談判だんぱん)” の例文
したがつて其方そのはう談判だんぱんは、はじめからいまかつふでにしたことがなかつた。小六ころくからは時々とき/″\手紙てがみたが、きはめてみじかい形式的けいしきてきのものがおほかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『できても、できなくても一おう神様かみさま談判だんぱんしていただきます。これくらいねがいがゆるされないとあっては、わしにも料簡りょうけんがござります……。』
つて、それ引揚ひきあげたが、如何どうつてえられぬので、ふたゝ談判だんぱんかうとおもつてると、友人いうじん眉山子びさんしれい自殺じさつ
これ、せがれや、聴いてくれ。サルフト村の酋長に、父祖から代々言い残された談判だんぱんがあって、本当は俺が出向いて行くのだったが、こう年を
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
でつかんしよに、愉快ゆくわいぶし、妓夫臺ぎふだい談判だんぱん破裂はれつして——すゝめツ——いよう、御壯ごさかん、どうだい隊長たいちやうと、わめふ。——どうも隊長たいちやう。……まことに御壯ごさかん
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「やーい、人類。ざまァみろ。さあ、このときをはずさず、われわれ全生物は人類に向って談判だんぱんをはじめるんだ」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ベンヺ こゝは往來わうらいぢゃ、どうぞ閑寂ひそかところ冷靜しづか談判だんぱんをするか、さもなくばわかれたがよい。衆人ひとるわ。
白と黒は大の仲好なかよしになって、始終共に遊んだ。ある日近所の与右衛門よえもんさんが、一盃機嫌で談判だんぱんに来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わたしは獣医じゅういに向かって、ほかの牛にうつらなければという手まねをした。かれはまたかけ合ってみせるという合図をした。そのときはげしい談判だんぱんが獣医と百姓ひゃくしょうの間に始まった。
ちやうど此の日の前夜ぜんやも、周三は、父から結婚問題に就いて嚴重げんぢう談判だんぱんツたのであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
すなわち西洋から薩摩藩に買取かいとった船が二艘あるその二艘の船を談判だんぱんの抵当に取ると云う趣意しゅいで、桜島の側に碇泊ていはくしてあった艘の船を英の軍艦が引張ひっぱって来ると云う手詰てづめの場合になった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
信玄しんげん建立こんりゅうした恵林寺えりんじのなかに、武田たけだの客分、佐々木承禎ささきじょうてい三井寺みいでらの上福院、大和淡路守やまとあわじのかみの三人がかくれていることをつきとめたので、使者をたてて、落人おちゅうどどもをわたせと、いくたびも談判だんぱんにきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ談判だんぱんが始まる。小林の父も母も、近しい親戚も、寄って来る。
よこせと、談判だんぱんするつもりにちがいない。
大金塊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
カビ博士と名のる辻ヶ谷君のせつなるたのみにより、僕は海底ふかく分け入って、凶暴きょうぼうなる未知の怪生物族を探し、それと重大なる談判だんぱんをしなくてはならない行きがかりとはなった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つてるあなのぞきながら、地主ぢぬし頑固ぐわんこ中止ちうし言張いひはる。したではりながら、談判だんぱんはどうか原田はらださんのはうつてれと取合とりあはぬ。これを露西亞式ろしあしき發掘はつくつつてわらつたのであつた。
むかしやうくわつげきして、すぐ叔母をばところ談判だんぱんける氣色けしきもなければ、今迄いままで自分じぶんたいして、世話せわにならないでもひとやうに、餘所よそ々々/\しく仕向しむけておとうと態度たいどきふ方向はうかうてんじたのを
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なんじの行き過ぎを遺憾いかんに思うものである。シベリアを熱帯にせよとは、申しつけなかったつもりである。早々そうそう香港ホンコンおもむきて、金博士に談判だんぱんし、シベリアを常春とこはるの国まで引きかえさせるべし。
其所そこあらためて、親分おやぶん談判だんぱんこゝろみたが、ぐわんとしておうじない。