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鴫
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しぎ
ふりがな文庫
“
鴫
(
しぎ
)” の例文
と
狡
(
さか
)
しげな
目
(
め
)
を
光
(
ひか
)
らして
云
(
い
)
つた。
鴫
(
しぎ
)
も
鳩
(
はと
)
も、——
此處
(
こゝ
)
に
其
(
そ
)
の
獲
(
え
)
ものの
數
(
かず
)
さへ
思
(
おも
)
つたのは、
車夫
(
しやふ
)
が
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
言葉
(
ことば
)
の
記憶
(
きおく
)
である。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大草原
(
パンパス
)
で
鴫
(
しぎ
)
か
鷭
(
ばん
)
でも撃って、保養してこようではないかと二人で話し合って、御覧のごとく、猟装で銃なぞを携えてまいった次第であります。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
パテーの通りでモット大きく拵えてその中へ
鴫
(
しぎ
)
の肉だの鴨だの、鳥のササ身だののお料理を詰めたのが先刻申したオロアンという上等の肉料理です
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
稀には何処から迷い込んだか洋服ゲートルの猟者が
銃先
(
つつさき
)
に
鴫
(
しぎ
)
や
鵯
(
ひよ
)
のけたゝましく鳴いて飛び立つこともあるが、また直ぐともとの寂しさに返える。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
別役
(
べっちゃく
)
の姉上が来て西の
上
(
あが
)
り
端
(
はな
)
で話していたら要太郎が台所の方から自分を呼んで裏へ
鴫
(
しぎ
)
を取りに行かぬかと云う。
鴫つき
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
その肉を喰ふて見たらば
鴫
(
しぎ
)
のやうな味がしてそれで余り
旨
(
うま
)
くなかつたが、その肉の油で揚物をこしらへて見たらこれはまた非常に旨かつたといふ事である。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
連
(
つ
)
れて林をひと廻りしてくる。
鴫
(
しぎ
)
を追い立てるんだ。いいか、ピイピイって声がしたら、耳を立てろ。それから眼をいっぱいに
開
(
あ
)
けろ。鴫が頭の上を通るからな
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
加波山で猟れた鹿らしく鹿島の猟で採れた
鰒
(
あわび
)
、
新治
(
にいばり
)
の野で猟れた、
鴫
(
しぎ
)
、那珂の川でとれたという、
蜆貝
(
しじみがい
)
。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
林を縫って細流が蛇行し、
板塀
(
いたべい
)
の外へと流れ出ている。板塀の外は「沼」と呼ばれる湿地で、
蘆荻
(
ろてき
)
や
蒲
(
がま
)
が密生してい、冬になると
鴨
(
かも
)
や
雁
(
がん
)
や
鴫
(
しぎ
)
、
鷭
(
ばん
)
などが集まって来る。
薊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
春
(
はる
)
まけて
物
(
もの
)
がなしきにさ
夜
(
よ
)
更
(
ふ
)
けて
羽
(
は
)
ぶき
鳴
(
な
)
く
鴫
(
しぎ
)
誰
(
た
)
が
田
(
た
)
にか
住
(
す
)
む 〔巻十九・四一四一〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
流
(
なが
)
し
素人連中
(
しろうとれんぢう
)
にも
上手
(
じやうず
)
の人々は我も/\と
聲
(
こゑ
)
自慢
(
じまん
)
もあれば又
節
(
ふし
)
自慢
(
じまん
)
もあり最も
賑
(
にぎ
)
はふ其が中に今宵城富は
國姓爺合戰
(
こくせんやかつせん
)
鴫
(
しぎ
)
と
蛤
(
はまぐり
)
の
段
(
だん
)
を語りけるに
生得
(
しやうとく
)
美音
(
びおん
)
の事なれば
座中
(
ざちう
)
鳴
(
なり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
東北地方の多くの宇田という地名には注意せられぬまでも、
鴫
(
しぎ
)
わな張ると大昔の歌にもある大和の
菟田県
(
うたのあがた
)
などは、田の字にウを添えた一つの種別とはどうして決められたか。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
土産
(
みやげ
)
といえば、浪さん、あれは……うんこれだ、これだ」と浪子がさし出す盆を取り次ぎて、母の前に差し置く。盆には
雉子
(
きじ
)
ひとつがい、
鴫
(
しぎ
)
鶉
(
うずら
)
などうずたかく積み上げたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
何
(
なに
)
しろ
秋口
(
あきぐち
)
から
冬
(
ふゆ
)
へ
掛
(
か
)
けて
鴫
(
しぎ
)
なぞを
打
(
う
)
ちに
行
(
ゆ
)
くと、どうしても
腰
(
こし
)
から
下
(
した
)
は
田
(
た
)
の
中
(
なか
)
へ
浸
(
つか
)
つて、二
時間
(
じかん
)
も三
時間
(
じかん
)
も
暮
(
く
)
らさなければならないんですから、
全
(
まつた
)
く
身體
(
からだ
)
には
好
(
よ
)
くない
樣
(
やう
)
です
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
田圃
(
たんぼ
)
の
鴫
(
しぎ
)
が
何
(
なに
)
に
驚
(
おどろ
)
いたかきゝと
鳴
(
な
)
いて、
刈株
(
かりかぶ
)
を
掠
(
かす
)
めるやうにして
慌
(
あわ
)
てゝ
飛
(
とん
)
で
行
(
いつ
)
た。さうして
後
(
のち
)
は
白
(
しろ
)
く
閉
(
とざ
)
した
氷
(
こほり
)
が
時々
(
ときどき
)
ぴり/\と
鳴
(
なつ
)
てしやり/\と
壞
(
こは
)
れるのみで
只
(
たゞ
)
靜
(
しづ
)
かであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
鴫
(
しぎ
)
立つ澤の秋の夕ぐれ」などといふ歌をよむと、昔の厭世主義者の詩境がよくわかる。
田端に居た頃:(室生犀星のこと)
