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薄雲
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うすぐも
ふりがな文庫
“
薄雲
(
うすぐも
)” の例文
扨
(
さ
)
て、
芬
(
ぷん
)
と
薫
(
かを
)
りの
高
(
たか
)
い
抽斗
(
ひきだし
)
から、
高尾
(
たかを
)
、
薄雲
(
うすぐも
)
と
云
(
い
)
ふ
一粒選
(
ひとつぶえり
)
の
處
(
ところ
)
を
出
(
だ
)
して、ずらりと
並
(
なら
)
べて
見
(
み
)
せると、
件
(
くだん
)
の
少年
(
せうねん
)
鷹揚
(
おうやう
)
に
視
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おおらかに張り渡した傾斜のうえにはおたまじゃくしに似た
薄雲
(
うすぐも
)
がちらちらと散らばって、如何にも
朝明
(
あさけ
)
の風を思わしめる。
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
前夜
(
ぜんや
)
の
雨
(
あめ
)
が
晴
(
はれ
)
て
空
(
そら
)
は
薄雲
(
うすぐも
)
の
隙間
(
あひま
)
から
日影
(
ひかげ
)
が
洩
(
もれ
)
ては
居
(
ゐ
)
るものゝ
梅雨
(
つゆ
)
季
(
どき
)
は
爭
(
あらそ
)
はれず、
天際
(
てんさい
)
は
重
(
おも
)
い
雨雲
(
あまぐも
)
が
被
(
おほ
)
り
(
ママ
)
重
(
かさ
)
なつて
居
(
ゐ
)
た。
汽車
(
きしや
)
は
御丁寧
(
ごていねい
)
に
各驛
(
かくえき
)
を
拾
(
ひろ
)
つてゆく。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
青い空の静まり返つた、
上皮
(
うはかは
)
に、白い
薄雲
(
うすぐも
)
が
刷毛先
(
はけさき
)
で掻き払つた
痕
(
あと
)
の様に、
筋違
(
すぢかひ
)
に長く浮いてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
北方に
佳人
(
かじん
)
ありといひしも、北は
陰位
(
いんゐ
)
なれば女に
美麗
(
びれい
)
を出すにやあらん。二代目の高尾は(万治)野州に
生
(
うま
)
れ、初代の
薄雲
(
うすぐも
)
は信州に
産
(
さん
)
して、ともに
北廓
(
ほくかく
)
に名をなせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
嗚呼
(
あゝ
)
、
大事切迫
(
だいじせつぱく
)
/\と、
私
(
わたくし
)
は
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
と
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はしたる
儘
(
まゝ
)
、
身體
(
しんたい
)
の
置塲
(
おきば
)
も
知
(
し
)
らぬ
程
(
ほど
)
心
(
こゝろ
)
を
惱
(
なや
)
まして
居
(
を
)
る、
時
(
とき
)
しも
忽
(
たちま
)
ち
見
(
み
)
る、
遙
(
はる
)
か/\の
水平線上
(
すいへいせんじやう
)
に
薄雲
(
うすぐも
)
の
如
(
ごと
)
き
煙
(
けむり
)
先
(
ま
)
づ
現
(
あら
)
はれ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
薄雲
(
うすぐも
)
のあいだから日が輝いてきました。農夫たちは荒野を横切って教会へ行きました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
夜
(
よ
)
は空に
薄雲
(
うすぐも
)
があって月の光が
朦朧
(
もうろう
)
としていた。人通りはますますすくなくなって、物売る店ではがたがたと戸を締める音をさしていた。
仲店
(
なかみせ
)
の
街路
(
とおり
)
も
大半
(
おおかた
)
店を閉じて
微暗
(
うすぐら
)
かった。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
蒼白い月が風に吹きかえされたかのように仰向きになって懸っていて、まるで透きとおった寒冷紗のような
薄雲
(
うすぐも
