“秋口”の読み方と例文
読み方割合
あきぐち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かすかな暗示が津田の頭にひらめいた。秋口あきぐちに見る稲妻いなずまのように、それは遠いものであった、けれども鋭どいものに違なかった。それは父の品性に関係していた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、野見さん父子はさっぱりしたもので、これが興業ものにはありがちのことで、一向悔やむには当りません。いずれ、秋口あきぐちになって、そろそろ涼風すずかぜの吹く時分一景気附けましょう。
秋口あきぐちになるほど追ひ/\寸が伸びるのであるが、小さいうちは塩焼にもフライにも都合が悪いので、素焼きにして二杯酢に漬け、苼莪しょうがを刻んだのをかけて、骨ごと食べるより仕方がない。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)