あざみ
加川銕太郎は机に向って坐り、ぼんやりと庭のほうを眺めていた。部屋の片方では弟の佐久馬が、本箱を前にして書物の整理をしていた。 「またですか」と云う妻の声がした、「またいつものことを考えていらっしゃるのね」 銕太郎は黙っていた。 彼は両の肱で …
作品に特徴的な語句
目見めみえ 家中かちゅう ひさし 惘然もうぜん がん 些細ささい 仇名あだな 仔細しさい おっ 信俊のぶとし 側女そばめ 公事くじ こお もた 刺戟しげき 勾配こうばい 半刻はんとき かえ 参覲さんきん ども 吃驚びっくり つぶや うめ おし のど あえ 嘲弄ちょうろう 夕餉ゆうげ 太息といき 太腿ふともも おど なま 定宿じょうやど 宿直とのい 寝衣ねまき 寝間ねま 屏風びょうぶ きっ 崖下がけした 御側おそば 愛嬌あいきょう たし おお 掻巻かいまき 撫子なでしこ さら 書肆しょし 板塀いたべい とげ ゆが 溜息ためいき あふ あお ほのお 片膝かたひざ 狼狽ろうばい 猿戸さるど きず 痙攣けいれん 盲目めくら 築山つきやま こも つんぼ 股立ももだち ひじ 良人おっと すすき 苛立いらだ 苦悶くもん しお がま 蒼白あおじろ あざみ 藩主はんしゅ 蘆荻ろてき えり たもと はかま ふすま たすき のぞ 誹謗ひぼう くど たと 貴方あなた からだ 躰臭たいしゅう はずか 追従ついしょう さえぎ 酒肴しゅこう 陽溜ひだま