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殿
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どの
ふりがな文庫
“
殿
(
どの
)” の例文
お
螻
(
けら
)
殿
(
どの
)
を、
佛
(
ほとけ
)
さん
蟲
(
むし
)
、
馬追蟲
(
うまおひむし
)
を、
鳴聲
(
なきごゑ
)
でスイチヨと
呼
(
よ
)
ぶ。
鹽買蜻蛉
(
しほがひとんぼ
)
、
味噌買蜻蛉
(
みそがひとんぼ
)
、
考證
(
かうしよう
)
に
及
(
およ
)
ばず、
色合
(
いろあひ
)
を
以
(
もつ
)
て
子供衆
(
こどもしう
)
は
御存
(
ごぞん
)
じならん。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのむかし、この顕家もまだ十四歳の左中将の若者であったころ、北山
殿
(
どの
)
の
行幸
(
みゆき
)
に、花の
御宴
(
ぎょえん
)
に
陪
(
ばい
)
して、
陵王
(
りょうおう
)
の舞を舞ったことがある。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
桃
(
もも
)
いろの
封筒
(
ふうとう
)
へ入れて、岩手
郡
(
ぐん
)
西根山
(
にしねやま
)
、山男
殿
(
どの
)
と上書きをして、三
銭
(
せん
)
の切手をはって、スポンと
郵便函
(
ゆうびんばこ
)
へ
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
みました。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
此方
(
こち
)
の
昔馴染
(
むかしなじみ
)
のヸーナス
殿
(
どの
)
を
美
(
ほ
)
めさっしゃい、
乃至
(
ないし
)
は
盲目
(
めんない
)
の
息子殿
(
むすこどの
)
、
例
(
れい
)
のコーフェーチュアの
王
(
わう
)
さんが
乞食娘
(
こじきむすめ
)
に
惚
(
ほ
)
れた
時分
(
じぶん
)
に
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そこ/\に
暇乞
(
いとまごひ
)
して我家に立歸りしに女房お梅は
出迎
(
いでむか
)
へ御持參の
金子
(
きんす
)
滯
(
とゞこ
)
ほりなく文右衞門
殿
(
どの
)
請取
(
うけとら
)
れしや
如何
(
いか
)
にと云ふに長八
首
(
かうべ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
「あの、石川
殿
(
どの
)
の用人、竹田とやらがまいった時から、ずっとすわりつづけで、脚がもうしびれてしもうた。やれやれ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ぼくは、今日、平木中佐
殿
(
どの
)
が言われたように、なにごとにでも死ぬ覚悟でぶっつかるつもりでいるんです。なまぬるいことは、ぼく、大きらいです。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
この岡崎
殿
(
どの
)
が十八
歳
(
さい
)
ばかりの時、主人より年の二つほど若い
小姓
(
こしょう
)
に佐橋甚五郎というものがあった。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いや、
聟
(
むこ
)
殿
(
どの
)
があれを
二
(
に
)
の無いものに大事にして居らるるは
予
(
かね
)
て知ってもおるが、……多寡が一管の
古物
(
こぶつ
)
じゃまで。ハハハ、何でこのわし程のものの娘の
生命
(
いのち
)
にかかろう。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
よし/\、本来の
田舎漢
(
ゐなかもの
)
、何ぞ其様な事を気に
介
(
かい
)
せむや。吾此の大の眼を
瞠
(
みは
)
りて帝国ホテルに寄り
集
(
つど
)
ふ限りの淑女紳士を
睨
(
にら
)
み殺し呉れむず。昔木曾
殿
(
どの
)
と云ふ武士もありしを。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
彼は花形
殿
(
どの
)
のために馬車を駆っているのではないか? どれだけ神のごとく、どれだけ不朽で彼はあるのか? 不朽でもなく神のごとくでもなく、自分に対する自分自身の評価
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
えるされむに住む
靴匠
(
くつしょう
)
でござったが、当日は
御主
(
おんあるじ
)
がぴらと
殿
(
どの
)
の
裁判
(
さばき
)
を受けられるとすぐに、一家のものどもを
戸口
(
とぐち
)
へ呼び集めて、
勿体
(
もったい
)
なくも、御主の御悩みを、笑い興じながら
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
湯
殿
(
どの
)
には雲突く許りの力士が二人裸に締込みして待受けて居た。少しギヨツとした。
相撲の稽古
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
きくと、女中の
誰
(
だれ
)
かが強盗をかくしているに
相違
(
そうい
)
ないと云うので、女中を一々呼び出した。すると、その中に大納言
殿
(
どの
)
と云われる上席の女中がいたが、それが
風邪気味
(
かぜぎみ
)
だと云って、出て来ない。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
加賀国
富樫
(
とがし
)
と言う所も近くなり、富樫の
介
(
すけ
)
と申すは当国の大名なり、鎌倉
殿
