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砂利
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じやり
ふりがな文庫
“
砂利
(
じやり
)” の例文
なるほど銀行家の
家邸
(
いへやしき
)
を買つたと云ふだけあつて、
御影石
(
みかげいし
)
の門柱には、鉄格子の扉がついて、玄関まで
砂利
(
じやり
)
が敷きつめてある。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
それでからもう
砂利
(
じやり
)
でも
針
(
はり
)
でもあれと
地
(
つち
)
へこすりつけて、
十
(
とう
)
余
(
あま
)
りも
蛭
(
ひる
)
の
死骸
(
しがい
)
を
引
(
ひツ
)
くりかへした
上
(
うへ
)
から、五六
間
(
けん
)
向
(
むか
)
ふへ
飛
(
と
)
んで
身顫
(
みぶるひ
)
をして
突立
(
つツた
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ちやうどその時、車輪の音と、馬の
蹄
(
ひづめ
)
の地を蹴る音とが、
砂利
(
じやり
)
の上から聞えて來た。
驛傳馬車
(
えきばしや
)
が近づいて來るのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
見るに浪人大橋文右衞門
繩付
(
なはつき
)
の
儘
(
まゝ
)
控
(
ひか
)
へ居る其外
繩取役
(
なはとりやく
)
同心等嚴重に
詰合
(
つめあひ
)
けり又正面には大岡越前守殿出座有て
砂利
(
じやり
)
の
間
(
あひだ
)
に屑屋一同平伏なし居るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かういへば、
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じやり
)
を掴んでまでも、徳松の無實を言ひ立てようといふ、勇氣のある
篤志家
(
とくしか
)
は容易に出ないでせう。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
おきみは、宿の主婦の膝元へひれ伏して、もう五六日泊めておいてくれと願つたが、主婦は、
砂利
(
じやり
)
のやうな言葉を吐いて、おきみの頼みをはねつけた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
砂利
(
じやり
)
や瓦や
川土
(
かはつち
)
を積み上げた物蔭にはきまつて
牛飯
(
ぎうめし
)
やすゐとんの露店が出てゐる。時には氷屋も荷を
卸
(
おろ
)
してゐる。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
月
(
つき
)
のない
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
瓦斯燈
(
ガスとう
)
に
照
(
て
)
らされた
砂利
(
じやり
)
を
鳴
(
な
)
らしながら
潛戸
(
くゞりど
)
を
開
(
あ
)
けた
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
は
今夜
(
こんや
)
此所
(
こゝ
)
で
安井
(
やすゐ
)
に
落
(
お
)
ち
合
(
あ
)
ふ
樣
(
やう
)
な
萬一
(
まんいち
)
はまづ
起
(
おこ
)
らないだらうと
度胸
(
どきよう
)
を
据
(
す
)
ゑた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
横手
(
よこて
)
の
坂
(
さか
)
の
方
(
はう
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
見
(
み
)
ると、
有
(
あ
)
るわ/\、
打石斧
(
だせきふ
)
が、
宛然
(
ちやうど
)
、
砂利
(
じやり
)
を
敷
(
し
)
いた
樣
(
やう
)
に
散布
(
さんぷ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
本所会館の隣にあるのは建築中の
同愛
(
どうあい
)
病院である。高い鉄の
櫓
(
やぐら
)
だの、何階建かのコンクリイトの壁だの、
殊
(
こと
)
に
砂利
(
じやり
)
を運ぶ
人夫
(
にんぷ
)
だのは確かに僕を威圧するものだつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
周三は、何と云ふ譯もなく此の音と響とを聞き分けて見やうと思ツて、
熟
(
じつ
)
と耳を澄ましてゐると、其の遠い音と響とを
消圧
(
けを
)
して、近く、邸内の
馬車廻
(
ばしやまはし
)
の
砂利
(
じやり
)
に
軋
(
きし
)
む馬車の
轍
(
わだち
)
の音がする。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ごろ/\した荒い
砂利
(
じやり
)
を敷いた
新道
(
しんだう
)
を拔けると、自分の二番目の母になりさうなお時の家の横へ出た。古びた大きな藁葺の家の棟には、烏が何處からか物を銜へて來て、頻りに
啄
(
ついば
)
んでゐた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
白
(
しら
)
ぱつくれちやいけねえ。此處で口を開かなきア、お
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じやり
)
を
掴
(
つか
)
ませるばかりだ。穩便に願つて身を
退
(
ひ
)
く方が、お前さんの爲ぢやないかね」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何心
(
なにごころ
)
なく、
眩
(
まばゆ
)
がつて、すツとぼ/\、
御覽
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
り
高足駄
(
たかあしだ
)
で
歩行
(
ある
)
いて
來
(
く
)
ると、ばらり/\、カチリてツちや
砂利
(
じやり
)
を
投
(
な
)
げてるのが、
離
(
はな
)
れた
所
(
ところ
)
からも
分
(
わか
)
りましたよ。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
門をくぐると
砂利
(
じやり
)
が敷いてあつて、その又砂利の上には庭樹の落葉が
紛々
(
ふんぷん
)
として乱れてゐる。
漱石山房の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