)
が一つ空を飛んでいた。風のために話をすることも出来ず、顔には赤い斑が出来た。
ジーキル博士とハイド氏の怪事件
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
何となくその遊女の
高尾
(
たかお
)
・
薄雲
(
うすぐも
)
ではなかったことを
想
(
おも
)
わしめる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と
眩
(
まぶ
)
しさうに
仰向
(
あをむ
)
いた。
月
(
つき
)
は
時
(
とき
)
に
川浪
(
かはなみ
)
の
上
(
うへ
)
に
打傾
(
うちかたむ
)
き、
左右
(
さいう
)
に
薄雲
(
うすぐも
)
の
手
(
て
)
を
伸
(
の
)
べては、
思
(
おも
)
ふまゝに
光
(
ひかり
)
を
投
(
な
)
げ、
水
(
みづ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
十日
(
とをか
)
の
影
(
かげ
)
が
澄渡
(
すみわた
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
北方に
佳人
(
かじん
)
ありといひしも、北は
陰位
(
いんゐ
)
なれば女に
美麗
(
びれい
)
を出すにやあらん。二代目の高尾は(万治)野州に
生
(
うま
)
れ、初代の
薄雲
(
うすぐも
)
は信州に
産
(
さん
)
して、ともに
北廓
(
ほくかく
)
に名をなせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然ししばらくすると、其心持のうちに
薄雲
(
うすぐも
)
の様な
淋
(
さみ
)
しさが一面に
広
(
ひろ
)
がつて
来
(
き
)
た。さうして、野々宮君の穴倉に這入つて、たつた
一人
(
ひとり
)
で
坐
(
すは
)
つて居るかと思はれる程な寂寞を覚えた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、
高尾
(
たかを
)
、
薄雲
(
うすぐも
)
、
芳野
(
よしの
)
など
云
(
い
)
ふ
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
の
身代金
(
みのしろきん
)
、
即
(
すなは
)
ち
人參
(
にんじん
)
一兩
(
いちりやう
)
の
値
(
あたひ
)
は、
名高
(
なだか
)
い
遊女
(
おいらん
)
一人
(
いちにん
)
に
相當
(
さうたう
)
するのであるから、
蓋
(
けだ
)
し
容易
(
ようい
)
なわけのものではない。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また
招
(
まね
)
くのを、ためらうと、
薄雲
(
うすぐも
)
のさすやうに、
面
(
おもて
)
に
颯
(
さつ
)
と
気色
(
けしき
)
ばんで、
常夏
(
とこなつ
)
をハツと
銀
(
ぎん
)
の
鍋
(
なべ
)
に
投
(
な
)
げて
寄越
(
よこ
)
した。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
燭
(
あかり
)
が映つて、
透徹
(
すきとお
)
つて、いつかの、あの時、夕日の色に輝いて、
丁
(
ちょう
)
ど東の空に立つた
虹
(
にじ
)
の、其の虹の目のやうだと云つて、
薄雲
(
うすぐも
)
に
翳
(
かざ
)
して御覧なすつた、奥様の白い手の細い指には重さうな
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
角
(
かど
)
の
青木堂
(
あをきだう
)
を
左
(
ひだり
)
に
見
(
み
)
て、
土
(
つち
)
の
眞白
(
まつしろ
)
に
乾
(
かわ
)
いた
橘鮨
(
たちばなずし
)
の
前
(
まへ
)
を……
薄
(
うす
)
い
橙色
(
オレンジいろ
)
の
涼傘
(
ひがさ
)
——
束
(
たば
)
ね
髮
(
がみ
)
のかみさんには
似合
(
にあ
)
はないが、
暑
(
あつ
)
いから
何
(
ど
)
うも
仕方
(
しかた
)
がない——
涼傘
(
ひがさ
)
で
薄雲
(
うすぐも
)
の、しかし
雲
(
くも
)
のない
陽
(
ひ
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
“薄雲”で始まる語句
薄雲太夫
薄雲女院