(
どの
)
より
仰
(
おおせ
)
は
蒙
(
こうむ
)
らねども、内々用心して
判官殿
(
ほうがんどの
)
を
待奉
(
まちたてまつ
)
るとぞ聞えける。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
理不盡
(
りふじん
)
なる
怒
(
いかり
)
の
切先
(
きっさき
)
、
只
(
たゞ
)
一突
(
ひとつき
)
にとマーキューシオー
殿
(
どの
)
の
胸元
(
むなもと
)
をめがけて
突
(
つ
)
いてかゝりまする、
此方
(
こなた
)
も
同
(
おな
)
じく
血氣
(
けっき
)
の
勇士
(
ゆうし
)
、なにを
小才覺
(
ちょこざい
)
なと
立向
(
たちむか
)
ひ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今、通って来た右側の樹立の奥に見えた
築地
(
ついじ
)
と屋根が、東山
殿
(
どの
)
の銀閣寺であったらしい。ふと、
振顧
(
ふりかえ
)
ると、そこの泉が
棗形
(
なつめがた
)
の鏡のように眼の下に見えたのである。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
押立
(
おしたて
)
玄關には
紫
(
むらさ
)
き縮緬の幕を
張
(
はり
)
威儀
(
ゐぎ
)
嚴重
(
げんぢう
)
に構へたり此時下の本陣には
播州
(
ばんしう
)
姫路
(
ひめぢ
)
の城主酒井雅樂頭
殿
(
どの
)
歸國の折柄にて御旅宿なりしが
雅樂頭
(
うたのかみ
)
殿上の本陣に天一坊旅宿の由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
死亡承諾書、私
儀
(
ぎ
)
永々
御恩顧
(
ごおんこ
)
の
次第
(
しだい
)
に
有之候儘
(
これありそうろうまま
)
、
御都合
(
ごつごう
)
により、
何時
(
いつ
)
にても死亡
仕
(
つかまつ
)
るべく候年月日フランドン
畜舎
(
ちくしゃ
)
内、ヨークシャイヤ、フランドン農学校長
殿
(
どの
)
とこれだけのことだがね
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あとはまた眠気を
催
(
もよお
)
す
沈黙
(
しじま
)
が、狭い床店の土間をのどかに込めて、
本多隠岐守
(
ほんだおきのかみ
)
殿
(
どの
)
の黒板塀に沿うて軽子橋の方へ行く
錠斎屋
(
じょうさいや
)
の金具の音が、薄れながらも手に取るように聞こえて来るばかり——。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「来賓祝辞——陸軍省の平木中佐
殿
(
どの
)
。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
わしも、
今
(
いま
)
思
(
おも
)
へば、そもじと
同
(
おな
)
じ
程
(
ほど
)
の
年齡
(
としごろ
)
に
嫁入
(
よめい
)
って、そもじを
生
(
まう
)
けました。
摘
(
つ
)
まんで
言
(
い
)
へば、
斯
(
か
)
うぢゃ、あのパリス
殿
(
どの
)
がそもじを
内室
(
うちかた
)
にしたいといの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
立るとは云ものゝ餘り
物堅
(
ものがた
)
き人かなと文右衞門が
噂
(
うはさ
)
をなし夫に付ても娘お幸は
嘸
(
さぞ
)
かし
辛
(
つら
)
き
勤
(
つと
)
めならんなどと
密々
(
ひそ/\
)
咄
(
はな
)
しの折から親分の武藏屋長兵衞は長八
殿
(
どの
)
家
(
うち
)
にかと聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
北宋、南宋の
稀品
(
きひん
)
。また、東山
殿
(
どの
)
あたりからの名匠の邦画。それから現代画として行われている
山楽
(
さんらく
)
だの
友松
(
ゆうしょう
)
だの
狩野家
(
かのうけ
)
の人々の作品など、折あるごとに、武蔵は観てきた。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから英国ばかりじゃない、十二月ころ兵営へ行ってみると、おい、あかりをけしてこいと上等兵
殿
(
どの
)
に云われて新兵が電燈をふっふっと
吹
(
ふ
)
いて消そうとしているのが毎年五人や六人はある。
月夜のでんしんばしら
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さらには、
御池殿
(
おいけどの
)
の御所や錦小路
殿
(
どの
)
の内でも、奉行人たちへの慰労だの諸大名の招待が連夜のように催され、洛内の灯は、建武以来初めて、昔の都にもまさる夜景をちりばめだした。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丸木で造った山小屋の風情がなかなか風雅であるという者もいたが、これはそのかみ、斉明天皇が三韓交渉の折、筑紫の朝倉に進んだとき造られた
木
(
き
)
の
丸
(
まる
)
殿
(
どの
)
になぞらえたものであった。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「二
官
(
かん
)
殿
(
どの
)
」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“殿”の解説
殿(との)は、貴人の代名詞である。転じて、殿(-どの)は、人名や職名などの後に付けて敬称とする接尾語である。
(出典:Wikipedia)
殿
常用漢字
中学
部首:⽎
13画
“殿”を含む語句
宮殿
御殿
殿上
貴殿
殿内
殿上人
大殿
主殿
舞殿
殿下
岩殿寺
神殿
泉殿
主殿頭
岩殿
大殿油
後殿
大殿堂
大臣殿
法住寺殿
...