“鮨:すし” の例文
“鮨:すし”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花17
吉川英治4
島崎藤村4
泉鏡太郎4
徳田秋声2
“鮨:すし”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 地理・地誌・紀行 > アジア50.0%
芸術・美術 > 演劇 > 演劇史 各国の演劇3.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それは僕の母と二人で箪笥たんすを買いに出かけたとか、すしをとって食ったとか云う、瑣末さまつな話に過ぎなかった。
点鬼簿 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
傍にはささばかり残った食べ荒しのすしの皿やからになったどんぶりのようなものがほうり出されてあった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いかにこじつけたくても、フィンランドの鳥獣と東京の高襟ハイカラや、江戸前のすしとを連結すべき論理の糸は見つからない。
近所のすしを取った処で、てんぷら蕎麦そばにした処で、びん長鮪ながまぐろ魚軒さしみごときで一銚子といった処で
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのお絹の持って来たすしで弥三郎は殺されたのです。平次はこれだけの事を探ると、深々と手をこまぬいて考え込みました。
濠ばた沿いに飯田町へ出て、小石川御門の方へ曲ろうとするところに、煮込にこみおでんと、すしの屋台が二軒見えた。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
亭主は、こはだのすしを売りに歩いている、階下したには、内儀かみさんが、小僧相手に、こはだの小骨を、毛抜きで抜いていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菓子と弁当とすしと、いわゆるかべすの三種揃って一人前二十二銭、しかもそれは上等の部で、中等は三種揃って十七銭というのであった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すしを少しばかりおごって、茶呑み話にごまかしていながら、お庄はしみじみした話もしずに、やがてそこを出た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すし香気かおりぷんとして、あるが中に、硝子戸越ガラスどごしくれないは、住吉の浦の鯛、淡路島のえびであろう。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
印度インド人がカレイドライスを指で味わい、そば好きがそばを咽喉のどで味わい、すしはしで喰べない人のあるのは常識である。
触覚の世界 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
まだそのほかに小僧の五、六人も居るというような訳ですから、すしめるように詰めても寝られんで、外へ寝て居るやつもある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
毎日、稼ぎに出ていながら、湯にも行かずすしの立食いにも出かけず、粉煙草をハタいて、ふさぎこんでいる。
醤油仏 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この汽車は新橋を昨夜九時半にって、今夕こんせき敦賀に入ろうという、名古屋では正午ひるだったから、飯に一折のすしを買った。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お雪、すしでも取りにやっておくれ。それから、お前も話しに来るが可い」と三吉は妻の居る処へ来て言った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
西瓜売りやすし売りの呼び声や、また、夜歩きに出た旅人の浴衣ゆかたの群れなど——さすがに江戸のような新開地的なあわただしさと違って
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どんぶりすしや蜜柑のやうなものが、そつち此方こつちに散らばつて、煙が濛々もう/\してゐた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
道庵はそれを見ながら、与八を相手にあたりかまわず無茶を言っては、すし饅頭まんじゅうを山の如く取って与八に食わせ、自分も食いながら、
汽車がついたと見えて、此処ここまで聞ゆるは、のんきな声、お弁当はよろし、おすしはいかゞ。……
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『ようございますとも、御ゆっくりお使いなさい。けれど、余り騒ぎが大きいと、いくら自身番でも、おすしじゃ黙っていられなくなりますからね』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下町気質したまちかたぎよりは伝法でんぼうな、山の手には勿論縁の遠い、——云わば河岸のまぐろすしと、一味相通ずる何物かがあった。
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もっともその娘は、ある女のように坊主だまして還俗げんぞくさせてコケラのすしでも売らしたいというような悪い考えでもなかったでしょう。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
すしもありますぜ」と猪之が云った、「まあ来て下さい、じつはちょっと話したいこともあるんだから」
彼はまた自分の分として取りけられたにぎすしをしきりに皿の中からつまんで食べた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山家の春は短いもので、すし田楽でんがくよ、やれそれと摺鉢すりばちを鳴しているうちに、若布売わかめうりの女の群が参るようになります。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
