“垂死”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すゐし50.0%
すいし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兎に角、垂死すゐしの芭蕉の顔に、云ひやうのない不快を感じた其角は、ほとんど何の悲しみもなく、その紫がかつたうすい唇に、一刷毛ひとはけの水を塗るや否や、顔をしかめて引き下つた。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
くりやの口に横はるは垂死すゐしをんな
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
僕はその新聞記者が近く渡米するのを口実にし、垂死すいしの僕の父を残したまま、築地の或待合へ出かけて行った。
点鬼簿 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、その姿に眼をやると、彼女の顔は不思議にも、眉目びもくの形こそ変らないが、垂死すいしの老婆と同じ事であった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)