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砂利
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じゃり
ふりがな文庫
“
砂利
(
じゃり
)” の例文
異人館の丘の
崖端
(
がけはし
)
から川を見下ろすと、昼間見る川は
賑
(
にぎや
)
かだつた。河原の
砂利
(
じゃり
)
に低く
葭簾
(
よしず
)
の屋根を並べて、遊び茶屋が出来てゐた。
川
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
ハッと思った途端に、私はこの時初めて、
我
(
わ
)
れと
我心
(
わがこころ
)
に帰って、気が付いてみると、そんな
砂利
(
じゃり
)
の上に、横ざまに倒されている。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
子供
(
こども
)
たちは、
空
(
あ
)
き
地
(
ち
)
に
積
(
つ
)
んである
砂利
(
じゃり
)
の
上
(
うえ
)
へ
登
(
のぼ
)
ったり、
空
(
あ
)
き
箱
(
ばこ
)
の
上
(
うえ
)
にすわったりして、
紙芝居
(
かみしばい
)
のおじさんを
取
(
と
)
り
巻
(
ま
)
いていました。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
海の中にもぐった時に聞こえる波打ちぎわの
砂利
(
じゃり
)
の相摩する音や、火山の火口の奥から聞こえて来る
釜
(
かま
)
のたぎるような音なども思い出す。
ねずみと猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「さあ、しかしあのコングロメレートという方は前にただの
砂利
(
じゃり
)
だったころはほんとうに空が茶いろだったかも知れませんね。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
古藤はしゃちこ
張
(
ば
)
った軍隊式の立礼をして、さくさくと
砂利
(
じゃり
)
の上に
靴
(
くつ
)
の音を立てながら、
夕闇
(
ゆうやみ
)
の催した
杉森
(
すぎもり
)
の下道のほうへと消えて行った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかもその異物は、
砂利
(
じゃり
)
であろうとガラスのかけらであろうと、とにかく形があるものでありさえすれば何でもいいのです。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
ずう躰が大きくて、あるきぶりがゆうゆうとしているから、たとえ
砂利
(
じゃり
)
トラの運転手でも眼をひかれずにはいられないのだ。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ただ大きな松や桜を植えてそのあいだに
砂利
(
じゃり
)
を敷いた広い道をつけたばかりであるが、手を入れすぎていないだけに、見ていて心持ちがいい。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
砂利
(
じゃり
)
や石ころが、ごろごろしている道をえらんで走った。透明人間との間が少しはなれた。やっと、町の入口に走りついた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
いちばんいいところでも、岩の上にねんどやおもたい
砂利
(
じゃり
)
があるくらいのもので、とにかく、見るからにひんじゃくだった。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
はだしのまま、
砂利
(
じゃり
)
の多いこの道を
駈
(
か
)
けて通学させられた小学生の
頃
(
ころ
)
の自分を、急になまなましく彼は思い出した。あれは、戦争の末期だった。
夏の葬列
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
こういえば、
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じゃり
)
を掴んでまでも、徳松の無実を言い立てようという、勇気のある
篤志家
(
とくしか
)
は容易に出ないでしょう。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでからもう
砂利
(
じゃり
)
でも針でもあれと
地
(
つち
)
へこすりつけて、十余りも蛭の
死骸
(
しがい
)
を
引
(
ひっ
)
くりかえした上から、五六
間
(
けん
)
向うへ飛んで
身顫
(
みぶるい
)
をして
突立
(
つッた
)
った。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ヘンゼルは、かがんで、その
砂利
(
じゃり
)
を、うわぎのかくしいっぱい、つまるだけつめました。それから、そっとまた、もどって行って、グレーテルに
ヘンゼルとグレーテル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
私たちは、家の前の石段から坂の下の通りへ出、
崖
(
がけ
)
のように
勾配
(
こうばい
)
の急な
路
(
みち
)
についてその細い坂を
上
(
のぼ
)
った。
砂利
(
じゃり
)
が敷いてあってよけいに歩きにくい。
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どうも汽車ってものは恐ろしく
迅
(
はや
)
いものだ。まるで飛ぶようだ。電信柱はとんで来るように見え、
砂利
(
じゃり
)
は
縞
(
しま
)
に見える」など
胆
(
きも
)
をつぶして話されました。
幕末維新懐古談:25 初めて博覧会の開かれた当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
