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顱巻
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はちまき
ふりがな文庫
“
顱巻
(
はちまき
)” の例文
旧字:
顱卷
爺どのは、
這
(
は
)
うようにして、
身体
(
からだ
)
を隠して引返したと言いましけ。よう姿が隠さりょう、光った
天窓
(
あたま
)
と、
顱巻
(
はちまき
)
の
茜色
(
あかねいろ
)
が月夜に消えるか。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眉太く、眼の細きが、
向
(
むこう
)
ざまに
顱巻
(
はちまき
)
したる、額のあたり汗になりて、のしのしと近づきつつ、細き道をかたよけてわれを通せしが、ふりかえり
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眉
(
まゆ
)
太く、
眼
(
め
)
の細きが、
向
(
むこう
)
ざまに
顱巻
(
はちまき
)
したる、
額
(
ひたい
)
のあたり汗になりて、のしのしと近づきつつ、細き道をかたよけてわれを通せしが、ふりかへり
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
微塵棒
(
みじんぼう
)
を縦にして、前歯でへし折って
噛
(
かじ
)
りながら、縁台の前へにょっきりと、吹矢が当って出たような福助頭に向う
顱巻
(
はちまき
)
。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……その弁慶が、もう一つ変ると、赤い
顱巻
(
はちまき
)
をしめた
鮹
(
たこ
)
になって、
踊
(
おどり
)
を踊るのですが、これには別に、そうした
仕掛
(
しかけ
)
も、からくりもないようです。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
どの店にも大きな人形を飾ってあるじゃないか、赤い
裲襠
(
しかけ
)
を着た
姐様
(
ねえさん
)
もあれば、向う
顱巻
(
はちまき
)
をした道化もあるし、牛若もあれば、
弥次郎兵衛
(
やじろべえ
)
もある。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それ世に、
鳶
(
とび
)
の者の
半纏
(
はんてん
)
は
侠
(
いなせ
)
にして旦那の
紋着
(
もんつき
)
は高等である。しかるに源ちゃんは
両天秤
(
りょうてんびん
)
、女を張る時は半纏で、
顱巻
(
はちまき
)
。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう寝返りも出来ないで、壁の方に片寝でいたお母さんがね、麻の
顱巻
(
はちまき
)
へ
掛
(
かか
)
った
黒髪
(
かみ
)
がこぼれて横顔で振向いた。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
震えるない震えるない、何もそう、
鮭
(
しゃけ
)
の
天窓
(
あたま
)
を刻むようにぶりぶりするこたあねえ、なぐり込に来たのなら、
襷
(
たすき
)
がけで
顱巻
(
はちまき
)
よ、
剃刀
(
かみそり
)
でも用意をしていらあ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
ぼ
私
(
わし
)
が
顱巻
(
はちまき
)
しても、
血
(
ち
)
の
通
(
かよ
)
ふ、
暖
(
あたゝか
)
い
彫刻物
(
ほりもの
)
は
覚束
(
おぼつか
)
ないで、……
何
(
なん
)
とか
別
(
べつ
)
の
工夫
(
くふう
)
を
頼
(
たの
)
むだ、
最
(
も
)
う
此
(
こ
)
なものは
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(ああ、青い
顱巻
(
はちまき
)
をした方が、寝てでござんす、ちっと
傍
(
わき
)
へ)と……まあ、難産の嫁御がそう言わしっけ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
打棄
(
うっちゃ
)
っておかっせえ。面倒臭い、と
顱巻
(
はちまき
)
しめた頭を
掉
(
ふ
)
って云うたれば、どこまで
行
(
ゆ
)
く、と聞かしっけえ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、小腰を
屈
(
かが
)
めて
差覗
(
さしのぞ
)
き、頭を
揺
(
ふ
)
って呼掛けたのは、
顱巻
(
はちまき
)
もまだ
除
(
と
)
らないままの植木屋の甚平爺さん。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さあ、のつぺらぱうか、
目一
(
めひと
)
つか、
汝
(
おのれ
)
其
(
そ
)
の
真目
(
まじ
)
/\とした
与一平面
(
よいちべいづら
)
は。
眉
(
まゆ
)
なんぞ
真白
(
まつしろ
)
に
生
(
はや
)
しやがつて、
分別
(
ふんべつ
)
らしく
天窓
(
あたま
)
の
禿
(
は
)
げたは
何事
(
なにごと
)
だ。
其
(
そ
)
の
顱巻
(
はちまき
)
を
取
(
と
)
れ、
恍気
(
とぼけ
)
るな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
赤き
顱巻
(
はちまき
)
向うざまにしめて、
裾
(
すそ
)
を
括
(
から
)
げ、片肌脱ぎて、手にせる菓子の箱高く捧げたるがその銀六よ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、承った通り、現にこの間も、これこれと、向う
顱巻
(
はちまき
)
の豪傑が
引転
(
ひっくり
)
かえったなぞは、
対手
(
あいて
)
の急所だ、と思って、
饒舌
(
しゃべ
)
ったには饒舌りましたが、……自若としている。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
荷は軽そうなが
前屈
(
まえかが
)
みに、てくてく帰る……お千世が
爺
(
じい
)
の植木屋
甚平
(
じんべい
)
、名と
顱巻
(
はちまき
)
は
娑婆気
(
しゃばけ
)
がある。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ、何とか云うお茶屋であった。」と、
独言
(
ひとりごと
)
のように云って、
顱巻
(
はちまき
)
を
反
(
そ
)
