白々しろ/″\)” の例文
其のうちに長き夜の白々しろ/″\と明渡りまして、身体はがっかり腹は減る、如何いかゞせばやとぼんやり立縮たちすくんで居りましたが、思い直してふもとの方へくだりました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かたなゝめにまへおとすと、そでうへへ、かひなすべつた、……つきげたるダリヤの大輪おほりん白々しろ/″\と、れながらたはむれかゝる、羽交はがひしたを、かるけ、すゞしいを、じつはせて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
柿色かきいろ蝶鳥てうどりめたる大形おほがた浴衣ゆかたきて、黒襦子くろじゆす染分絞そめわけしぼりの晝夜帶ちうやおびむねだかに、あしにはぬり木履ぼくりこゝらあたりにもおほくはかけぬたかきをはきて、朝湯あさゆかへりに首筋くびすぢ白々しろ/″\手拭てぬぐひさげたる立姿たちすがた
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほゝのかゝり白々しろ/″\と、なかにも、圓髷まるまげつた細面ほそおもて氣高けだかひん女性によしやうの、もつれたびんつゆばかり、面窶おもやつれした横顏よこがほを、またゝきもしないさうひとみ宿やどした途端とたんに、スーとりて、いた
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あつさに一まいしめのこした表二階おもてにかい雨戸あまど隙間すきまからのぞくと、大空おほぞらばかりはくもはしつて、白々しろ/″\と、おとのないなみかとせて、とほりをひとへだてた、むかうのやしき板塀越いたべいごしに、裏葉うらはかへつてあきゆる
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ところ旦那樣だんなさま別嬪べつぴんさんが、うやつて、手足てあし白々しろ/″\座敷ざしきなかすゞんでなさいます、周圍まはりを、ぐる/\と……とこからつぎ簀戸よしどはううらから表二階おもてにかいはうと、横肥よこぶとりにふとつた
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
薄紅ときいろ撫子なでしこと、藤紫ふじむらさき小菊こぎくかすかいろめく、友染いうぜんそつ辿たどると、掻上かきあげた黒髪くろかみ毛筋けすぢいて、ちらりと耳朶みゝたぼと、さうして白々しろ/″\とある頸脚えりあしが、すつとて、薄化粧うすげしやうした、きめのこまかなのさへ
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふといたまど横向よこむきにつて、ほつれ白々しろ/″\としたゆびくと、あのはなつよかをつた、とおもふとみどり黒髮くろかみに、おなしろはな小枝こえだきたるうてな湧立わきたしべゆるがして、びんづらしてたのである。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白々しろ/″\つゆかるく……やなぎわた風情ふぜい
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)