幕間まくあいには五銭の弁当や、三銭のすしや、一銭五厘の駄菓子や塩せんべいなどを売りに来た。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
——土耳古人におすしもおかしい、が、ビスケットでもあるまいから、煎餅せんべいなりと、で、心づけをして置いて、……はねると直ぐに楽屋で会った。
お雪は姉の馳走ちそうに取寄せた松のすしなぞを階下したから運んで来た。子供が上って来ては、客も迷惑だろうと、お雪はあまり話の仲間入もしなかった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
りやなんだとおもつたら、すしだよ」と一人ひとりばあさんがいへば
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しやうときでも、すしだ、天麩羅てんぷらだつてふんですから。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
電気行灯でんきあんどんの灯の下に、竃河岸へっついがしの笹巻のすしが持出された。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
……今夜、五日目の大入おおいりねたあとを、すずみながら船を八葉潟やつばがたへ浮べようとして出て来たのだが、しこみもののすし煮染にしめ
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
性懲しょうこりもなく、江戸前の飲食店だの、団十郎芝居だの、千種ちぐさ腿引ももひきだの、緋羅紗ひらしゃの煙草入れだの、すしはこう食うのがオツだのと
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あゆすし 秋付録 米料理百種「日本料理の部」の「第四十六 あゆの鮨」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ウグイのすし 秋付録 米料理百種「日本料理の部」の「第四十七 うぐいの鮨」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
……さて、やがて朝湯から三人が戻って来ると、長いこと便所に居た熊沢も一座で、また花札をもてあそぶ事になって、朝飯はすしにして、湯豆腐でちょっと一杯、と言う。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すしだとか、天ぷらだとか、そういうことも詳しく知っているとはいえない。
日本橋附近 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
翌十四日の朝は護持院原一ぱいの見物人である。敵を討った三人の周囲へは、山本家の親戚が追々おいおいせ附けた。三人に鵜殿家からすし生菓子なまがしとを贈った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「よ、まあこっちへ来ねえ、松のすし兄哥あにい、入れッてことよ。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だから、何も洗いだてをして、どうの、こうのと、詮議立せんぎだてをするんじゃあないけれども、今来る途中で、松のすしが、妙なことをいってあてこすったよ。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
相撲か、役者か、渡世人か、いきな処で、こはだのすしは、もう居ない。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薄雲、高尾でございます。これでもそこらで、すしつまんで、笹巻ささまきの笹だけたもとへ入れて振込めば、立ちどころに仙台様。——庭のすすきに風が当る。……
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
春はすしが良いと申すのは人の身体に酸性の食物を要するからで、病人におかゆを与えるにも炒米いりごめのお粥でないとかえって胃を害しますからよく注意しないといけません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かぶらすしとて、ぶり甘鹽あまじほを、かぶはさみ、かうぢけてしならしたる、いろどりに、小鰕こえびあからしたるもの。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
旅僧たびそうわたしおなじすしもとめたのであるが、ふたけると、ばら/\と海苔のりかゝつた、五目飯ちらし下等かとうなので。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
で用意していた菓子や果物や、それからすしなどを舟に運んだ。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「それからね母上おっかさん、おすしを取って下さいって」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
昼を中へ揷んだは、弁当がはりにすしの折詰を出したからで。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すしでもけたように船に詰込れて君士但丁堡コンスタンチノープルへ送付られるまでは、露西亜ロシヤの事もバルガリヤの事も唯噂にも聞いたことなく、唯行けと云われたから来たのだ。
話がこうじて理に落ちて、身にみて涙になると、お縫はさすがに心着いて、すしおごりましょうといって戸外おもてへ出たのが、あしの湯の騒ぎをつい見棄てかねて取合って
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
健三は昔しこの人に連れられて寄席よせなどに行った帰りに、能く二人して屋台店やたいみせ暖簾のれんくぐって、すし天麩羅てんぷら立食たちぐいをした当時を思い出した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
き付けということもおもしろいし、女がずっとはいって来て客のすぐ隣にすわるということも不思議だし、台の物とかいって大きな皿に少しばかりすしを入れて持って来るのも異様に感じられた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