らして仰向く。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
後退
(
あとじさ
)
って、向うざまに
顱巻
(
はちまき
)
を占め直した。手をそのまま、花火のごとく上へ開いて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とようよう起直って、
顱巻
(
はちまき
)
を取ると、あわれなほど振りかかる後れ毛を掻上げながら
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とおかしそうに
正向
(
まむき
)
に見られて、
奴
(
やっこ
)
は、口をむぐむぐと、
顱巻
(
はちまき
)
をふらりと下げて
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
厚紙もて
烏帽子
(
えぼし
)
を作りて
被
(
こうむ
)
り、
払
(
はたき
)
を腰に挿したるもの、
顱巻
(
はちまき
)
をしたるもの、十手を携えたるもの、
物干棹
(
ものほしざお
)
を
荷
(
にな
)
えるものなど、五三人左右に引着けて、
渠
(
かれ
)
は常に宮の
階
(
きざはし
)
の正面に身構えつ
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
燈
(
ともしび
)
一つに
附着合
(
くッつきあ
)
って、スッと鳥居を
潜
(
くぐ
)
って来たのは、三人
斉
(
ひと
)
しく山伏なり。
白衣
(
びゃくえ
)
に白布の
顱巻
(
はちまき
)
したが、
面
(
おもて
)
こそは
異形
(
いぎょう
)
なれ。
丹塗
(
にぬり
)
の天狗に、
緑青色
(
ろくしょういろ
)
の
般若
(
はんにゃ
)
と、
面
(
つら
)
白く鼻の黄なる狐である。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
皺
(
しわ
)
だらけな
額
(
ひたい
)
に、
顱巻
(
はちまき
)
を
緩
(
ゆる
)
くしたのに、ほかほかと春の日がさして、とろりと酔ったような
顔色
(
がんしょく
)
で、
長閑
(
のど
)
かに
鍬
(
くわ
)
を使う様子が——あのまたその下の
柔
(
やわらか
)
な土に、しっとりと汗ばみそうな
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大柄な
婦人
(
おんな
)
で、鼻筋の通った、
佳
(
い
)
い
容色
(
きりょう
)
、少し
凄
(
すご
)
いような風ッつき、
乱髪
(
みだれがみ
)
に
浅葱
(
あさぎ
)
の
顱巻
(
はちまき
)
を
〆
(
し
)
めまして病人と見えましたが、奥の
炉
(
ろ
)
のふちに立膝をしてだらしなく、こう額に長煙管をついて
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まあ、のめり込んだ御堂の中に、月にぼやっと菅笠ほどの影が出来て、大きな
梟
(
ふくろう
)
——また、あっちの森にも、こっちの林にも鳴いていました——その梟が、
顱巻
(
はちまき
)
をしたような、それですよ。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここに三画伯の
扮装
(
いでたち
)
を記したのを
視
(
み
)
て、
衒奇
(
げんき
)
、表異、いささかたりとも
軽佻
(
けいちょう
)
、
諷刺
(
ふうし
)
の意を
寓
(
ぐう
)
したりとせらるる読者は、あの、紫の
顱巻
(
はちまき
)
で、一つ印籠何とかの助六の
気障
(
きざ
)
さ加減は論外として
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
車夫
(
わかいし
)
はたった今乗せたばかりの処だろう、
空車
(
からぐるま
)
の気前を見せて、
一
(
ひと
)
つ
駆
(
が
)
けで、
顱巻
(
はちまき
)
の上へ
梶棒
(
かじぼう
)
を突上げる
勢
(
いきおい
)
で、
真暗
(
まっくら
)
な坂へストンと
摺込
(
すべりこ
)
んだと思うと、むっくり線路の
真中
(
まんなか
)
を躍り上って、や
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
猪口
(
ちょこ
)
に二つか、三つか、とお思いなすったのが、沈んでばかり飲むせいか、……やがて、近常さんの立ちなすった時は、一座大乱れでもって、もうね、素裸の
額
(
おでこ
)
へ、お
平
(
ひら
)
の
蓋
(
ふた
)
を
顱巻
(
はちまき
)
で留めて
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
褌
(
ふんどし
)
の
掛
(
かけ
)
がえを
一条
(
ひとすじ
)
煮染めたような
手拭
(
てぬぐい
)
、こいつで
顱巻
(
はちまき
)
をさしたまま畳み込んだ看板、兀げちょろの重箱が
一箇
(
ひとつ
)
、薄汚え財布、ざッとこれで、
身上
(
しんしょう
)
のありッたけを台箱へ詰め込んだ
空車
(
からぐるま
)
をひいて
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たちまち妙な顔、けろけろと擬勢の抜けた、
顱巻
(
はちまき
)
をいじくりながら
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これを
機
(
しお
)
に、分れようとすると、片手で
顱巻
(
はちまき
)
を
挘
(
かなぐ
)
り取って
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山の
端
(
は
)
の
薄
(
すすき
)
に
顱巻
(
はちまき
)
を突合せて、あの親仁はまた反った。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かこい網の見物に(われは坊主頭に
顱巻
(
はちまき
)
して)と
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
天窓
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でざまに、するりと
顱巻
(
はちまき
)
を
抜
(
ぬ
)
いて
取
(
と
)
り
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
顱
漢検1級
部首:⾴
25画
巻
常用漢字
小6
部首:⼰
9画
“顱”で始まる語句
顱頂
顱
顱卷
顱頂部
顱頂骨
顱合
顱骨
顱割
顱鉄
顱頂孔