そして大抵は先に来て、青いベンチの前の
砂利
(
じゃり
)
にパラソルの
尖
(
さき
)
で何かの形を描きながら、しかも注意ぶかくあたりを警戒してゐるらしい彼女を発見した。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
大砲も
欠伸
(
あくび
)
をするかも知れない。彼は大砲の下に腰を下した。それから二本目の巻煙草へ火をつけた。もう車廻しの
砂利
(
じゃり
)
の上には
蜥蜴
(
とかげ
)
が一匹光っている。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
海から打ちあげられた
砂利
(
じゃり
)
で道はうずまり、とうてい自転車などとおれそうもないほど荒れているのだ。まるで、よその村へきたような変りかただった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
砂利
(
じゃり
)
や瓦や
川土
(
かわつち
)
を積み上げた物蔭にはきまって
牛飯
(
ぎゅうめし
)
やすいとんの露店が出ている。時には氷屋も荷を
卸
(
おろ
)
している。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
砂利
(
じゃり
)
の積みかさなったあいだで、ろばが緑の
月桂樹
(
げっけいじゅ
)
の
垣
(
かき
)
の上を歩いて、やせたアザミを喜んで食べています。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その他土や
砂利
(
じゃり
)
などを背ではこぶ木の箱の、立っていて
蓋
(
ふた
)
の綱をひき、なかの物をあけるしかけなども、だれがかんがえ出したのか、このごろは始まっている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二人はお
互
(
たがい
)
に助けあって、
鉄柵
(
てっさく
)
を飛び越えました。下は
湿
(
しめ
)
っぽい土が
砂利
(
じゃり
)
を
噛
(
か
)
んでいました。私はツルリと滑って
尻餅
(
しりもち
)
をつきましたが、直ぐにまた起上りました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おあいは、洗足するとき、夫の
草鞋
(
わらじ
)
がすり切れて、足袋の裏まで
砂利
(
じゃり
)
擦れがしているのを見た。
蛾
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
何かを生じさせたのみならず(当時そのことで私は随分二人を憎悪した)今もなお
砂利
(
じゃり
)
みたいなものを一つでものこしている、或はいたことでは平然とした気分ではありません。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
私はほっと一息ついて
砂利
(
じゃり
)
の上に
殪
(
たお
)
れた。焼けつく熱さにも私は何の感じもしなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
砂利
(
じゃり
)
や
玉石
(
たまいし
)
は玉川
最寄
(
もより
)
から来るが、
沢庵
(
たくあん
)
の
重石
(
おもし
)
以上は上流
青梅
(
あおめ
)
方角から来る。一貫目一銭五厘の
相場
(
そうば
)
だ。
択
(
えら
)
んだ石を
衡
(
はかり
)
にかけさせて居たら、
土方体
(
どかたてい
)
の男が通りかゝって眼を
瞪
(
みは
)
り
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
客車の戸を
開閉
(
あけたて
)
する音、プラットフォームの
砂利
(
じゃり
)
踏みにじりて駅夫の「山科、山科」と叫び過ぐる声かなたに聞こゆるとともに、汽笛鳴りてこなたの列車はおもむろに動き初めぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
砂利
(
じゃり
)
車のあと押しをして、熱い熱い日の下に働いていたが、ふとはげしい
眩惑
(
げんわく
)
を感じて地に倒れ、
援
(
たす
)
けられて自分の小屋に送り込まれてからは、いかな丈夫な
身体
(
からだ
)
もどうすることもできず
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
浜べには、貝が
砂利
(
じゃり
)
のようにうちあげられていた。名も知らぬ幾百種類の貝は、大博物館の標本室いじょうである。そして貝類も食用にした。ウニ、タカセ貝、チョウ貝などをよくたべた。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
しかし墓地へゆく道のほうは、
砂利
(
じゃり
)
があっさり撒いてあるので、踏み心地のよい歩道のような体裁になっている。雑草と野花でいっぱいの、狭い乾いた溝が、この両方の道の間を通っている。
墓地へゆく道
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
次郎の十本の指は、直吉の耳朶をつかんだままだったが、彼の体の重みを支えるには少し弱すぎたらしく、次の瞬間には、彼の体は、
砂利
(
じゃり
)
で固まった路の上に、ほとんどまっさかさまに落っこちた。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「もう二度と、
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じゃり
)
は
踏
(
ふ
)
みたくねえ」
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「——海に
近
(
ちけ
)
えところはこまっけえ砂さ、それが上へのぼるにつれて、
砂利