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そして、この絵に対して、ひょうびょうとしてくるうちには、千二百年前の漁村に身をひきもどされて、
鴫
(
しぎ
)
の声を耳に寒々と夕がたの飯など思う天平の庶民の一人にいつか自分がなっている。
正倉院展を観る
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ボートのところまで下りて行かれようか? 私を真先に見つけた奴が
鴫
(
しぎ
)
の首でもひねるように私をひねり殺しはしないだろうか? 私が姿を見せないそのことが彼等には私が彼等を恐れていることの
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
暮近き日あし
選
(
え
)
り来て田の
縁
(
へり
)
に
出
(
で
)
てゐる
鴫
(
しぎ
)
か
此方
(
こちら
)
向けるは
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あわただしく飛びゆくは
鴫
(
しぎ
)
、かの
葦間
(
あしま
)
よりや立ちけん。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
餌
(
え
)
にあかぬ
鴫
(
しぎ
)
の鳴く音も絶えにけり。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鴫
(
しぎ
)
がゆふべ啼いた
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
声を掛けようかと思ったが鳥を驚かしてはならぬと思うて控えていると果然
鴫
(
しぎ
)
は立った。要太郎は舌打ちをしたと云う風であったが
此方
(
こっち
)
を見て高く笑うた。
鴫つき
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その日の宰領をしたのは物頭の和泉五郎兵衛という者で、獲物は鴨六百羽、
鴫
(
しぎ
)
その他が八十羽ということであった。それから、獲物を
料理
(
りょう
)
った膳が配られて、小酒宴が催された。
若き日の摂津守
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何しろ秋口から冬へ掛けて
鴫
(
しぎ
)
なぞを打ちに行くと、どうしても腰から下は田の中へ
浸
(
つか
)
って、二時間も三時間も暮らさなければならないんですから、全く
身体
(
からだ
)
には好くないようです
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
シチューの方は小鳥類でも
水禽
(
みずとり
)
でも獣でも何の肉でも適当しないものはありません。鳩でも鶉でも
鴫
(
しぎ
)
でも鴨でも猪、鹿、熊、猿に至るまでシチューにすると大層
美味
(
おい
)
しくなります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ある店では、紋のついた油障子の蔭から、赤い
蟹
(
かに
)
や大粒の
蛤
(
はまぐり
)
を表に見せていた。ある店では、ショウウィンドーの中に、
焼串
(
やきぐし
)
に
鴫
(
しぎ
)
を刺して
赤蕪
(
あかかぶ
)
や
和蘭芹
(
オランダぜり
)
と一しょに皿に並べてあった。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
大草原
(
パンパス
)
に程近きボカス・デルトーロの村へ招かれたのを幸い、
鴫
(
しぎ
)
か
鷭
(
ばん
)
でも撃つつもりであったとみえて、これも州当局によって招かれた同じく交換教授として来朝中の海洋学の権威
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
天平勝宝二年三月一日、大伴家持が、「
飜
(
と
)
び
翔
(
かけ
)
る
鴫
(
しぎ
)
を見て」作った歌である。一首の意は、春になって何となく憂愁をおぼえるのに、この
夜更
(
よふけ
)
に羽ばたきをしながら鴫が一羽鳴いて行った。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
年ごとの秋の
出水
(
でみず
)
に、この
界隈
(
かいわい
)
は、やたらに池や小川ができ、かせぐ親たちから目のかたきにされている子の
餓鬼
(
がき
)
たちが、
鴫
(
しぎ
)
にわなをかけたり、釣をしているかと見れば、
疫痢
(
えきり
)
の病人を家にもつ女が
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、銃猟に——
鴫
(
しぎ
)
かい、
鴨
(
かも
)
かい。」
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鴫
(
しぎ
)
遠く
鍬
(
くは
)
すゝぐ水のうねりかな
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
鴫
(
しぎ
)
La Bécasse
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
鴫
(
しぎ
)
がゆふべ啼いた
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
... ロースにすれば林檎のソースは
要
(
い
)
りません」猟天狗「鶉や
鴫
(
しぎ
)
の腹へ雁の肝を ...
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
もはや、
鴫
(
しぎ
)
や
鷭
(
ばん
)
どころではありませぬ。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
鴫
(
しぎ
)
遠く
鍬
(
くわ
)
すゝぐ水のうねりかな
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
鴫
(
しぎ
)
が来て啼く
野口雨情民謡叢書 第一篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
最初の
鴫
(
しぎ
)
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
鴫
(
しぎ
)
の鳥ならば
野口雨情民謡叢書 第一篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
“鴫(シギ科)”の解説
シギ科(シギか、Scolopacidae)はチドリ目に属する科。模式属はヤマシギ属。
なお、シギを意味する漢字には「鷸」(漢:イツ、呉:イチ)や「鴫」があるが、鴫という文字は奈良時代に日本で形成された国字である。
(出典:Wikipedia)
鴫
漢検準1級
部首:⿃
16画
“鴫”を含む語句
鴫立沢
鴫居
鴫田
鴫焼
山鴫
田鴫
鴫野
鴫沢
黄脚鴫
鴫駝鳥
鴫野今福
鴫蔵
鴫肉
鴫羂
鴫立
鴫突
鴫澤主水
鴫澤
鴫沢隆三
鴫沢一家
...