火花ひばな)” の例文
そして、最後さいごは、火花ひばならす、突撃戦とつげきせんでありました。てき散々さんざんのめにあわして潰走かいそうさしたが、こちらにもおおくの死傷者ししょうしゃしました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし青ざめたピカ/\光る火花ひばなが、私が眺めてゐた雲の中からほとばしると、メリ/\、ガラ/\といふ音と直ぐ傍で鳴り渡る轟きが聞えた。
それがすなはけむりばれる以所ゆえんである。かういふふうに噴出ふんしゆつはげしいとき電氣でんき火花ひばなあらはれる。性空上人しようくうしようにん霧島火山きりしまかざん神體しんたいみとめたものは以上いじよう現象げんしよう相違そういなからう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
足下きみ同情どうじゃう多過おほすぎるわし悲痛かなしみに、たゞ悲痛かなしみへるばかり。こひ溜息ためいき蒸氣ゆげけむりげきしてはうち火花ひばならし、きうしてはなみだあめもっ大海おほうみ水量みかさをもす。
自分が出来合できあひやつを胸にたくはへてゐるんぢやなくつて、石と鉄と触れて火花ひばなる様に、相手次第で摩擦の具合がうまく行けば、当事者二人ににんの間に起るべき現象である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
といふがはやいか、ケンドンにはふした、卷煙草まきたばこは、ツツツと橢圓形だゑんけいなが中空なかぞら流星りうせいごといたが、𤏋ぱつ火花ひばなつて、あをくしてくろみづうへみだれてちた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其建物そのたてものをいへば松田まつだ寿仙じゆせん跡也あとなり常磐ときは萬梅まんばい跡也あとなり今この両家りやうけにんまへ四十五銭と呼び、五十銭と呼びて、ペンキぬり競争きやうそう硝子張がらすはり競争きやうそうのきランプ競争きやうそう火花ひばならし候由そろよしそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
血紅けつこう火花ひばなひらめき
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
火花ひばなする船腹せんぷく
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
発矢はっし火花ひばな
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こまは、たがいにふれって、ぱっぱっと火花ひばならしています。ややおくれて、辰雄たつおももらったこまをれました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼の眼は火花ひばなでもあり、燧石ひうちいしでもあつた。彼は何事も否認しなかつたが、あらゆるものにいどみかけるかのやうであつた。
さうして、ある点へると、此二つのものが火花ひばならして切りむす関門くわんもんがあると予想してゐた。それで生活欲を低い程度にめて我慢してゐた。彼のへやは普通の日本間にほんまであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つて見送みおくれば、をんなせた電車でんしやは、見附みつけたにくぼんだ廣場ひろばへ、すら/\とりて、一度いちどくらつてまつたが、たちまかぜつたやうに地盤ぢばんそらざまにさつさかすべつて、あを火花ひばながちらちらと
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じっと、みずそこしずんで、くらうえほうで、ひとところだけが、あかく、いなずまのように、ちらちらと火花ひばならしているのを、おそろしげにながめていました。
魚と白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
顳顬こめかみの上の、頭に捲きつけた黒い布の頭被タアバンの襞の眞中には、質も密度も雲のやうにさだかならぬ、白い焔の環が、一際もの凄い青光を放つ火花ひばなちりばめて、光り輝いてゐる。
カチンと、みんなが、からした、鉄砲てっぽうだまのようなべいは、たがいにはじきって、火花ひばならしました。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、つばきのでつくったごまは、たいへんかたくて、なかなかわれぬばかりでなく、うまく火花ひばなをちらして、ぶつかって、どぶのなか鉄胴てつどうをはねとばしてしまうことが、あったものだ。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじさんは、ラジオの針金はりがねをぎりぎりととしちゃんの磁石じしゃくきました。つぎに、その二ほんせんはし電池でんち端子たんしむすびつけました。すると、電流でんりゅうつうじて、あおい、うつくしいが火花ひばなりはじめました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)