垂死すゐし)” の例文
兎に角、垂死すゐしの芭蕉の顔に、云ひやうのない不快を感じた其角は、ほとんど何の悲しみもなく、その紫がかつたうすい唇に、一刷毛ひとはけの水を塗るや否や、顔をしかめて引き下つた。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
くりやの口に横はるは垂死すゐしをんな
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
惨たりな、垂死すゐしさかひ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
垂死すゐしの人も安んじて
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)