(
じゃり
)
になり石ころになり、その石ころがもっと大きくなってるもんだ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ですからもしもこの
天
(
あま
)
の
川
(
がわ
)
がほんとうに川だと考えるなら、その一つ一つの小さな星はみんなその川のそこの砂や
砂利
(
じゃり
)
の
粒
(
つぶ
)
にもあたるわけです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
川が直接この美しい珠玉を運んで来るわけではないのだが川は山を
崩
(
くず
)
して岩にし岩を崩して石にし石をくだいて
砂利
(
じゃり
)
にし砂利をふるって土にする。
さくらんぼ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
店とはいっても
葦簾囲
(
よしずがこ
)
いの中に縁台が四つ五つぐらい河原の
砂利
(
じゃり
)
の上に並べてあるだけで、天井は星の降る夜空である。
涼味数題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
吉左衛門はそれをきッかけに、
砂利
(
じゃり
)
で堅めた土間を通って、宿役人の詰め所の上がり
端
(
はな
)
の方へ行って腰掛けた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのくぼ地には
砂利
(
じゃり
)
しかありませんでしたが、カラスたちは、そんなことぐらいで
満足
(
まんぞく
)
することができません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
わたしは
憂鬱
(
ゆううつ
)
になって来ると、下宿の裏から
土手
(
どて
)
の上にあがり、省線電車の線路を見おろしたりした。線路は油や
金錆
(
かなさび
)
に染った
砂利
(
じゃり
)
の上に何本も光っていた。
夢
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
簪は下に落ちて、
砂利
(
じゃり
)
の上にチャリンと鳴ると、怪しの女はお六を突き飛ばしてサッと五六歩、闇の中へ。
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ふたりは、これをしおに、ここをはなれ、
道普請
(
みちぶしん
)
の
砂利
(
じゃり
)
がつんであるほうへ、あるいていきました。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「御帰りいっ」と云う声が玄関に響くと、
砂利
(
じゃり
)
を
軋
(
きし
)
る車輪がはたと行き留まった。
襖
(
ふすま
)
を開ける音がする。小走りに廊下を伝う足音がする。張り詰めた二人の姿勢は
崩
(
くず
)
れた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、
猶
(
なお
)
の事だ。今更ながら、一同の
呆
(
あき
)
れた
処
(
ところ
)
を、
廂
(
ひさし
)
を
跨
(
また
)
いで
倒
(
さかしま
)
に
覗
(
のぞ
)
いて
狙
(
ねら
)
つた愚僧だ。つむじ風を
哄
(
どっ
)
と吹かせ、
白洲
(
しらす
)
の
砂利
(
じゃり
)
をから/\と
掻廻
(
かきまわ
)
いて、パツと一斉に灯を消した。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこには、
砂利
(
じゃり
)
取り場があって、わたしたちは、その中を歩きまわって、土をかきまわしたものですよ。それから、青キャベツの畑にはいることも、ゆるしてもらいましたよ。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
砂利
(
じゃり
)
を踏む音が聞えた。エプロンをかけた若い女が、迎えに来た。仏は、その女の顔を見たとき、もちっとで
呀
(
あ
)
っと叫ぶところだった。その女も、
愕
(
おどろ
)
いて、思わず足を停めた。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一歩二歩
(
ひとあしふたあし
)
とだんだん路地の中へ進み入ると、
忽
(
たちま
)
ち雨だれか何かの
泥濘
(
ぬかるみ
)
へぐっすり片足を踏み込み、驚いて立戻り、魚屋の
軒燈
(
けんとう
)
をたよりに
半靴
(
はんぐつ
)
のどろを
砂利
(
じゃり
)
と
溝板
(
どぶいた
)
へなすりつけている。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
然しいつまで川水を汲んでばかりも居られぬので、一月ばかりして
大仕掛
(
おおじかけ
)
に
井浚
(
いどさらえ
)
をすることにした。
赤土
(
あかつち
)
からヘナ、ヘナから
砂利
(
じゃり
)
と、一
丈
(
じょう
)
余
(
よ
)
も掘って、無色透明無臭而して無味の水が出た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「——海に
近
(
ちけ
)
えところはこまっけえ砂さ、それが上へのぼるにつれて、
砂利
(
じゃり
)
になり石ころになり、その石ころがもっと大きくなってるもんだ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“砂利”の解説
砂利(じゃり、ざり、巴初剌那、en: gravel)は、粒径が一定の細かさをもつ丸みを帯びた石。より細かい砂や比較的大きい栗石や玉石を含むこともある。岩石を破砕した砕石とは異なる。
(出典:Wikipedia)
砂
常用漢字
小6
部首:⽯
9画
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“砂利”で始まる語句
砂利道
砂利場
砂利所
砂利穴
砂利路
砂利食
砂利掃除
砂利置場