悉皆みんなひとつ/\とすしつまんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「どう、おばあさんおすしでもおごろうじゃあないの」
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
毛唐けとうの奴らがすしづめになっていやあがる。
雉子日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「……じつは、小鰭こはだすしなんですが……」
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すし屋の店が多いので、鮨屋横町とよぶ人もある。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「おすしを喰べて小半刻も經ちましたかしら、暫らくはそれでも我慢して居る樣子でしたが、到底たまらなくなつたと見えて、地べたを這ひ廻るやうにして苦しみ出しました。見ちや居られませんでしたよ」
「いえ、滊車きしやの中ですしを食べました」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「中に入ったのはあゆすしでした。」
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当日の御馳走は一切その当番の人の趣向に任せるとしたところ、以前は最下等のうなぎどんぶり位で済ませたものがにわかに種々の趣向が出て、あるいあゆすしに茶菓子が出る事もあり
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
屋台のすしを客が寄って行って食っている。
日本橋附近 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
で、月末になると、鳥屋、牛肉屋、日本料理屋、西洋料理屋、すし屋、うなぎ屋、菓子屋、果物屋と、方々から持って来る請求書の締め高が、よくもこんなに喰べられたものだと、驚くほど多額に上ったのです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「あんな時に女なんかれてくるのは実際罪だよ。しりが大きいから第一乗り切れねえやね。そうしてすぐ酔うから困らあ。すしのように押しつめられてる中で、吐いたり戻したりさ。見っともねえ事ったら」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あなた、おすし、本当にお好きなの」
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
とおさかな兼帯——怪しげなぜんよりは、と云って紫の風呂敷を開いた上へ、蒔絵のふたかしてあった。そのお持たせのあゆすしを、銀の振出しのはしで取ってつまんだでしょう。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すし、お辨當べんたうたひめしの聲々こゑ/″\いさましく、名古屋なごやにてまつたけて、室内しつないいさゝくつろぎ、あたゝかにまどかゞやく。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すし餞別せんべつ9・5(夕)
もう一軒、すしの酢が鼻をついた。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おすしを喰べて小半刻こはんときも経ちましたかしら、しばらくはそれでも我慢している様子でしたが、とうていたまらなくなったとみえて、地べたをい廻るようにして苦しみ出しました。見ちゃいられませんでしたよ」
汽車きしや新橋しんばし昨夜さくや九時半くじはんつて、今夕こんせき敦賀つるがはいらうといふ、名古屋なごやでは正午ひるだつたから、めし一折ひとをりすしかつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
晴代はよく一緒の車で帰ることにしてゐる、北山静枝といふ美しい女に頼まれて、客にさそはれて銀座裏のおでん屋へ入つたり、すしおごられたりしたものだが、客のねらつてゐる若い朋輩の援護隊として、二三人一組になつて
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そして、父はよくまくらもとでおすしの折などをひらきながら、「そんなことをするの、おしなさいてば。……」と母が止めるのもきかずに、機嫌きげんよさそうに私の口のなかへ、海苔巻のりまきなんぞを無理に詰めこむのだった。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
情死の相手の名前をさえ忘れているような自分なのです)に言いつけられたとおりに、銀座裏の、或る屋台のおすしやで、少しもおいしくない鮨を食べながら、(そのひとの名前は忘れても、その時の鮨のまずさだけは、どうした事か、はっきり記憶に残っています。
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
浅草デ先ズ奥山ノ女ドモヲナブッテ歩イタカラ、キモヲツブシタ顔ヲシテアトカラ来ルカラ、スシ飯ヲ食ウカト聞イタラ、好キダト云ウ故ニ、ソンナラ面白イトコロデすしヲ上ゲルトイッテ、吉原ヘイッテ大門ヲハイリニカカルト、御免御免ト云ウカラ、ムリニ仲ノ町ノオ亀ズシヘハイッテ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
関氏は何時いつも彼女の家を絶えずおとずれる訪客の一人であって、いつも彼女に饗応きょうおうをうける側の人であったので、こういう時こそと、自らが主人気取りで、半井氏が留守ならばとしきりにいとまを告げようとする女史を引止めたうえに、すしなどまでとって歓待した。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
片手かたてづまみの大皿おほざらすしは、鐵砲てつぱう銃口すぐちそろへ、めざすてきの、山葵わさびのきいたあかいのはとくのむかし討取うちとられて、遠慮ゑんりよをした海鰻あなごあまいのがあめのやうに少々せう/\とろけて、はまぐりがはがれてる。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)