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脊負
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せお
ふりがな文庫
“
脊負
(
せお
)” の例文
又
(
また
)
そつと
戸
(
と
)
を
閉
(
た
)
てゝ
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
頸筋
(
くびすぢ
)
の
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をこそつぱい
手
(
て
)
で
一攫
(
ひとつか
)
みにされるやうに
感
(
かん
)
じた。おつぎは
外
(
そと
)
の
壁際
(
かべぎは
)
の
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その四角なる雪を
脊負
(
せお
)
ひあるひは
担持
(
になひもち
)
にするなど
暖国
(
だんこく
)
の雪とは大に
異
(
ことな
)
り、雪に
枝
(
えだ
)
を折れじと杉丸太をそへてしばりからげおきたる
庭樹
(
にはき
)
なども
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ちょうど、このとき、
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
ろうじん
)
が、
大
(
おお
)
きな
袋
(
ふくろ
)
のようなものを
脊負
(
せお
)
って、
破
(
やぶ
)
れた、マンドリンに
合
(
あ
)
わせて
踊
(
おど
)
っていました。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
草鞋
(
わらじ
)
ばきの古トンビや、市の学校へゆく学生や、大きな風呂敷を
脊負
(
せお
)
った行商人たちや、そんなのがウルさそうに電車を見送ってはあるいていた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
新しいランドセルを
脊負
(
せお
)
ひ、新しい草履袋をさげて、一年生の
進
(
すすむ
)
ちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。
母の日
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
▼ もっと見る
ちゃんと引取りを入れて
脊負
(
せお
)
うて来たのじゃから、
何処
(
どこ
)
からも尻も宮も
来
(
き
)
やへん、ヤ
何
(
なん
)
でもこれは屋敷から盗んで来た物に違いないが、屋敷で取られたと云うては
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出入りの八百屋の
御用聞
(
ごようき
)
き
春公
(
はるこう
)
と、
家
(
うち
)
の
仲働
(
なかばたらき
)
お
玉
(
たま
)
と云うのが
何時
(
いつ
)
か知ら
密通
(
みっつう
)
して居て、
或夜
(
あるよ
)
、衣類を
脊負
(
せお
)
い、男女手を取って、裏門の
板塀
(
いたべい
)
を越して
馳落
(
かけお
)
ちしようとした処を
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自分には、
禍
(
わざわ
)
いのかたまりが十個あって、その中の一個でも、隣人が
脊負
(
せお
)
ったら、その一個だけでも充分に隣人の生命取りになるのではあるまいかと、思った事さえありました。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「おくんな。」と
言
(
い
)
つて、
藪
(
やぶ
)
の
下
(
した
)
をちよこ/\と
出
(
で
)
た、
九
(
こゝの
)
ツばかりの
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
。
脊丈
(
せたけ
)
より
横幅
(
よこはゞ
)
の
方
(
はう
)
が
廣
(
ひろ
)
いほどな、
提革鞄
(
さげかばん
)
の
古
(
ふる
)
いのを、
幾處
(
いくところ
)
も
結目
(
むすびめ
)
を
拵
(
こしら
)
へて
肩
(
かた
)
から
斜
(
なゝ
)
めに
脊負
(
せお
)
うてゐる。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この流儀が果して世の中の手本になって
宜
(
い
)
い事か、悪い事か、ソレも
無頓着
(
むとんじゃく
)
だ、
宜
(
よ
)
ければ
甚
(
はなは
)
だ
宜
(
よろ
)
しい、悪るければソレまでの事だ、その
先
(
さ
)
きまで責任を
脊負
(
せお
)
い込もうとは思いません。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
新太郎ちやんは、赤ん坊の妹を
脊負
(
せお
)
つて家の横で、
叩
(
たた
)
き
独楽
(
こま
)
を
廻
(
まは
)
してゐた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
稀に遊びに来ては
甘藷
(
いも
)
を洗ったり、
外竈
(
そとへっつい
)
を
焚
(
た
)
いて見たり、実地の
飯事
(
ままごと
)
を面白がったが、然し東京の
玄関
(
げんかん
)
から下駄ばきで尻からげ、やっとこさに荷物
脊負
(
せお
)
うて立出る田舎の叔父の姿を見送っては
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その四角なる雪を
脊負
(
せお
)
ひあるひは
担持
(
になひもち
)
にするなど
暖国
(
だんこく
)
の雪とは大に
異
(
ことな