握
(
にぎ
)
りて
控
(
ひか
)
へたる其中にも彼丁山小夜衣の兩人はアツといひて
砂利
(
じやり
)
に
鰭伏
(
ひれふし
)
戰慄
(
ふるひわなゝ
)
き居たりけり長庵は
齒
(
は
)
をぎり/\と
噛締
(
かみしめ
)
汝等一同
確乎
(
たしか
)
に聞け
汝等
(
おのれら
)
は揃ひも揃ひし
鈍愚
(
たはけ
)
なるに其の
智慧
(
ちゑ
)
の
足
(
たら
)
ざるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
礫
(
こいし
)
の多い
砂利
(
じやり
)
が軋つて私のゐるのを悟られぬやうに、私は
芝生
(
しばふ
)
の縁を歩いた。彼は私が通らなくてはならない處から一
碼
(
ヤード
)
か二
碼
(
ヤード
)
離れた花床の中に立つてゐた。確かにあの蛾が彼を惹きつけたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「をかしな
奴
(
やつ
)
が
一人
(
ひとり
)
、
此方側
(
こちらがは
)
の
土塀
(
どべい
)
の
前
(
まへ
)
に、
砂利
(
じやり
)
の
上
(
うへ
)
に
踞
(
しやが
)
みましてね、
通
(
とほ
)
るものを
待構
(
まちかま
)
へて
居
(
ゐ
)
るんです。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
痣
(
あざ
)
のある人間を搜すのと違つて、痣も何んにもない人間を搜すとなると、
砂利
(
じやり
)
の中から石を一つ選り出すやうで、まるつきり見當が付かなくなつて了ひます。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
門をくぐると
砂利
(
じやり
)
が敷いてあつて、その又砂利の上には庭樹の落葉が
紛々
(
ふんぷん
)
として乱れてゐる。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
取り大岡殿へ差出せしかば大岡殿此久兵衞は
浪人
(
らうにん
)
文右衞門が
豫
(
かね
)
て
關
(
かゝ
)
り
係
(
あひ
)
の者なればとて
直樣
(
すぐさま
)
白洲へ呼出され調べにこそは
懸
(
かゝ
)
られけれ
然
(
さ
)
れば久兵衞は
繩付
(
なはつき
)
の
儘
(
まゝ
)
砂利
(
じやり
)
の
上
(
うへ
)
に
蹲踞
(
うづく
)
まるに大岡殿是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と同時に、馬車が
砂利
(
じやり
)
道をきしませて歸つて來る音が聽こえた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
否
(
いゝえ
)
、
御婦人
(
ごふじん
)
に
限
(
かぎ
)
つた
事
(
こと
)
はありますまいとも。……
現
(
げん
)
に
私
(
わたくし
)
が
迷惑
(
めいわく
)
をしたんですから……
誰
(
だれ
)
だつて
見境
(
みさかひ
)
はないんでせう。
其奴
(
そいつ
)
が
砂利
(
じやり
)
を
掴
(
つか
)
んで
滅茶々々
(
めちや/\
)
擲附
(
ぶツつ
)
けるんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鍵
(
かぎ
)
も何にもない物置の中に、
砂利
(
じやり
)
を詰めた千兩箱が三つ、ガラクタと一緒に投げ込まれてあつたのです。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
着物
(
きもの
)
は
申
(
まを
)
すまでもなし、
土
(
つち
)
と
砂利
(
じやり
)
と
松脂
(
まつやに
)
と
飴
(
あめ
)
ン
棒
(
ぼう
)
を
等分
(
とうぶん
)
に
交
(
ま
)
ぜて
天日
(
てんぴ
)
に
乾
(
かわか
)
したものに
外
(
ほか
)
ならず。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「此處で千兩箱の中の小判を
砂利
(
じやり
)
に詰め替へたといふんですかい、親分」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
門辺
(
かどべ
)
にありたる多くの
児
(
こ
)
ども我が姿を見ると、
一斉
(
いつせい
)
に、アレさらはれものの、
気狂
(
きちがい
)
の、狐つきを見よやといふいふ、
砂利
(
じやり
)
、
小砂利
(
こじやり
)
をつかみて投げつくるは
不断
(
ふだん
)
親しかりし
朋達
(
ともだち
)
なり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
よしんばどんな證據があつたにしたところで、お吉さんにお
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じやり
)
を噛ませて、笹野の旦那の
破滅
(
はめつ
)
にはしたくねえ。解つたかい、石原の。お願げえだから、その繩を解いて俺に渡してくれ。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こいつが皆な大粒の
砂利
(
じやり
)
になつてゐたといふから驚くぢやありませんか
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前が五貫目もある竹筒を擔ぎ出したのでないことは、この平次がよく分つて居るが、お
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じやり
)
の上ではそんな
辯解
(
いひわけ
)
は通らねえぞ。さアお角、小判を何處から出した。此處でいふか、それとも」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中は
砂利
(
じやり
)
と
古金屑
(
ふるかなくづ
)
、——山吹色の小判などは一枚もありません。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“砂利”の解説
砂利(じゃり、ざり、巴初剌那、en: gravel)は、粒径が一定の細かさをもつ丸みを帯びた石。より細かい砂や比較的大きい栗石や玉石を含むこともある。岩石を破砕した砕石とは異なる。
(出典:Wikipedia)
砂
常用漢字
小6
部首:⽯
9画
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“砂利”で始まる語句
砂利道
砂利場
砂利所
砂利穴
砂利路
砂利食
砂利掃除
砂利置場