位ひんゐそなへるために、優良いうれうなる材料ざいれうもち
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ねこいまそれで充分じうぶんだとおもつたか、もうそれ以上いじやう姿すがたせませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
充分じうぶんかしこさうでも、強さうでもあるのですが、何の因果いんぐわか生れ付きの臆病者で、——『腰拔けのくせに勇吉とはこれ如何に?』——などと、のべつに朋輩ほうばい衆から揶揄からかはれて居る厄介者だつたのです。
これは充分じうぶん考究かうきうしてもらひたいものである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)