トップ
>
『点鬼簿』
ふりがな文庫
『
点鬼簿
(
てんきぼ
)
』
僕の母は狂人だった。僕は一度も僕の母に母らしい親しみを感じたことはない。僕の母は髪を櫛巻きにし、いつも芝の実家にたった一人坐りながら、長煙管ですぱすぱ煙草を吸っている。顔も小さければ体も小さい。その又顔はどう云う訳か、少しも生気のない灰色を …
著者
芥川竜之介
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「改造 第八卷第十一号」1926(大正15)年10月1日
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約9分(500文字/分)
朗読目安時間
約15分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
槲
(
かし
)
弄
(
ろう
)
垂死
(
すいし
)
匂
(
におい
)
櫛巻
(
くしま
)
丈艸
(
じょうそう
)
死骸
(
しがい
)
殆
(
ほとん
)
洒落
(
しゃれ
)
煙草
(
たばこ
)
瑣末
(
さまつ
)
生憎
(
あいにく
)
痩
(
や
)
相撲
(
すもう
)
真似
(
まね
)
眶
(
まぶた
)
端巾
(
はぎれ
)
瞑目
(
めいもく
)
枕
(
まくら
)
笑窪
(
えくぼ
)
箪笥
(
たんす
)
納棺
(
のうかん
)
若
(
も
)
茫然
(
ぼうぜん
)
莟
(
つぼみ
)
莫迦
(
ばか
)
谷中
(
やなか
)
醒
(
さ
)
頗
(
すこぶ
)
頬
(
ほお
)
駈
(
か
)
鮨
(
すし
)
居睡
(
いねむ
)
両頬
(
りょうほお
)
今日
(
こんにち
)
仰向
(
あおむ
)
位牌
(
いはい
)
倉皇
(
そうこう
)
勿論
(
もちろん
)
可也
(
かなり
)
合
(
あ
)
唯
(
ただ
)
喧嘩
(
けんか
)
坐
(
すわ
)
埋
(
うず
)
夭折
(
ようせつ
)
柩車
(
きゅうしゃ
)
屏風
(
びょうぶ
)
彼是
(
かれこれ
)
忽
(
たちま
)
恰好
(
かっこう
)
悉
(
ことごと
)
手巾
(
ハンケチ
)
挨拶
(
あいさつ
)
掴
(
つか
)
揉
(
も
)
撫
(
な
)
木瓜
(
ぼけ
)
杏
(
あんず
)
柩
(
ひつぎ
)