)
り、雪に
枝
(
えだ
)
を折れじと杉丸太をそへてしばりからげおきたる
庭樹
(
にはき
)
なども
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さうしてぎつと
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んで
重
(
おも
)
く
成
(
な
)
つた
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つた。
其處
(
そこ
)
らの
畑
(
はたけ
)
には
土
(
つち
)
が
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
いたやうに
處々
(
ところ/″\
)
ぽつり/\と
秋蕎麥
(
あきそば
)
の
花
(
はな
)
が
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おじいさんは、
大
(
おお
)
きな
袋
(
ふくろ
)
を
脊負
(
せお
)
って、
広
(
ひろ
)
い
雪
(
ゆき
)
の
野原
(
のはら
)
を
通
(
とお
)
って、
破船
(
はせん
)
の
横
(
よこ
)
たわる
海岸
(
かいがん
)
を
指
(
さ
)
して
帰
(
かえ
)
りました。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
丈
(
たけ
)
は四寸二分で目方も余程あるから、慾の深い奴は
潰
(
つぶ
)
しにしても余程の
値
(
ねうち
)
だから盗むかも知れない、
厨子
(
ずし
)
ごと貸すにより
胴巻
(
どうまき
)
に入れて置くか、身体に
脊負
(
せお
)
うておきな
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それで気転の
利
(
き
)
いた奴が、
態々
(
わざわざ
)
、欠席していたので、私の
家
(
うち
)
まで迎いに来て、その裁判をしてくれと云うので、私は弟を
脊負
(
せお
)
ったまま、皆のいる所へ行って、「木山弾正である」という説明をして
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
今日もやはり赤ん坊の妹を
脊負
(
せお
)
つて。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つて
巡査
(
じゆんさ
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いて
主人
(
しゆじん
)
の
家
(
いへ
)
の
裏庭
(
うらには
)
へ
導
(
みちび
)
かれた。
巡査
(
じゆんさ
)
が
縁側
(
えんがは
)
の
坐蒲團
(
ざぶとん
)
へ
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けた
時
(
とき
)
勘次
(
かんじ
)
は
籠
(
かご
)
を
脊負
(
せお
)
つた
儘
(
まゝ
)
首
(
くび
)
を
俛
(
た
)
れて
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
田中のものこの武士が米俵を
脊負
(
せお
)
ひしものといひしをきゝて、心におぼえあればさてはと心づき、これかならず
行者
(
ぎやうじや
)
の
罰
(
ばち
)
ならんと
行者
(
ぎやうじや
)
たるあらましをかたりきかせ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
日傘を
指
(
さ
)
し包を十文字に
脊負
(
せお
)
い、ガラ/\下駄を
穿
(
は
)
いて
豪家
(
ものもち
)
のお内儀さんでも買物に出まするくらいだから、お瀧も小包を提げて買物を致し、自分の家へ這入りに掛る処を茂之助が見付け
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ある日米
俵
(
たわら
)
を
脊負
(
せお
)
ひて五六町へだてたる中村といふへゆく、その
道
(
みち
)
は
三国海道
(
みくにかいだう
)
なれば人あしも
繁
(
しげ
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
どんな山の中でも
行
(
ゆ
)
きます、
私
(
わたし
)
の
生国
(
しやうこく
)
は
越中
(
ゑつちう
)
の
富山
(
とやま
)
で、
反魂丹売
(
はんごんたんうり
)
ですから、
荷物
(
にもつ
)
を
脊負
(
せお
)
つて、まだ
薬
(
くすり
)
の
広
(
ひろ
)
まらない山の中ばかり
売
(
う
)
つて歩くのです、さうして
又
(
また
)
翌年
(
よくねん
)
其
(
そ
)
の山の中を
売
(
う
)
つて歩くので
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
脊負
(
せお
)
った物も
亦
(
また
)
母が持って居た多分の金も
引浚
(
ひきさら
)
って
彼
(
か
)
の尼が逃げました。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
上「ヘエ只今總助はんにお頼み申して此の通り
脊負
(
せお
)
うて参りました」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小「コレ政七、昨夜重三郎はお刀を
脊負
(
せお
)
って帰ったか」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
脊
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“脊負”で始まる語句
脊負葛籠
脊負揚
脊負上
脊負出
脊負子
脊負投
脊負込